乳酸菌の美容と健康LABO

乳酸菌とビフィズス菌の違いは?どっちを摂るべきか菌活ガイド

乳酸菌とビフィズス菌の違いは?腸内環境を整える「菌活」ガイド

【結論】乳酸菌とビフィズス菌は、どちらも「善玉菌」ですが生物学的には別のグループです。乳酸菌は糖から乳酸をつくる細菌の総称で、小腸・発酵食品・自然界に広く分布。ビフィズス菌は主に大腸にすみ、乳酸に加えて酢酸もつくり、酸素があると生きられません。成人の腸内の善玉菌の99%以上はビフィズス菌です。どちらか一方が優れているわけではなく、目的に合わせて両方を毎日続けて摂るのが基本です。

検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所

ヨーグルトのパッケージを見ると、「乳酸菌」と書かれたものと「ビフィズス菌」と書かれたものがあります。同じ善玉菌のようでいて、この2つは何が違うのか。そして自分は結局どちらを選べばいいのか——本記事で整理します。

【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

本記事は「菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム」による監修のもと作成されています。
当チームは以下のような研究実績を基盤に、腸内環境・乳酸菌・免疫応答の関係を継続的に検証しています:
・ 神戸大学共同研究(アレルギー抑制モデル etc)
・ 日本生物工学会 技術賞受賞研究

【研究開発に携わる専門家】

米由来乳酸菌「LK-117」の研究開発には、食品免疫学・微生物学の第一人者であり、大阪青山大学 教授(神戸大学 名誉教授)である 水野 雅史 先生 が関わっています。水野先生は、米乳酸発酵飲料の研究開発において日本生物工学会「生物工学技術賞」、および腸管免疫活性化機構の解明において日本食品科学工学会「学会賞」を受賞されています。
詳しい研究実績:[大阪青山大学 教員紹介] / [researchmap]

【研究の根拠】

乳酸菌・ビフィズス菌の分類、代謝産物、酸素耐性などの記述は、腸内細菌学の標準的な知見に基づいています。「摂取した菌は腸に定着しにくい」「加熱殺菌された菌体にも有用性が報告されている」といった点も、公表されている研究・総説を踏まえて解説しています。

研究の詳細は以下にまとめています:
研究成果一覧(学会発表・論文)

※研究結果には限界があり、すべての方に同じ作用が得られるわけではありません。本記事は治療を目的としたものではありません。


乳酸菌とビフィズス菌の違い【比較表】

まず全体像を表で確認します。もっとも大きな違いは「すみか」「つくる酸」「酸素への強さ」の3つです。

比較項目 ビフィズス菌 乳酸菌
分類 ビフィドバクテリウム属 乳酸をつくる細菌の総称(ラクトバチルス属など多数)
主なすみか 主に大腸(人・動物の腸管) 小腸・発酵食品・自然界(土壌・植物など)
腸内での数 成人の腸内の善玉菌の99%以上 ビフィズス菌の1/100〜1/1000程度
つくる酸 乳酸 + 酢酸 乳酸
酸素耐性 偏性嫌気性(酸素があると生育できない) 通性嫌気性(酸素があっても生育できるものが多い)
菌の形 Y字・V字などの分枝状(多形性) 桿状(棒状)または球状
代表的な菌種 B.ロンガム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.インファンティスなど L.ガセリ、L.アシドフィルス、L.カゼイ、L.ブルガリクス、乳酸球菌など
主な食品 「ビフィズス菌入り」と明記されたヨーグルト・乳飲料 一般的なヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、漬物、味噌、日本酒など

ひとことで言うと

ビフィズス菌は「大腸の主役」——ヒトや動物の大腸に多くすみ、酢酸をつくって悪玉菌が増えにくい環境をつくります。酸素に弱いため、食品に加えるには工夫が必要です。
乳酸菌は「食品でおなじみの働き者」——腸だけでなく発酵食品や自然界に広く分布し、種類も非常に多く、働きも菌株ごとに多彩です。
なお「乳酸菌の一種としてビフィズス菌がある」と説明されることもありますが、代謝や分類が異なるため、現在は別のグループとして扱うのが一般的です。

結局、どっちを摂ればいい?

「ビフィズス菌のほうが数が多いから優れている」とは限りません。目的で選ぶのが基本です。

  • 大腸のケア・便通が気になる … 大腸にすむビフィズス菌を補うのが理にかなっています。「ビフィズス菌入り」と明記されたヨーグルト・乳飲料を選びます。
  • 免疫バランスや肌の調子など、大腸以外の目的 … 菌株ごとに研究されている乳酸菌から、目的に合う菌株を選びます。
  • とりあえず腸内環境を整えたい … どちらか一方に絞る必要はありません。ビフィズス菌入りヨーグルト+漬物・味噌などを組み合わせ、食物繊維・オリゴ糖(善玉菌のエサ)も一緒に摂ると効率的です(シンバイオティクス)。

どの菌も、摂取して数日で排出され腸に定着はしにくいため、毎日続けることが前提になります。菌株ごとの選び方は、以下で詳しく解説しています。

1万種類以上?乳酸菌の「属・種・株」の違いが健康効果を分ける

腸内フローラを整える3つのアプローチ

プロバイオティクス:生きた菌を毎日届ける

ヨーグルト・納豆・乳酸菌飲料などで「生きた善玉菌」を補います。定着しにくいため毎日の継続が重要です。

プレバイオティクス:善玉菌のエサを育てる

オリゴ糖や食物繊維など、もともと腸にいる善玉菌(特にビフィズス菌)を増やすエサを摂ります。プロバイオティクスと同時に摂る「シンバイオティクス」が効果的とされています。

バイオジェニックス:菌の成分が直接働く

加熱殺菌した菌体成分や、菌がつくり出した物質です。腸内フローラを介さず直接体に作用するとされ、品質が安定し菌数を確保しやすい利点があります。「生きて届かないと無意味」ではない、という考え方の根拠です。

よくある誤解

「乳酸菌=ビフィズス菌」ではない
同じ善玉菌でも、つくる酸(乳酸のみ/乳酸+酢酸)、すみか、酸素耐性が異なります。ヨーグルトの表示を見るときは「乳酸菌」か「ビフィズス菌入り」かを区別すると選びやすくなります。
「生きて腸に届かないと意味がない」わけではない
生きて届いた菌は善玉菌として働きますが、死んだ菌体も善玉菌のエサになったり(プレバイオティクス的)、成分が直接体に働きかけたり(バイオジェニックス)することが報告されています。大切なのは菌の生死よりも継続と菌株選びです。
「数が多いほど良い」わけではない
菌数だけでなく、目的に合う菌種・菌株かどうかが重要です。また摂った菌は定着しないため、一度に大量に摂るより毎日少しずつ続けるほうが理にかなっています。

日本人と「米由来の植物性乳酸菌」

日本人は古くから味噌・漬物・日本酒など穀類中心の発酵食品文化を持ち、これらに多い植物性乳酸菌は酸に強く腸まで届きやすい菌株が多いとされます。菊正宗が日本酒の伝統製法「生酛(きもと)造り」の工程から発見した米由来乳酸菌「LK-117」は、神戸大学等との共同研究で、①アレルギー症状の軽減作用 ②整腸作用、の二つの働きが示唆されています。

LK-117乳酸菌とは?由来・研究・限界を解説

FAQ:よくある質問

乳酸菌とビフィズス菌は同じものですか?
どちらも善玉菌ですが、生物学的には別のグループです。乳酸菌は乳酸だけをつくり、ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸もつくります。すみかや酸素への強さも異なります。
健康のためにはどちらを摂ればいいですか?
大腸のケアや便通目的なら大腸にすむビフィズス菌、免疫や肌など他の目的なら研究された菌株の乳酸菌、が目安です。どちらか一方に絞らず、食物繊維・オリゴ糖と組み合わせて摂るのがおすすめです。
ビフィズス菌はなぜ大腸に多いのですか?
ビフィズス菌は酸素があると生育できない偏性嫌気性菌のため、酸素の少ない大腸に多くすんでいます。小腸にはほとんどいません。
摂った乳酸菌・ビフィズス菌は腸に定着しますか?
基本的に定着せず、数日で便として排出されます。腸を良い状態に保つには毎日続けて摂ることが大切です。
加熱殺菌された乳酸菌(死菌)にも効果はありますか?
死んだ菌体も、善玉菌のエサになったり、菌体成分が直接体に働きかけたりする有用性が研究で報告されています(バイオジェニックス)。
効果を感じるまでどのくらいかかりますか?
個人差がありますが、腸内環境の変化には時間がかかるため、まずは2週間〜3ヶ月程度の継続が目安とされています。便の状態の変化を観察しながら続けてみてください。

まとめ

乳酸菌とビフィズス菌は、同じ善玉菌でも「すみか」「つくる酸」「酸素への強さ」が異なる別のグループです。優劣ではなく目的で選び、食物繊維・オリゴ糖と一緒に、毎日続けて摂ることが賢い菌活の基本です。

乳酸菌全般の効果・選び方・安全性を体系的に知りたい方は、以下のガイドをご覧ください。
乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド|効果・選び方・安全性

本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。

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