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甘酒の美容成分がスゴ過ぎなので紹介してみた

甘酒の美容成分がスゴ過ぎなので紹介してみた

甘酒は栄養価が高く、昔から受け継がれてきた伝統的な飲み物です。さらには美容成分も豊富で『飲む美容液』と呼ばれるほど。毎日飲まないと損!と思うほどスゴ過ぎる甘酒の美容成分「エルゴチオネイン」と「α-EG」について解説します。

甘酒の美容効果について

甘酒は、健康や美容、ダイエットにも効果のある飲み物として、ここ数年、さらに注目が高まっています。その中でも、特に美肌になりたい女性の間で人気となっています。
でも、実際のところ、甘酒にはどんな美容成分が含まれていて、どう美肌に作用するのかよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は甘酒の美容成分の中でも特に知ってほしい「エルゴチオネイン」と「α-EG」について詳しく見ていきましょう。まずは甘酒の美容効果をより感じるためにも、2種類ある甘酒のタイプについて知っておきましょう。

甘酒のタイプと美容成分

甘酒は、原材料や作り方によって大きく2種類に分けられます。
ひとつは、米麹を糖化させて作る「米麹由来の甘酒」、もうひとつは、酒粕に砂糖を加えて作る「酒粕由来の甘酒」です。

この甘酒の原材料となる「米麹」と「酒粕」は、どちらも日本酒づくりの過程でできるものです。日本酒の原材料である米に麹菌を加えると、米のでんぷんがブドウ糖に変わることで、自然な甘さが出ます。これを糖化といい、ここでできるのが「米麹」です。米麹由来の甘酒はこの糖化によって甘味がでるので砂糖を加えないのが特徴です。

日本酒づくりでは、この米麹に酵母を加えて発酵させることで糖分がアルコールに変わりもろみになります。このもろみを絞ったものが日本酒の原酒となり、搾った残りカスが「酒粕」です。酒粕由来の甘酒には、日本酒づくりの過程でつくられた栄養成分が豊富に含まれています。

どちらの甘酒にも、健康や美容によいとされるさまざまな成分が豊富に含まれていますが、原材料の違いによっての違いもみられます。今回、特に知ってほしい甘酒の美容成分である「エルゴチオネイン」は米麹由来の甘酒に、「α-EG」は酒粕由来の甘酒に含まれています。

それぞれの美容成分に、どのような効果が期待できるのか知ることで、自分の美容目的に合った甘酒を選ぶことができます。

米麹の甘酒の美容成分「エルゴチオネイン」

米麹の甘酒に含まれるスゴ過ぎる美容成分は、ビタミンEの7000倍もの抗酸化作用を持つといわれる「エルゴチオネイン」です。精製されたものだと、たったの1gで100万円もするそうです。

食品では、コプリーノやタモギタケといったキノコに多く含まれていることが判っていて、麹由来の甘酒にも含まれているが判ったのは、ここ数年の話です。実は、麹菌というのはキノコと大変近縁の生物なので、麹菌がエルゴチオネインを作っていたとしても何も不思議ではありません。

エルゴチオネインが甘酒による美容ブームの火付け役?

麹由来の甘酒に含まれている美容成分「エルゴチオネイン」が脚光を浴び、2016年12月にNHKの「あさイチ」で麹由来の甘酒の美容効果が紹介されました。その内容としては、神戸女子大学の生徒12名に、4週間、毎日甘酒を飲んでもらい、飲む前と飲んだ後のお肌の状態を調べたところ、12名中8名に効果があったという結果が得られたそうです。

番組の中では、肌を拡大したビフォーアフター映像が流されていましたが、確かに4週間後の映像では、私の目でもわかるぐらい肌のキメが細かくなっていました。甘酒を飲み続けたことで、保湿力がアップし肌がツルツルになったということが放送されていました。

エルゴチオネインの美容効果

エルゴチオネインには強い抗酸化作用があるため、体内の活性酸素の働きを抑制する効果があります。

呼吸によって体内に入ってきた酸素の一部が体内で活性酸素に変わるのですが、活性酸素は非常に反応性の強い物質で、周りのさまざまな物質を酸化させてしまいます。活性酸素が増加する原因には、加工食品の添加物、過剰な紫外線、放射線、過度なストレス、タバコ、激しい運動、大気汚染、ダイオキシン、排気ガスなどの環境汚染物質などさまざま。

活性酸素が蓄積され酸化が進むと、肌荒れ、くすみ、シワ、たるみなど肌老化が進みやすくなったり、活性酸素を除去するためにメラニンが増えてシミをつくってしまったりなど、肌に悪い影響をあたえます。また、活性酸素は体にも影響を与え、がんや動脈硬化、生活習慣病にもつながるとされ、全ての病気の90%は活性酸素が原因と言われるほどです。

この活性酸素を抑える働きを抗酸化作用(抗酸化力)と言います。エルゴチオネインは、この抗酸化作用がビタミンEの7000倍もあるそうなので驚きと共に、積極的に摂りたい美容成分だというこがわかります。

酒粕の甘酒の美容成分「α-EG」

「α-EG」は、一般的な日本酒には必ず含まれている成分です。これは旨味を感じる成分で、このα-EGが皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすことを、2017年に世界で初めて金沢工業大学尾関健二研究室と株式会社車多酒造の研究グループが学術的に実証したことで、注目を浴びている美容成分です。

α-EGは、清酒(日本酒)に0.5%含まれているのですが、日本酒の約80%は水で、次にアルコールが約15%、その次がブドウ糖で約3%、その次に多く含まれるのがα-EGなので、実はα-EGはかなり多く含まれている成分になります。昔から、お相撲さんの肌が綺麗なのは日本酒を良く飲むからだと言われてきましたが、もしかしたら、その理由はα-EGかもしれませんね。

日本酒を絞った残りカスである酒粕は、重量の約半分が清酒なので、このα-EGが豊富に含まれていることになります。また、α-EGは熱に強いので加熱して効果がなくなる心配はありません。

さまざまなメディアが注目の「α-EG」

「α-EG」が皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすという研究成果が発表されて、すぐにさまざまなメディアが注目。さっそく2018年1月のNHKの「あさイチ」でも、酒粕に含まれる美容成分「α-EG」の美容効果が紹介されました。

番組内では、50代~60大の女性5人に100gの酒粕を毎日食べてもらい、1週間後に肌のコラーゲン密度の変化を調べたところ、5人中4人のコラーゲン密度が上昇したということが放送されていました。

α-EGの美容効果

α-EGの美容効果は、皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすことです。コラーゲンは皮膚真皮層の70%を占め、肌の潤いやハリを保っています。このコラーゲンが減少すると、表皮細胞の新陳代謝が衰え、弾力や潤いが失われ、肌がたるんだり、深いシワができたり、肌表面が乾燥して萎縮し小ジワができたりと、肌にとっては不都合なことばかり。そのため、コラーゲンを増やすことが肌の若返り効果を促します。

また、コラーゲンは肌だけでなく、体にとっても必要なものです。骨は、カルシウムとコラーゲンによって作られていて、カルシウムは骨量を増やす作用があり、コラーゲンは骨質を増やす作用があり、この両方の作用で骨の強度が増します。その他にも、コラーゲンには血管の柔軟性を高めたり、眼精疲労などにも効果があるとされています。

もともとコラーゲンは、体内でつくられるのですが、加齢によって体内での生産量は減っていきます。0歳を100とすると、30歳では40%に減少してしまうため、外からの摂取が必須です。

そのため、コラーゲンを含んださまざま美容ドリンクが販売されていますが、もともと体内で作られているコラーゲンは、コラーゲンではなくアミノ酸を材料にして作られるので、口から入ったコラーゲンがそのまま細胞に届くことはありません。つまり、コラーゲンそのものを摂取してもあまり意味がないということになります。

だからこそ、皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすことが実証されているα-EGは、スゴ過ぎる美容成分と言えるのです。

まとめ

米麹由来の甘酒の美容成分「エルゴチオネイン」と、酒粕由来の甘酒の美容成分「α-EG」、どちらもスゴ過ぎる美容成分であることは、理解していただけたのではないでしょうか。そこで、気になるは「どっちの甘酒がいいのか?」

これは、甘酒をどのような目的に飲むかで変わってきます。それぞれの美容成分の効果の特徴を知ってより自分が求めるものを選ぶのもいいでしょうし、それぞれの甘酒には美容成分以外にもさまざまな栄養が豊富に含まれているので、それによって選ぶのもいいでしょう。

それぞれの甘酒にその他の栄養素については、こちらの記事でも解説しているので参考にしてください。

→ 美容や健康に良いと話題の甘酒の効果の秘密!乳酸菌との関係は?

米麹と酒粕の甘酒のいいとこどりの「進化系甘酒」

甘酒人気のおかげか、ここ数年で、さまざまな甘酒がスーパーなどでも季節に関係なく1年中、見かけるようになりました。そこで、注目なのが進化系甘酒です。米麹と酒粕の両方のいいとこどりをした甘酒や、甘酒に乳酸菌を加えたものなどが、今までの甘酒からさらに進化した甘酒が販売され始めています。気になる方は、「進化系甘酒」で検索してみてください。

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