乳酸菌の美容と健康LABO

発酵食品の乳酸菌は「株」で効果が違う理由

発酵食品の乳酸菌は「株」で効果が違う理由

【結論】「乳酸菌」はひとつの生き物の名前ではなく、多種多様な微生物の総称です。同じ種であっても「株(株レベル)」が異なれば、免疫調節能をはじめとする機能性は大きく異なることが、国内外の研究で明らかになってきています。発酵食品を選ぶ際は「乳酸菌が入っているか」だけでなく「どの株が、どんな機能性の根拠を持つか」に注目することが、体質改善への近道になります。

検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所

「乳酸菌ならどれを摂っても同じ」——そう考えている方は少なくありません。しかし研究開発の現場では、同じ「乳酸菌」というくくりの中でも、株が違えば働きがまったく異なる場面に何度も直面します。本記事では、なぜ「株」の違いが機能性の違いを生むのか、科学的な背景をやさしく解説します。

※本記事は、菊正宗酒造乳酸菌研究開発チームがLK-117乳酸菌の選抜・研究過程で実際に得てきた知見をもとに構成しています。

【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

本記事は「菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム」による監修のもと作成されています。長年、生酛づくりの過酷な発酵環境から乳酸菌を選抜・研究する中で、株ごとの機能性の違いを一貫して検証してきました。

【研究開発に携わる専門家】

大阪青山大学 教授(神戸大学 名誉教授)水野 雅史 先生が研究開発に関わっています。
詳しい研究実績:[大阪青山大学] / [researchmap]

【研究の根拠】

生酛由来乳酸菌LK-117は、数ある候補株の中から免疫調整機能等の観点で選抜された株です。
研究の詳細:研究成果一覧

※本記事は治療を目的としたものではありません。


「種」が同じでも「株」が違えば働きが違う

生物学的には、乳酸菌は「属(例:Lactobacillus)」→「種(例:Lactobacillus plantarum)」→「株(例:LK-117)」という階層で分類されます。同じ種に属する乳酸菌であっても、株のレベルで見ると持っている遺伝子や代謝の特徴が異なり、これが免疫調節能などの機能性の違いにつながることが分かってきています。

2025年に発表された国内の研究では、漬物由来の乳酸菌(Lactiplantibacillus plantarum)について比較ゲノム解析を行ったところ、特定の株が持つ遺伝子(TagF2等)の有無によって、免疫細胞におけるIL-10・IL-12といった物質の誘導パターンが株ごとに異なることが示されました(東京科学大学, 2025年, mSystems誌)。「発酵食品由来の植物性乳酸菌でも、株によって免疫への働きかけ方が異なる」という構造は、LK-117のような米由来・生酛由来の乳酸菌が独自の機能性を持つと考える根拠とも共通しています。

乳酸菌の基礎的な分類や善玉菌との違いについては、以下も参考になります。

「株」を意識して乳酸菌を選ぶには

市販の発酵食品やサプリメントのパッケージには、しばしば「〇〇菌(株の学名や商標名)」という表記があります。これは単なる商品名ではなく、その製品がどの株に基づく機能性を訴求しているかを示す重要な情報です。目的(腸活か、免疫サポートかなど)に合わせて、根拠となる研究が公開されている株を選ぶことが、効果的な乳酸菌選びの第一歩になります。

実際の選び方の基準や、発酵食品を組み合わせる際のポイントは以下で詳しく解説しています。

FAQ:よくある質問

乳酸菌は種類が違っても効果は同じですか?
いいえ。同じ「乳酸菌」というくくりでも、株のレベルで見ると持っている機能性は異なることが研究で示されています。目的に応じた株を選ぶことが重要です。
「株」とは具体的に何を指しますか?
同じ種に属する微生物の中でも、個々に単離・培養された系統のことです。LK-117のような固有の名称が付いているものは、特定の株を指しています。
パッケージのどこを見れば「株」が分かりますか?
商品名や成分表示欄に、学名や商標化された株名が記載されていることが多くあります。研究データが公開されている株かどうかも、選ぶ際の目安になります。
植物由来の乳酸菌と動物性(乳製品)由来の乳酸菌は何が違いますか?
由来する環境が異なるため、耐塩性や耐酸性など生育環境への適応の仕方に違いがあります。ただし機能性の有無は「由来」そのものより「株」ごとの特性によって決まります。
LK-117はどのように選抜されたのですか?
360年以上続く生酛づくりの発酵環境という過酷な条件の中から選抜された米由来の乳酸菌です。神戸大学・兵庫県立工業技術センターとの共同研究を通じて機能性の検証が進められています。

まとめ

「乳酸菌ならどれも同じ」ではなく、株のレベルで機能性が異なるという理解は、発酵食品やサプリメントを選ぶ際の重要な視点です。根拠となる研究が明示されている株を選ぶことが、体質改善への近道になります。

乳酸菌全般の働き・選び方の基礎については、以下で詳しく説明しております。
▶ 乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド|効果・選び方・安全性

種類の違うヨーグルトや乳酸菌を併用してよいかは、こちらで解説しています。
▶ 複数の乳酸菌を同時に摂ってもいい?併用の考え方と注意点を解説

本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。