乳酸菌の美容と健康LABO

便秘にビフィズス菌は効かないのか?腸内環境から菌を考える

便秘

【結論】便秘は単なる不快感ではなく、腸内環境の乱れや善玉菌・悪玉菌のバランスによって引き起こされる身近な健康問題です。ビフィズス菌や乳酸菌は腸内環境を整え、便の柔らかさや腸の運動をサポートすると考えられていますが、単一の菌株だけに頼るのではなく、多様な善玉菌を取り入れることが重要です。また、発酵食品や食物繊維・水分・運動などの生活習慣改善と組み合わせることで、より効果的に便通を改善し健康的な腸内フローラを維持することが期待できます。腸内バランスを包括的に整えることが便秘対策の鍵です。

検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所

便秘という言葉を聞くと、多くの人が何らかのつらさや不快さを感じることでしょう。便秘は誰にでも起こり得る身近な健康問題であり、その症状は日常生活に多くの影響を及ぼします。特に女性に便秘症状が多いとされていますが、便秘は成人だけではなく子供も症状を引き起こすということで、非常に身近なものとなっています。気をつけていても、毎日の不快感、腹痛、気分の沈み…これらの要因は、便秘がもたらすものかもしれません。

しかし、ここで素晴らしい知らせがあります。その解決策は、あなたの体の中にすでに存在しているかもしれません。乳酸菌という微生物が、便秘の克服に役立つ可能性があるのです。この記事では、便秘が体に及ぼす影響から、乳酸菌やビフィズス菌がどのように腸内環境を整え、健康をサポートするかについて詳しく解説していきます。

便秘と菌の関係を理解することは、健康な生活への一歩です。あなたの健康への扉を開ける鍵は、もしかしたらこの記事に隠れているかもしれません。

【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

本記事は「菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム」による監修のもと作成されています。
当チームは以下のような研究実績を基盤に、腸内環境・乳酸菌・免疫応答の関係を継続的に検証しています:
・ 神戸大学共同研究(アレルギー抑制モデル etc)
・ 日本生物工学会 技術賞受賞研究

【研究開発に携わる専門家】

米由来乳酸菌「LK-117」の研究には、神戸大学 名誉教授であり 微生物学・生物工学の分野で多くの実績を持つ 水野 雅史 先生 が関わっています。

【研究の根拠】

乳酸菌の整腸作用は多くの研究で報告されており、腸内環境の改善や腸の動きを整える働きが示されています。また、酒粕由来成分が腸クロム親和性細胞のセロトニン産生を促進することが報告されており、腸のリズムや便通に関わる可能性が示唆されています。

研究の詳細は以下にまとめています:
研究成果一覧(学会発表・論文)

※研究結果には限界があり、すべての方に同じ作用が得られるわけではありません。本記事は治療を目的としたものではありません。

便秘の問題点、日常に潜む怖さ

便秘は、便が硬くなり、排便頻度が低下する状態を指します。この症状は腸の運動が鈍くなり、便の体内滞留時間が増加することで引き起こされます。長期間にわたる便秘は、身体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、腸内環境が不均衡になり、有害な微生物が増殖しやすくなることが挙げられます。また、便秘の状態が続くと、免疫細胞の正常な機能を妨げ、免疫力が低下することも懸念されます。

便秘は、腸内に長期間にわたって便が滞留する状態であり、これが腸内細菌に悪影響を及ぼすことが知られています。この状態では、便が細菌の増殖にとってエサとなり、悪玉菌、特にクロストリジウムなどが増殖する可能性があります。結果として、有害物質やガスが生成され、以下のような影響が生じることがあります

有害物質の生成:
便秘の際、便内で発ガン物質や発ガン促進物質、アンモニア、硫化水素などの有害物質が生成される可能性があります。

悪臭の発生:
有害物質やガスの生成によって、便秘の便から強烈な臭いを発生させる一因となります。

腸壁からの吸収:
便秘が持続すると、これらの有害物質が腸壁から吸収され、血液中に移行する可能性があります。これは、皮膚の荒れ、免疫系の影響、さまざまな病気のリスク増加と関連があると考えられています。

また、便秘は最近の研究により、生活の質(QOL)だけでなく寿命にも悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになってきました。便秘による腹痛や腹部膨満感は、食欲低下を誘発し、栄養状態の悪化につながることがあり、これがさまざまな生理機能の低下を引き起こす可能性があります。その結果、心筋梗塞、脳卒中、寝たきりなどの重大な健康リスクが高まると考えられています。

便秘が長期間続くと、以下のような健康上の問題が発生する可能性があります:

栄養不足:
便秘によって食欲が低下し、栄養摂取が不足することで、身体への必要な栄養素供給が不足し、栄養状態が悪化します。

毒素の滞留:
便秘によって便が腸内に滞留するため、毒素の吸収が増加し、腸内環境が悪化する可能性があります。

炎症と慢性疾患:
長期間の便秘は、炎症のリスクを高め、慢性疾患の発症リスクが上昇することが考えられます。

肛門の問題:
便秘によって硬くて大きな便が排便時に肛門に圧力をかけ、痔や肛門裂傷などの肛門の問題が起こる可能性があります。

なぜ女性が男性よりも便秘割合が多いのか

この問題は男性にも影響を及ぼす可能性があるものの、統計的に見ると女性が特に便秘に悩むことが多いことが知られています。この性差が生じる背後には複数の要因が絡んでいます。

ホルモンの影響:
女性のホルモンバランスは男性と異なり、生理周期や妊娠などによるホルモン変動が便秘につながることがあります。特に妊娠中や生理前に、ホルモンの変化が腸の運動を遅くすることがあるため、女性に便秘が起こりやすい傾向があります。

食事習慣:
女性は一般的に低カロリーのダイエットや食事制限を行うことが多いため、食物繊維や水分摂取が不足しがちです。これは便秘を引き起こす要因の一つです。食事習慣の見直しとバランスの取れた食事は便秘の予防に役立ちます。

ストレス:
女性は社会的、家庭的なプレッシャーやストレスにさらされることが多いとされています。慢性的なストレスは腸の運動を鈍らせ、便秘のリスクを高めます。

運動不足:
女性の中には運動不足の方が多いことも一因です。運動は腸の運動を刺激し、便秘の緩和に寄与するため、不足すると便秘のリスクが上昇します。

遺伝的要因:
便秘は遺伝的要因に関連することがあり、家族内で便秘に悩む人がいる場合、他の家族メンバーにも便秘の傾向が見られることがあります。

便秘と大腸がんに関係性。どのように関連しているのか?

便秘は、便の排出が困難で、便が腸内に長期間滞留することが特徴です。この状態は大腸内で有害物質や発がん物質が長く留まる可能性を高め、大腸がんのリスクを増加させる要因の一つと考えられています。長期にわたる便秘は腸内細菌叢にも影響を及ぼし、炎症を引き起こす可能性があります。

また、大腸がんの進行が便秘という症状を引き起こす場合もあります。
ですので「たかが便秘」と思っていると実はそこに怖い病気が潜んでいる場合もあるのです。

乳酸菌と便秘の関係性

便秘は便の硬さや排便頻度が低い状態を指し、腸内細菌叢の不均衡や腸の運動の低下によって引き起こされることがあります。乳酸菌は便秘の緩和に寄与する要因として以下のような役割を果たします。

腸内細菌叢の調整:
乳酸菌は腸内細菌叢の調整に貢献し、善玉菌の増加と有害微生物の制御をサポートします。これにより、腸内環境が改善され、便秘の症状が和らぎます。

便の柔らかさ:
乳酸菌は便の柔らかさを促進し、排便を容易にします。硬い便が便秘の原因となることがあり、乳酸菌の摂取は便の質を改善することができます。

腸の運動のサポート:
乳酸菌は腸の運動を促進し、便秘の症状を軽減します。腸の正常な動きは便の運搬と排便を助ける役割を果たします。

乳酸菌とビフィズス菌

便秘といえば「ビフィズス菌?」なぜその印象が付いたのか?

便秘というキーワードから連想されるのが「ビフィズス菌」。
多くの方が、便秘といえばビフィズス菌と思われているかもしれません。
それはCM効果も大きいのかもしれませんね。

ですが、このビフィズス菌とは一体何か?
と聞かれると、実際は良く知らないと答えられる方も多いのが事実です。
では一体ビフィズス菌とは一体何者なのかを説明していきます。

ビフィズス菌は便秘の救世主?

端的に言えば、ビフィズス菌は乳酸菌の一種で、腸内に存在する善玉菌です。
ですので、数多くある乳酸菌の1つだと言えます。

便秘の症状は、便のかたさや腸の運動が遅くなることによって引き起こされます。ビフィズス菌はこれらの症状に対抗する役割を果たすため、便秘とビフィズス菌の関連性が強調されてきました。

ビフィズス菌は腸内環境を改善し、腸内細菌叢のバランスを整え、便秘の症状を緩和するとされています。また、ビフィズス菌は便のかさを増やし、排便を促進する効果があります。これにより、便秘の問題に対するビフィズス菌のポテンシャルが注目を集めています。

乳酸菌とビフィズス菌は違う?

スーパーのヨーグルト売り場に行くと、乳酸菌とビフィズス菌がたくさん入っている商品が売られています。でも、どちらを選べばいいのか分からないこともありますよね。今回は、乳酸菌とビフィズス菌について、どのように違うのか、そして便秘改善にどちらが役立つのかについて説明します。

乳酸菌とビフィズス菌の3つの違い

どこに住んでいるか?
乳酸菌はおなかの中で多くの場所に住むことができます。小腸や大腸、どこでも活動できる傑出な細菌です。一方、ビフィズス菌は酸素を嫌う傾向があり、小腸にはあまり住まないことが知られています。しかし、酸素供給が少ない大腸のような環境で最も効果的に機能します。

体内にいる量の違い
人間の腸内には、ビフィズス菌が多く存在しています。実際、ビフィズス菌の数は乳酸菌の100倍から1万倍も多いとされています。つまり、体内ではビフィズス菌が非常に優勢であり、腸内細菌叢の中で主要な存在です。

作り出す物質の違い
乳酸菌が生成する主要な物質は「乳酸」です。この乳酸は腸内で酸性環境を維持し、悪玉菌の増殖を防ぎ、善玉菌を増やす役割を果たします。また、乳酸は腸内の健康を促進し、食物の消化や栄養吸収を支援します。ビフィズス菌は「乳酸」と「酢酸」という物質を生成します。特に「酢酸」は非常に強力で、腸内で重要な機能を担っています。酢酸は悪玉菌の増殖を抑制し、腸の粘膜を保護し、腸の運動を促進して排便をサポートします。

ビフィズス菌と乳酸菌は、腸内環境の改善と便秘の解消において協力し合い、相乗効果を発揮します。そのため、これらの善玉菌を同時に摂取することは、腸内バランスの調整と便秘の問題の解決に向けて非常に重要です。ヨーグルト、発酵食品、プロバイオティクスサプリメントなどを利用して、ビフィズス菌と乳酸菌を効果的に摂取できます。便秘に苦しむ成人にとって、これらの善玉菌の組み合わせは有益であり、健康な腸内環境を促進します。

米由来の発酵食品は実はすごい

日本の伝統的な発酵食品には、米由来の乳酸菌が含まれていることがよく知られています。これらの食品に含まれる米由来の乳酸菌は、身体に多くの健康上の利点をもたらすことが研究によって示されています。

米由来の乳酸菌は、日本の伝統的な食文化において主要な役割を果たしてきました。特に、米こうじや米糀(こうじこうじ)から得られる乳酸菌は、漬物や味噌、お酒などの発酵食品の製造に使用されています。これらの発酵食品は、乳酸菌を含む善玉菌の供給源となり、日本の食生活に欠かせない要素です。

腸内健康のサポート
米由来の乳酸菌は、腸内細菌叢を整え、善玉菌の増殖を促進します。便秘の説明でもお話ししたように、善玉菌を増やすことは非常に健康にとって重要です。乳酸菌は腸に住み着いている善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしてくれます。特に、米糠を原料とする食品には、これらの乳酸菌が豊富に含まれており、便秘の緩和や腸内環境の改善に寄与します。

免疫強化
米由来の乳酸菌は、免疫システムの強化に役立つことが示唆されています。これらの乳酸菌は、腸内で免疫細胞を活性化し、感染症やアレルギー反応に対する免疫力を向上させます。

消化のサポート
米由来の乳酸菌には、消化を助ける酵素が含まれています。これにより、食事の消化がスムーズに進行し、胃腸の負担を軽減します。

米由来の乳酸菌と長寿
日本の長寿の秘訣の一部は、米由来の乳酸菌が健康に寄与していることにあるかもしれません。日本人は古来から米を主食とし、それに由来する乳酸菌を摂取してきました。これが、日本の長寿率の高さと結びついている可能性があります。

乳酸菌は腸内の健康に寄与し、腸内細菌叢のバランスを整えます。米由来の乳酸菌は、酸性環境を維持し、善玉菌の増殖を促進します。また、腸内の酸性度を調整することで、悪玉菌の繁殖を防ぎ、腸内の健康をサポートします。

したがって、日本人にとって米由来の乳酸菌は身近で信頼性の高い善玉菌であり、便秘の改善や腸内環境の整備において非常に重要な存在です。米由来の乳酸菌を含む発酵食品やサプリメントは、日本の伝統的な食文化と科学的な研究に基づいた健康補助手段として広く利用されています。そのため、米由来の乳酸菌とビフィズス菌の組み合わせは、日本人にとって非常に身体に馴染みのある選択肢であり、健康な腸内環境の促進に有益です。

FAQ:よくある質問

便秘とはどのような状態を指しますか?
便秘とは、単に排便回数が少ない状態だけでなく、「強くいきまないと排便できない」「硬い便が続く」「残便感がある」「腹部膨満感がある」といった症状を含めて評価される状態です。一般的には週3回未満の排便が目安とされますが、症状の質も重要です。医学的には、腸の構造に異常がない機能性便秘と、基礎疾患や薬剤が関与する器質性便秘に分類されます。
便秘はなぜ起こるのでしょうか?
主な原因として、食物繊維や水分の不足、運動不足、排便習慣の乱れ、加齢、ホルモン変動、ストレスなどが挙げられます。また、抗コリン薬や鉄剤、抗うつ薬など一部の薬剤も便秘の要因になることがあります。腸は自律神経の影響を受けやすいため、生活習慣の乱れや精神的負荷も関与します。
乳酸菌やビフィズス菌は便秘に効果がありますか?
乳酸菌やビフィズス菌は腸内で短鎖脂肪酸を産生し、腸管の蠕動運動に影響を与える可能性が示唆されています。ただし、腸内細菌叢には個人差が大きく、すべての方に同様の効果が現れるわけではありません。プロバイオティクスは腸内環境を整える補助的な手段として、生活習慣改善と併用することが望ましいと考えられています。
食物繊維はどのくらい摂取すればよいですか?
成人では1日20g前後が目標量とされています。食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性は便を柔らかくし、不溶性は便のかさを増やします。 どちらか一方ではなく、バランスよく摂取することが重要です。また、水分摂取が不足していると十分な効果が得られないことがあります。
下剤を使い続けても問題はありませんか?
下剤には浸透圧性下剤、刺激性下剤、便軟化剤などがあります。 刺激性下剤は即効性がありますが、長期連用により効果が弱まる可能性があるため、医師の管理のもとで使用することが推奨されます。 慢性便秘では生活習慣の見直しと併せた治療が重要です。
どのような場合に医療機関を受診すべきですか?
血便、急激な体重減少、強い腹痛、貧血、これまでにない急な便秘の出現などがある場合は、 重大な疾患の可能性を否定できないため、速やかに医療機関を受診してください。

まとめ

ビフィズス菌は便秘の改善に非常に有効な善玉菌です。しかし、ビフィズス菌を摂取しているにも関わらず「まったく効果を感じない」と感じる方々がいます。その理由は、善玉菌のバランスが欠如している可能性があるためです。

基本的に、摂取した菌のほとんどは、すでにあなたの腸内に住む菌たちのエサとなります。誤解されがちですが、摂取した菌があなたの腸内に居座るわけではないのです。特定の菌を摂取し続けても、その特定の菌だけが腸内で急速に増殖するわけではありません。

ですから、あなたに住み着く腸内細菌のバランスをバラエティ豊かに強化することが極めて重要です。乳酸菌やビフィズス菌など、複数の種類を組み合わせて摂取することで、相乗効果を期待できます。単一の種類だけでなく、多くの善玉菌を取り入れることが大切です。

さらに、便秘に悩んでいる方々におすすめするのは、発酵食品も同時に摂取することです。発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境を改善する助けになります。健康な腸内環境を維持し、便秘に対抗しましょう。

便秘と腸内環境について詳しくは以下にて説明しています。
便秘と腸内環境・年齢別対策まとめ|子ども・女性・高齢者

本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。

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