乳酸菌の美容と健康LABO

【要注意】ヨーグルト・納豆で便秘に?日本人の過敏性腸症候群

ヨーグルトや納豆で便秘になるのは日本人に多い過敏性腸症候群かも

【結論】便秘や腹部不快感がヨーグルトや納豆で悪化する場合、それは単なる食品の善し悪しではなく、過敏性腸症候群(IBS)とFODMAPという糖質群が影響している可能性があります。ヨーグルトや納豆は乳糖やオリゴ糖を多く含む高FODMAP食品で、腸内での発酵やガス発生を通じてガス・膨満感・便通異常を悪化させることがあり得ます。こうした場合、FODMAPを意識した食事法で高FODMAP食品を抑えることが改善に役立つとされ、日本消化器病学会でも推奨されています。なお乳酸菌そのものはFODMAPではないため、乳製品に含まれる糖質を避けつつ乳糖を含まない米由来乳酸菌などで腸内環境を整える方法を検討することがポイントです。

検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所

「便秘を解消しようとヨーグルトや納豆を積極的に食べているのに、お腹が張る、腹痛がある、むしろ便秘が悪化している気がする」――こうした経験はありませんか?

これらの症状は、日本人の10人に1人以上が悩んでいるとされる「過敏性腸症候群(IBS)」が原因かもしれません。IBSの患者さんにとって、一般的に「腸に良い」とされる食品の一部が、かえって不調を悪化させる「落とし穴」になることがあります。

本記事では、IBSと深く関わる「FODMAP(フォドマップ)」という糖質理論を専門的に解説し、便秘・お腹の不調に悩む方がどのように腸内環境を整えれば良いのか、特に高FODMAP食品を避けた上で乳酸菌を摂取する方法について、専門家の知見を交えて考察します。

過敏性腸症候群の診療総論―現状と今後の展望
過敏性腸症候群(IBS)の病態・診断・ 治療

【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

本記事は「菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム」による監修のもと作成されています。
当チームは以下のような研究実績を基盤に、腸内環境・乳酸菌・免疫応答の関係を継続的に検証しています:
・ 神戸大学共同研究(アレルギー抑制モデル etc)
・ 日本生物工学会 技術賞受賞研究

【研究開発に携わる専門家】

米由来乳酸菌「LK-117」の研究には、神戸大学 名誉教授であり 微生物学・生物工学の分野で多くの実績を持つ 水野 雅史 先生 が関わっています。

【研究の根拠】

乳酸菌の整腸作用は多くの研究で報告されており、腸内環境の改善や腸の動きを整える働きが示されています。また、酒粕由来成分が腸クロム親和性細胞のセロトニン産生を促進することが報告されており、腸のリズムや便通に関わる可能性が示唆されています。

研究の詳細は以下にまとめています:
研究成果一覧(学会発表・論文)

※研究結果には限界があり、すべての方に同じ作用が得られるわけではありません。本記事は治療を目的としたものではありません。

日本人に多い「過敏性腸症候群(IBS)」とは?

IBSは、大腸カメラなどの検査で目に見える異常がないにもかかわらず、「腹痛」や「腹部の不快感」が、慢性的に便通異常(下痢・便秘・混合型)に関連して続く病態です。原因としては、ストレスや脳腸相関の異常、腸内細菌叢の変化などが挙げられています。(東北大学 福土教授の研究参照)

IBSのセルフチェックと症状の分類

【過敏性腸症候群(IBS)セルフチェック(Rome IV基準より)】

IBSは、腹痛と便通異常が慢性的に続くもので、症状によって以下の4型に分類されます。

  • 便秘型 (IBS-C):コロコロした便が多く、腹部膨満感も伴いやすい
  • 下痢型 (IBS-D):急な下痢や腹痛が多い
  • 混合型 (IBS-M):便秘と下痢を交互に繰り返す
  • 分類不能型 (IBS-U)

※上記に当てはまる場合、自己判断せず専門医にご相談ください。

IBSの治療は、生活習慣の改善(規則正しい睡眠、適度な運動など)と食事療法、薬物療法が基本です。

過敏性腸症候群には生活リズムも大事

ヨーグルト・納豆で不調が悪化する原因:高FODMAP食品の落とし穴(深掘り解説)

IBS患者さんにとって特に注意が必要なのが、FODMAP(フォドマップ)と呼ばれる糖質群です。

FODMAPとは?腸内で何が起こる?

FODMAPは、Fermentable(発酵性の)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharides(単糖類)、And Polyols(ポリオール)の頭文字をとった略語です。

  • 小腸で吸収されにくい:これらの糖質は小腸で十分に消化吸収されず、大腸へ運ばれます。
  • 水分とガスの過剰発生:FODMAPが大腸に達すると、腸内細菌のエサとなって過剰に発酵し、多量のガス(お腹の張り)が発生します。また、浸透圧作用で小腸に大量の水分が引き込まれ、腹痛や下痢を引き起こします。

便秘型IBSの場合、この過剰なガスや水分が大腸の蠕動運動を乱し、かえって便秘や腹部膨満感を悪化させる原因になることが示唆されています。

実は「高FODMAP」な納豆・ヨーグルト

健康的なイメージの強いヨーグルト(二糖類/乳糖を含む)や納豆(オリゴ糖を含む)、小麦などは、このFODMAPを多く含む「高FODMAP食品」に分類されます。

低FODMAP食品(推奨) 高FODMAP食品(注意)
穀物など 米、玄米、米粉類、そば(10割)など 小麦、パン、パスタ、ラーメン、うどんなど
野菜類 なす、人参、レタス、キャベツ、じゃがいもなど アスパラガス、にんにく、玉ねぎ、納豆、ごぼうなど
乳製品 バター、チェダーチーズ、カマンベールチーズなど 牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、生クリームなど

【専門性の高い考察エリア】
低FODMAP食事法は、IBS患者の75〜80%に症状の改善が見られたという報告があり、日本消化器病学会も有効性の高い治療法として推奨しています。この食事法は、高FODMAP食品を最小限に抑え、お腹の不調を起こす食品を特定することを目的とします。ただし、栄養の偏りを防ぐため、自己流ではなく医師や管理栄養士と相談しつつ進めることが推奨されます。

IBS時代の腸活:高FODMAPを避けつつ乳酸菌を摂る方法

IBS患者さんにとって、腸内環境を整える「腸活」は重要ですが、高FODMAP食品であるヨーグルト(乳製品)を避ける必要があります。

乳酸菌そのものはFODMAPではない

便秘解消や整腸作用に不可欠な乳酸菌そのものは、FODMAPとは無関係です。問題となるのは、乳酸菌を多く含む食品に含まれる乳糖やオリゴ糖といったFODMAP成分です。

米由来乳酸菌で「乳製品フリー」の腸活へ

高FODMAP食品(乳製品や大豆製品)を避けて乳酸菌を効率よく摂取する方法として、米由来などの植物性乳酸菌に着目した方法が有効である可能性が示唆されます。

  • 乳製品フリー:米由来の乳酸菌は、乳糖などのFODMAP成分を含まずに乳酸菌そのものを摂取できるため、IBSの食事療法と相性が良いと考えられます。
  • 整腸作用への期待:特定の米由来乳酸菌(LK-117など)は、神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究において、整腸作用やアトピー・アレルギー症状の原因となる免疫バランスの乱れを調整する有用性も示唆されています。

特に、ストレスによる自律神経の乱れや、アレルギー体質を併せ持つ方、そしてお子様の便通と体質改善を考える親御さんにとって、乳製品に頼らない乳酸菌摂取は、安全かつ有効な手段となり得ます。

FAQ:よくある質問

なぜヨーグルトや納豆でかえって便秘が悪化することがあるのですか?
ヨーグルトや納豆は、IBS患者の不調の原因となるFODMAP(発酵性の糖質)を多く含む「高FODMAP食品」に分類されます。これらの成分が小腸で吸収されずに大腸に達し、過剰なガスや水分を引き起こすことで、便秘や腹痛が悪化する可能性があります。
過敏性腸症候群(IBS)の人が乳酸菌を摂取しても大丈夫ですか?
乳酸菌そのものはFODMAPではありませんので、摂取すること自体は問題ありません。ただし、ヨーグルトなどの乳製品(高FODMAP食品)を避ける必要があるため、米由来など、乳糖やオリゴ糖を多く含まないサプリメントなどで乳酸菌を効率よく摂取することが推奨されます。
「低FODMAP食事法」は自己流で実践しても良いですか?
低FODMAP食事法は、栄養の偏りを引き起こす可能性があるため、自己流で行うのは推奨されません。まずは医師や管理栄養士と相談の上、高FODMAP食品を最小限に抑える期間を設け、その後、不調を起こす食品を特定していくという段階的なアプローチが望ましいです。
米由来の乳酸菌(LK-117など)にはどのような有用性が示唆されていますか?
米由来乳酸菌は、乳糖などの高FODMAP成分を避けて乳酸菌を摂取できるため、IBSの食事療法に適していると考えられます。研究により、特定の米由来乳酸菌は、整腸作用に加え、アトピーや花粉症といったアレルギー症状の原因となる免疫バランスの乱れを調整する有用性も示唆されています。

まとめ:IBSと向き合い、適切な「腸活」を

過敏性腸症候群(IBS)の改善には、規則正しい生活とストレス管理に加え、FODMAPを意識した食事療法が非常に重要です。ヨーグルトや納豆といった「健康食品」が、かえって症状を悪化させる可能性があることを理解し、自分のお腹に合う食材を見極めることが、快適な毎日への第一歩です。

特に、乳製品を避けたい方は、米由来の乳酸菌など、IBSの食事療法を妨げない形で乳酸菌を摂取する方法を検討し、内側から腸内環境と免疫バランスを整えるアプローチを試みることをお勧めします。

便秘と腸内環境や特殊な乳酸菌について詳しくは以下を確認してください。
便秘と腸内環境・年齢別対策まとめ|子ども・女性・高齢者
LK-117乳酸菌とは?研究から見るその可能性と有用性

本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。

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