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肩こりがひどい。気になる簡単解消法とは

現代人は様々なストレスに晒されながら生活をしています。
その中でも「国民病」ともいわれる肩こりに悩む日本人は、なんと1000万人以上もいるとのことで、今や中高年や高齢者だけでなく若年層にも多く見受けられます。

2020年以降、コロナの影響で在宅勤務やテレワークを実施する企業が増加し、働き方と生活様式が大きく変わりました。それに伴い、肩こりや腰痛に悩まされているという人が増えたのです。

オフィスは、快適に仕事ができる体制が整っています。しかし、テレワークとなると、ダイニングテーブルや座椅子など、仕事用とは異なる環境で作業される方が多いでしょう。

そういったものを使用することが、無理な姿勢や猫背の原因となり、特定の筋肉に負担がかかることで痛みが出やすく、それに加え、時間に融通が利くことから長時間労働になる傾向もあり、肩こりに繋がるのです。

もしかすると、ストレッチをしたり、肩を揉んだり温めたりして少しでも症状を和らげようと努力されているかもしれません。しかし、一瞬和らいだだけで、すぐ肩が重くなったり痛みが出たりしませんか?
それは、肩のこりに繋がる根本的な原因が解消されていないからなのです。

そんな肩こりが、実は「腸」と関係があることをご存知でしょうか。

現代人の多くが抱える悩み「肩こり」


肩こりとは首すじや首の付け根から、肩または背中にかけて「凝った」「張った」「痛みがある」などの症状のことをいいます。
厚生労働省の「国民生活基礎調査(2019年)」によると、私達が日常生活で自覚している症状の中で、「肩こり」は男性が2位、女性では1位という結果に。

※2019年国民生活基礎調査の概要
引用元:厚生労働省HPより

とある製薬会社が行った、テレワークの導入により勤務形態が変わった20~50代の男女700人を対象にした「テレワーク不調」の調査によると、約3人に2人が不調を感じており、8割の人が肩こりや腰痛の症状があると答えています。
「肩こり」はテレワークだけでなく、育児や家事の負担からもなりやすく、30~40代の働くママ層で約7割と、一番多い結果となっています。

「肩こり」の原因はさまざま

肩こりの直接の原因は、「筋肉の疲労」「血行不良」です。
肩の筋肉が緊張することで起こるうっ血のことで、血の巡りが悪くなっている状態のことを指します。

これらを招く原因は人によってさまざまですが、その中でも多く見られるのが「同じ姿勢」「眼精疲労」「運動不足」「ストレス」によるもので、4大原因とも言われています。そんな肩こりには、日常生活が原因で起こる肩こりと、病気が原因で起こる肩こりの2種類があります。

日常生活が原因で起こる肩こり

・長時間にわたり同じ姿勢や悪い姿勢でいる
デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとり続けると、同じ筋肉だけに負担がかかります。パソコンのモニターの位置によっては、猫背などの不良姿勢にもなり、肩や首、腰の筋肉に緊張状態が続き、筋肉が強張り血行不良を繰り返すことで肩こりを招きます。
座っている時に足を組んだり、頬杖をついたり、食事の時に片側の歯だけで物を噛んだり、バッグを同じ肩にかけたりしていませんか?これらも、肩こりを招く原因となります。

・目の疲れ
目の疲れと肩こりには密接な関係があります。
肩こりと目の疲労や不快感に共通するのは「神経の働き」です。PC作業や精密な作業を行う際、目を長時間にわたって駆使することとなり、常に緊張した状態が続きます。すると、ピントを合わせる目の筋肉が疲労し、肩の筋肉にも影響が出始めます。

・精神的なストレス
日常的に多くのストレスを抱えがちな人は、自律神経のバランスも乱れやすいといえます。特に、ストレスが強い時は交感神経が過敏に働くので、血管の収縮を促し、血行が悪くなって肩こりが起きやすくなります。知らず知らずのうちに体に力が入り、首や肩に余計な負担がかかっているからです。

・運動不足
テレワークが普及し、通勤がなくなってしまった方もいらっしゃることでしょう。そうなると、歩くことが極端に少なくなり、これも肩こりを招く原因となります。例えば、1日の平均歩数が8000歩の人が、通勤しないと3000歩以下に。在宅勤務で一歩も外へ出ずにいると1000歩を下回る人もいます。歩かなくなると、血液循環が悪くなり、体内の疲労物質が滞ることで筋肉が固くなり、肩こりが起こりやすくなるのです。

病気が原因で起こる肩こり

肩や関節の異常が原因となる「五十肩(肩関節周囲炎)」や「腱板断裂」、首や肩の骨が原因となる「頚椎症」や「椎間板ヘルニア」、内臓疾患が原因となる「狭心症」や「高血圧」、「脳動脈瘤」など、病気が原因となって起こる肩こりは、通常とは異なるひどい痛みがあったり、他の部位にも症状がでます。
その際は、速やかに医師に相談したほうがよいでしょう。

負のスパイラルに陥るワケ

今や、PCやスマホは仕事だけでなくプライベートでも欠かせません。
ネットショッピングや、動画鑑賞やゲームなど、朝の通勤・通学にはじまり、自宅ではリビングでの団らん中や入浴中、そして寝る直前までなど長時間使用することで、目を酷使し、下向き姿勢による首や肩回りの筋肉の緊張から疲労し、肩こりに繋がります。

肩のこりや痛みが起こる仕組みについて、筋肉を酷使すると過剰に活性酸素が発生し、「ファティーグ・ファクター(Fatigue Factor)」と呼ばれるたんぱく質(疲労因子FF)が増えます。この疲労因子FFが筋肉細胞を酸化(錆び)させることで、筋肉が硬質化します。

この因子が増え、脳から休めという信号が出ると、疲労因子FFに対応する「ファティーグ・リカバー・ファクター(Fatigue Recover Factor)」(疲労回復因子FR)が発生し、酸化された細胞の修復を始めます。

しかし、完全に修復するまでに人はまた筋肉を酷使するので、修復が追い付かず慢性的な肩こりとなってしまい、負のスパイラルが生じるのです。


肩こりは、放置しておくと吐き気やめまい、頭痛といった症状や、自律神経のバランスが崩れることで、自律神経失調症や更年期障害など様々な病気を引き起こします。

その解決策として、疲労回復因子FRを増やすことで筋肉細胞が酸化にしくくなり、肩こりの慢性化を防ぐことができるのですが、この疲労回復因子、実は「腸内」で生成されるのです。

つまり、「腸内環境を整える」ことで疲労回復因子FRを増やし、自律神経のバランスを整えることで負のスパイラルの仕組みにおける解決案になるということですね。

実は、腸と脳は親密な関係?!

腸は「第二の脳」と言われています。
これは、腸には脳に次ぐ多くの神経細胞が存在し、感情にも深くかかわっているためです。
また、脳との関係も密接で、腸の不調は脳に反映され、脳に受けたストレスは腸に反映されるのです。このネットワークを「腸脳相関」といいます。

ストレスを感じるとお腹が痛くなる経験がある方も多いと思いますが、これは脳が自律神経を介して腸に刺激を与えるからなのです。


腸の働きには、自律神経が大きく関わっています。
活動神経である「交感神経」が優位な時は、腸の蠕動(ぜんどう)運動は停滞しています。
一方、リラックス神経である「副交感神経」が優位な時は、腸の蠕動運動は活発になっています。
蠕動運動がしっかり起こっていると、腸内の不要なものが次々と押し出され、腸内環境にも好影響をもたらすのです。

この交感神経と副交感神経は、必要に応じて切り替わり、体内のバランスを保っています。
自律神経が整っていると、この切り替えがスムーズにいきますが、乱れていると切り替えがうまくいかず、腸の働きが低下し、生活習慣病や肩こり、肌荒れ、肥満、便秘や下痢といった体調不良が起きやすくなるのです。

ついつい、就寝直前までスマホやパソコンを見てしまっていませんか?
夜なのに交感神経が優位な状態を続けていると、腸の活動を阻害してしまいます。

腸内環境を整えるために、次のようなことを生活習慣に取り入れてみてはいかがですか

① 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
② 朝食をしっかり食べて腸を動かす
③ ストレッチなど軽い運動をする
④ 食物繊維や乳酸菌を積極的にとる食生活を送る
⑤ 夕食を食べてから3時間は消化時間。リラックスして交感神経の働きを落ち着かせる

即戦力になるビタミン

疲労物質の蓄積や血行不良が原因で起こる「肩こり」。
これを緩和させるのに役立つのが、ビタミンB群とビタミンEです。

ビタミンB群は、あらゆる種類の酵素の補酵素として働き、代謝ビタミンとも呼ばれ、私達が生きるためのエネルギーを作るのに欠かせない栄養素です。
B群の中のどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、一緒にとることでお互い助け合いながら働くので、これらのビタミンをまとめて「ビタミンB群」と呼ばれています。
筋肉の疲れを解消する役目をもつのが、ビタミンB1、B6、B12。
なかでも、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えて、筋肉や神経に供給されるので、肩こりを和らげるために積極的に取り入れたい栄養素のひとつです。

ビタミンEは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンです。強い抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。この働きにより、体内の細胞膜の酸化による老化や、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制する作用があることが知られています。
ビタミンEには、毛細血管を広げて血液の流れをよくする働きがあるので、十分に摂取すると、筋肉の活動に必要な栄養分や新鮮な酸素が運ばれることにより、肩の筋肉の疲れが和らぐというわけです。

このように、ビタミンB群とビタミンEは「肩こり」の人にとって大変重要な栄養素だと言えるのです。

酒粕でビタミンチャージ!


近年の甘酒ブームから、米麹だけでなく酒粕も注目を浴びています。
米麹に比べ、ちょっと手が出しにくい…と思われている方も多いかもれしません。
しかし、この「酒粕」は驚くほど栄養価が高く、美容と健康に嬉しい機能性成分がたっぷりなのです。
そして何と、あの「肩こり」にも!

そもそも、「酒粕」とは一体何なのかご存知でしょうか。
酒粕は、日本酒の醪(もろみ)を圧搾した後に残る白色の固形物のことです。
醪を絞って出た透明な液体が日本酒で、搾りカスが酒粕なのです。
形状によって「板粕」や「ばら粕」と呼ばれており、そのまま食べたり、料理に加えたりして使います。

栄養価が高いと言われる酒粕100gのカロリーは227kcal。
三大栄養素のたんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質をはじめ、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、亜鉛などたくさんの栄養素が含まれています。

筋肉の働きを正常に保つビタミンB1と、筋肉の痙攣や脚の引きつり、手のしびれなどを和らげるビタミンB6、疲労回復に役立つパントテン酸(ビタミンB5)、さらには腸内環境を整える食物繊維を含んでいる酒粕は、肩こりを和らげるために最適な食品だといえるのです。

肩こりだけじゃない!ツラい頭痛にも

酒粕にはビタミンB群であるニコチン酸(ビタミンB3)も多く含まれています。
ニコチン酸は、頭痛などによいとされているので、肩こりからくる緊張型頭痛などに悩まされている方にはオススメです。

酒粕は肩こりの救世主

このように、腸内環境を整え、疲労回復因子を増やし、さらにビタミン摂取で肩こりの根本となる要因を取り除くために、酒粕は救世主といえる食材なのです。

酒粕は、かす汁にしたり甘酒にしたりするのが主流ですが、酒粕の成分を余すところなく食べるために生食はいかがでしょうか。
そのままで食べるのは好みがわかれるかと思いますので、実際にやってみたオススメは、クリームチーズと混ぜてディップにする方法です。
酒粕と同じ分量のクリームチーズに蜂蜜を混ぜることで、まろやかで美味しいディップが出来上がります。蜂蜜の代わりに、粗びきこしょうやカレー粉などを混ぜ、生野菜なとど一緒に食べるとおつまみにもよいでしょう。
ナッツやドライフルーツを混ぜるのもオススメです。

思い立ったが吉日。
肩こりの救世主、スーパーフード!な酒粕は、今やスーパーで簡単に手に入れることができます。

肩こりの改善、予防のために

肩こりを改善・予防するには、日々の食生活や姿勢などを見直すことが大切です。
腸内環境は健康に直結しているのです。
姿勢については、癖になってしまっていることが多いので、自分で意識して毎日ストレッチなどで予防を心がけましょう。
また、睡眠や休養をしっかりとることも、肩こりの予防に繋がります。

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