新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとはいえ、1ヶ月以上も続く外出自粛によるストレスは想像以上に大きいです。「コロナ疲れ」「コロナストレス」「コロナうつ」などの言葉も現れるようになりました。
自粛ストレスが免疫力の低下につながる?
私たちの日常生活の状態と、カラダに備わる免疫機能の状態は密接に関係しています。
加齢やストレス、睡眠不足、栄養バランスの偏りなど、日常生活のバランスが崩れると、免疫機能の低下に繋がります。
免疫力が低下すると、感染症やアレルギーなどを発症するリスクが高まってしまいます。感染症を予防するためには、なるべく人混みを避け、こまめな手洗いや消毒といった行動が大切ですが、それに加えて日常生活のバランスを正常に保つことも大切です。
免疫力の低下を防ぎカラダを守るためには、日常生活で何ができるのかを考えていきましょう。
外出自粛で心配されるストレス問題
新型コロナウイルスによる感染症拡大により、世界中で緊迫した状況が続いています。日本では、政府は新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、“全国的かつ急速な蔓延により、国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生した”と判断し、2020年4月7日に、7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)を対象に、4月8日(水)~5月6日(水)までの約1ヵ月間、日本で初となる「緊急事態宣言」が発令されました。
実際には、緊急事態宣言が発令される前の3月から始まった自粛ムードの加速も含めると、外出自粛期間は2ヶ月以上も続くことになります。そして、いつまで続くのだろうという不安もあります。
これによって心配されているのが、「ストレス」です。
外出自粛によって家族が家にいる時間が増えたことで、今までの生活リズムが一変し、運動不足や家事育児の負担増、そして、外出できないことでストレスを発散する機会が大きく減っているのも問題です。大人も子供も想像以上のストレスが心配されています。
ストレスによる免疫力低下
免疫は、私たちのカラダに備わっている最大の防御システムです。体外から入ってくる細菌やウイルスの侵入を防いだり、攻撃してやっつけたり、カラダの健康状態を保つ働きをしています。そんな免疫細胞にはたくさんの種類があり役割もさまざまですが、生活環境や体調によっても変動するため、ストレスが過剰になったり生活習慣が乱れたりすると、正常に機能できなくなり、免疫力が低下してしまいます。
免疫が正常に機能するためには、自律神経の働きが重要になります。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は、全身の活動力を高める神経で、血圧や血糖を上げたり血液を筋肉や脳に集める働きがあり、おもにに日中活動している時に優位になります
副交感神経は、身体を回復させる神経で、内臓の機能を高めたり免疫機能を正常にする働きがあり、おもに夜リラックスしているときに優位になります
自律神経は、この交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで調和が保たれるため、全くストレスがない状態よりも、多少はストレスがある方が生活にメリハリがつき、仕事や勉強も進めやすくなります。多少のストレスというのは、適度な緊張感という言葉の方が分かりやすいかと思います。
しかし、長期間にわたって強いストレスを抱えてしまうと、常に交感神経ばかりが優位な状態になり、自律神経の働きが乱れ、免疫機能が正常に働かなくなります。
では、日常生活でどのようなことを心がければ、自律神経のバランスを整えることができるのでしょうか。
日常生活でできること
- 身体を動かす
- 呼吸を整える
- ぐっすり眠る
- 朝日を浴びる
- いっぱい笑う
- 身体を温める
- リラックスできる時間をつくる
まずは1日に10分程度、ストレッチや体操をするだけでいいので、身体を動かす習慣をつけることが大切です。家でできるものとしては、ラジオ体操やスクワットなどの筋トレがいいでしょう。自律神経を整えるストレッチなどもあるので、日常生活に上手く取り入れていきましょう。
呼吸法には、交感神経の働きを高める「胸式呼吸」と、副交感神経の働きを高める「腹式呼吸」があります。「胸式呼吸」は、普段私たちが無意識に行っている息を短めに吸って吐く呼吸法です。「腹式呼吸」は、お腹が膨らむイメージで鼻から息を吸い、吐くときにはお腹をおなかをへこませるという呼吸法で、ゆっくりとした呼吸法となるため心身がリラックスした状態に持っていきやすくなります。
夜にぐっすり眠ることがきれば、昼間はすっきり起きて動けるようになります。昼は交感神経が、夜は副交感神経が優位に働くという自然な自律神経の切り替えをするためにも、睡眠リズムを整えるようにしましょう。
朝日を浴びると、気持ちいい感じるだけでなく身体の中ではセロトニンと呼ばれる「幸せホルモン」が放出され、自律神経のバランスを整えようと働き、すっきりとした目覚めや、やる気が出てきます。
笑うと副交感神経が優位に働きます。さらには、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第、攻撃するNK細胞が活性化されることが分かっています。
身体が温まると血管が拡張して副交感神経が優位になり、身体がリラックスしやすくなります。入浴はシャワーだけでは身体が温まらないので、40度くらいのぬるめのお湯に10分以上つかるのが理想です。また、基礎体温があがるとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まります。
なかなかゆっくりする時間が作れないかもしれませんが、好きなことをしたり、なにも考えずボーっとしたり、リラックスできる時間を作るようにしましょう。責任感が強くまじめな人は、家の中でもつい頑張りすぎてしまうことがあります。適度に「手を抜く」ことも、時には必要です。
家にいる時間が増えたときしか出来ないこと
外出自粛で、家でどう過ごせば良いのか悩んでいる方も多いはず。しかし、考え方を少し変えてみませんか。家にいる時間が増えたら、何が出来るだろう?
例えば、家族で料理をするとか、普段なら出来ないような場所を掃除してみるとか、絵を描いてみるとか。
その他には、最近はスマホの普及でメールで文字のやり取りが増えているので、ビデオ通話でゆっくりおしゃべりするとか。人と話すのって意外とストレス発散になります。今は、会わなくても顔をみて会話ができるなんて、とても便利な時代になったなと感じています。YouTubeなどの動画を活用して大人も子供と一緒に英語を勉強してみるとかもいいですね。
外出自粛で何も出来ないと悩むより、せっかくなのでこの時にしか出来ないことを考えてみてはいかがでしょうか?
自律神経と腸の関係
ストレスと自律神経は深く関係していることがわかりました。そして、もう一つ自律神経に大きな影響を与えているのが「腸」です。
ストレスが原因で便秘や下痢になると聞いたことがありませんか?
それは、腸の働きとストレスが密接に関係しているからです。人は、ストレスを感じると交感神経が優位になります。ところが、排便を促す腸のぜんどう運動を支配しているのは副交感神経です。つまり、ストレスが溜まると腸の動きが鈍くなり便秘や下痢を引き起こしますのです。
反対に、良い腸内環境が保たれていると自律神経が整います。また、「腸」には、体全体の約6割以上もの免疫細胞が集中しています。ですので、腸内環境を整えることが、免疫機能を正常に保つことにも繋がります。
腸内環境改善には乳酸菌
腸内環境を整えるには、食生活で、野菜やきのこ、海藻などに多く含まれる食物繊維や、味噌や納豆、甘酒などの発酵食品を積極的に摂り入れることが大切です。毎日、手軽に乳酸菌を摂取する方法として、乳酸菌サプリメントがあります。乳酸菌といえばヨーグルトのイメージがありますが、毎日ヨーグルトを食べ続けるのは意外に大変です。乳酸菌サプリは、乳酸菌だけを効率よく摂取できます。また、毎日どれだけの乳酸菌を摂取しているのかを把握しやすいというメリットもあります。
腸内環境は意識してすぐに改善されるというわけではありません。また、免疫力もすぐに高くなることはありません。細菌やウイルスからカラダを守るためにも、日頃から免疫力を高めておくことが大切です。そういった点から見ても、乳酸菌サプリメントの活用はオススメだといえるでしょう。
まとめ
ストレスが溜まりやすい現代。そこに、新型コロナウイルスの影響もあり自粛ストレスや不安が重なることで、免疫力も低下しやすくなっています。自律神経を正常に保つために、日常生活でできることはたくさんあります。ぜひ、この記事を参考に日常生活にできることから少しずつ摂り入れてみて下さいね。