スギやヒノキの花粉症シーズンが落ち着いてくるこの時期に、まだ、くしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされていませんか?それは、もしかすると、5月から7月にかけて多く飛散するイネ科の花粉が原因かもしれません。
花粉症患者は年々増加しており、春のスギやヒノキ花粉以外にも、夏の花粉症に悩む方も増えています。
夏の花粉症の原因
春の花粉症といえば、スギとヒノキが有名です。これらの花粉の飛散時期は、スギが2~4月、ヒノキが3~5月です。やっと春の花粉症が落ち着いてきたのに、くしゃみや鼻水、目のかゆみが出る場合は、夏の花粉症が疑われます。
5~9月の夏から秋にかけてはイネ科の花粉が飛散しています。
イネと聞くとお米がとれる稲のイメージがありますが、イネ科にはさまざまな種類があり、道端や河川敷、堤防などの身近な自然にも多く生息しています。
イネ科の植物の種類
花粉症の原因となる、イネ科の植物はおもにカモガヤ、ネズミホソムギ、オニウシノケグサ、ハルガヤ、オオアワガエリなどです。これらは、牧草として海外から輸入され、寒さに強く繁殖力があることから、日本全国で雑草化していきました。そのため、家の近くに田んぼがないからイネ科の花粉症は大丈夫というわけではありません。
イネ科植物の中でも特に花粉症の原因になりやすいのが「カモガヤ」です。
「カモガヤ」の高さは50㎝~120㎝程度で、茎の先の節々から枝が出て、枝の先に5mm~9mmほどの小さな穂をつけ、白っぽい花が集まって咲きます。
「カモガヤ」は、身近なところに生息しているので、家の近所を散歩しただけでも見つけることができるかもしれません。
イネ科の植物の特徴
イネ科の植物は、歩道の端や空き地、草地、河川敷など身近なところに広く生息しています。イネ科の植物の花粉の飛散範囲は数十メートル程度しかないので、近づかなければあまり影響はありません。しかし、気づかずにイネ科の植物に直接触れてしまうと、花粉症の症状が強く出たり、花粉皮膚炎(肌荒れ)を起こすこともあります。
また、自分の家の庭に生えているイネ科の植物を除草する場合、植物が花を咲かせて花粉を飛ばす前に草刈りを行うとよいのですが、カモガヤなどは茎を地中深くまで伸ばしており、その部分まで駆除しないと、すぐにまた生えてきます。花粉症を予防するには、夏前に雑草駆除するのがいいでしょう。
イネ科の花粉症の予防の基本は、イネ科の植物の特徴を覚えて、なるべく近づかないようにすることです。
イネ科の花粉症の特徴
イネ科の植物の花粉は、スギやヒノキなどの樹木の花粉と違って風に乗って遠くまで飛ぶことはなく、飛散範囲は数十メートル程度です。しかし、花粉が飛散する期間が長く、地域によって異なりますが、真冬以外は少量ですが飛散が確認されています。
- 関東・・・2月中旬~12月下旬
- 関西・・・1月上・中旬、2月中旬~11月中旬
*ピークは5月上旬~6月中旬で、4月中旬~7月上旬、7月下旬~10月中旬もやや多め
*ピークは4月下旬~5月下旬で、8月中旬~9月上旬、10月上旬がやや多め
イネ科の花粉症の症状も、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりが中心ですが、スギ花粉症よりも目のかゆみ・充血など、アレルギー性結膜炎の症状が強く出やすい傾向があります。イネ科の植物が生息している場所に近づかないようにし、外出時はメガネをかけるなど目の症状の対策もしっかり行うようにしましょう。
口腔アレルギー症候群の人は夏の花粉症も要注意
口腔アレルギー症候群とは、特定の果物や野菜を食べてから約15分以内に唇や口の中にイガイガ感・かゆみ・腫れなどのアレルギー反応が起こる病気です。
特定の食材と花粉中に類似する物質がアレルギー反応を起こすことから花粉症と関連があるといわれています。イネ科花粉症の中でもプロフィリンというタンパク質にアレルギーをもつ場合、同じくプロフィリンが含まれるメロンやスイカに反応してしまう事があるそうです。(交差反応)
メロンやスイカを食べて喉がイガイガする人は、イネ科の花粉症にも反応しやすい可能性があるため要注意です。
イネ科の花粉症の予防対策
イネ科の花粉は、飛散距離が少なく、身近なところに生息しているのが特徴です。
一日のうちで、イネ科の植物の花粉が最も飛散する時間帯は、8時から10時です。また、午前中の気温が低く、午後から気温が高くなってきた場合は、午後の飛散が増えることもあります。特に、気温が高めでよく晴れた日は要注意。
イネ科の花粉症の予防対策の基本は、イネ科の植物が生息している可能性のある草むらなどには近づかないことです。
外出するときには、マスクやメガネの着用、花粉が体に付着しないようにつばの広い防止や、ツルツルした素材の服を着るなどしましょう。
また、外から帰ってきたら花粉を家の中に持ち込まないように、玄関前で花粉を払い落とし、帰宅後は洗顔やうがいを行いましょう。鼻うがいも効果的です。
日常生活でできる花粉症対策
花粉症は、免疫力が低下することで悪化します。
免疫力は、睡眠不足や偏った食事、運動不足、ストレスなどが原因で低下しやすくなります。夏の花粉症のピークとなる5月から7月というのは、新年度から約1か月が経過し緊張や疲れがピークに達する時期でもあるため、免疫力も低下しやすくなっています。
夏の花粉症の症状を悪化させないためにも、日頃から免疫力を高める生活習慣を心がけておくことが大切です。
そんな免疫力と大きく関わっているのが腸です。腸は、免疫細胞の6割以上が集中しており、人の体の中でも最大の免疫器官と言われています。そして、腸の免疫には、乳酸菌がもつ腸内環境を改善するプロバイオティクスが有効と考えられています。
そのため、日頃から免疫力を高めるために、乳酸菌を継続的に摂取している方も多いです。菊正宗が発見した進化系乳酸菌LK-117には、乳酸菌のプロバイオティクスだけでなく、アレルギー体質に傾いた免疫バランスを整える免疫調整機能があります。また、この免疫調整機能は乳酸菌すべてにあるわけではありません。進化系乳酸菌LK-117は、この免疫調整機能による花粉症などのアレルギー症状を緩和する働きも期待されています。
→ 進化系乳酸菌LK-117の免疫調整機能をもっと詳しくみる
まとめ
今回は夏のイネ科の植物による花粉症について解説しました。夏の花粉症も、スギやヒノキによる花粉症と同様に、できるだけ花粉に触れないようにすることが大切です。
花粉症の症状がひどく、日常生活に影響があるようであれば医療機関を受診し、症状に合わせて治療を行う方がいいですが、日頃から免疫力を高めることを意識することで、症状が軽く済む可能性もあります。早め早めの対策で、快適な一年を過ごしましょう。