【結論】食物繊維には、水に溶ける水溶性と、水に溶けにくい不溶性があり、多くの食品は両方を含みます。豆類・海藻・きのこ・野菜・雑穀や麦・果物を幅広く組み合わせ、水分と一緒に、少しずつ増やすのが基本です。成人の目標量はおおむね1日18〜22g以上(年齢・性別で異なります)。急に増やすとお腹が張ることがあり、数週間調整しても便秘が続く場合や血便・強い腹痛がある場合は医療機関に相談してください。
検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所
本記事は「便秘と腸内環境・年齢別対策まとめ|子ども・女性・高齢者」の詳細解説です。
「食物繊維を摂ろう」とよく言われますが、どの食品にどのくらい入っているのか、水溶性と不溶性は何が違うのかは意外と知られていません。この記事では、食物繊維が多い食品を一覧にし、便通が気になるときの摂り方と注意点を整理します。
納豆やヨーグルトで便秘が気になる方は、納豆を食べると便秘になる?悪化する原因と食べ方やヨーグルトを食べても便秘?悪化する原因と食べ方もあわせてご覧ください。
【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム
本記事は「菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム」による監修のもと作成されています。当チームは、神戸大学との共同研究や日本生物工学会 技術賞受賞研究を基盤に、乳酸菌と腸内環境・免疫の関係を継続的に検証しています。
【研究開発に携わる専門家】
米由来乳酸菌「LK-117」の研究開発には、大阪青山大学 教授(神戸大学 名誉教授)水野 雅史 先生が関わっています。水野先生は、日本生物工学会「生物工学技術賞」、日本食品科学工学会「学会賞」を受賞されています。
詳しい研究実績:[大阪青山大学 教員紹介] / [researchmap]
【研究の根拠】
乳酸菌・発酵食品については、期待できる点と、まだ分かっていない点の両方を正確に伝えることが重要と考えています。
研究の詳細:研究成果一覧(学会発表・論文)
※本記事は治療を目的としたものではありません。
水溶性と不溶性の違い
水溶性食物繊維:水に溶けてゲル状になる
水に溶けてゲル状になり、便をやわらかく保つ助けになります。腸内細菌のエサになりやすいとされています。海藻類(わかめ・昆布・めかぶ・もずく)、オクラ、大麦・オートミール、りんごやキウイなどの果物、こんにゃくなどに多く含まれます。
不溶性食物繊維:水を吸って便のかさを増やす
水を吸って膨らみ、便のかさを増やして腸を刺激します。ごぼう・ブロッコリーなどの野菜、きのこ類、豆類、玄米・雑穀などに多く含まれます。
多くの食品は両方を含み、きれいに二分できるわけではありません。「水溶性:不溶性の比率」を厳密に気にするより、いろいろな食品を組み合わせることのほうが実用的です。水溶性食物繊維と腸内細菌の関係は乳酸菌と短鎖脂肪酸|腸内環境・便秘・免疫を支えるエネルギーで解説しています。
食物繊維が多い食べ物一覧
日本食品標準成分表(八訂)をもとにしたおおよその目安です(文部科学省 食品成分データベース)。品種・産地・調理法で値は変わります。
豆・大豆製品
| 食品 | 100gあたり(目安) | 食べる量の目安 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 納豆(糸引き) | 約6.7g | 1パック(40〜50g)で約3g | 水溶性・不溶性の両方 |
| ゆで大豆 | 約8〜9g | 小皿1杯(50g)で約4g | 不溶性が多め |
| おから(生) | 約11g | 大さじ2〜3杯程度から | 不溶性が多め |
| きなこ(全粒大豆) | 約18g | 大さじ1(約6g)で約1g | ヨーグルトにかけやすい |
野菜・きのこ
| 食品 | 100gあたり(目安) | 食べる量の目安 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| ごぼう(生) | 約5.7g | 1/3本(50g)で約3g | 不溶性が多め |
| ブロッコリー(生) | 約5g | 3〜4房(60g)で約3g | 不溶性が多め |
| オクラ(生) | 約5g | 5本(50g)で約2.5g | 水溶性も含む(ネバネバ) |
| しいたけ・えのきたけ・しめじ(生) | 約3〜5g | 1/2パック(50g)で約2g | 不溶性が多め |
穀類
| 食品 | 100gあたり(目安) | 食べる量の目安 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 精白米ごはん | 約0.5g | 茶碗1杯(150g)で約0.8g | 主食のため量が多い |
| 玄米ごはん | 約1.4g | 茶碗1杯(150g)で約2g | 白米より多め |
| オートミール | 約9g | 30gで約3g | 水溶性(β-グルカン)を含む |
| 押し麦(乾) | 約13g | ごはんに大さじ2(約20g)混ぜて約2.5g | 水溶性が多め |
| ライ麦パン | 約5.6g | 1枚(60g)で約3g | 食パンより多め |
果物
| 食品 | 100gあたり(目安) | 食べる量の目安 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| アボカド | 約5.6g | 1/2個(約70g)で約4g | 不溶性・水溶性の両方 |
| ドライプルーン | 約7g | 2〜3粒(約20g)で約1.4g | 糖分も多いので量に注意 |
| キウイ(緑) | 約2.6g | 1個(約80g)で約2g | 水溶性も含む |
| りんご(皮つき) | 約1.9g | 1/2個(約100g)で約2g | 水溶性(ペクチン)を含む |
海藻・乾物は「戻した量」で考える
わかめ・昆布・ひじき・切り干し大根などの乾物は、乾燥した状態の100gあたりで見ると食物繊維が非常に多く見えますが、水で戻すと重さが何倍にもなり、実際に食べる量あたりでは少なくなります。味噌汁に入れる、納豆に混ぜるなど、毎日少量ずつ続けるのが現実的です。なお、ひじきなど海藻にはヨウ素が多く含まれるため、毎日大量に食べ続けることは避けましょう。
上手な摂り方:水分・量・組み合わせ
① 水分と一緒にとる
食物繊維は水分を含むことで便のやわらかさを保ちます。水分が少ないまま食物繊維だけが増えると、便が硬く感じられることがあります。食事中・食後に水やお茶、味噌汁などを足しましょう。
② 数日〜1週間かけて少しずつ増やす
急に増やすとお腹の張りやガスが出やすくなります。まず今の食事に1品足すところから始めてください。
③ 1種類に偏らず、組み合わせる
「海藻+きのこ+豆+果物」のように、種類を変えて組み合わせると、水溶性・不溶性のバランスも自然に整います。
④ 発酵食品と組み合わせる
納豆・味噌・ヨーグルトなどの発酵食品と組み合わせるのも一案です。ただしヨーグルトには食物繊維がほとんど含まれないため、果物・オートミール・きなこなどを足します(ヨーグルトを食べても便秘?悪化する原因と食べ方)。食物繊維と乳酸菌を組み合わせる考え方はプロバイオティクスとプレバイオティクスの違いを解説をご覧ください。
1日の取り入れ例
- 朝:オートミールまたは麦ごはん+納豆(わかめ・オクラを混ぜる)+味噌汁(きのこ入り)+水1杯
- 昼:玄米または雑穀ごはん+ごぼう・ブロッコリーの入った主菜や副菜
- 間食:キウイやりんご、無糖ヨーグルトにきなこ
- 夜:具だくさんの汁物(豆・根菜・きのこ)+海藻サラダ
注意したいケース
- お腹の張り・ガス・下痢と便秘を繰り返す:過敏性腸症候群(IBS)では、食物繊維の種類や食品によって症状が強まる人がいます。ヨーグルト・納豆で便秘に?過敏性腸症候群とFODMAPの関係を参照し、医師・管理栄養士に相談してください。
- 腎臓の病気などで食事制限がある方(カリウム・リンなど):果物や豆類、きのこなどを増やす前に主治医に確認してください。
- 血便がある、便が細くなった、体重が減っている、強い腹痛がある:食事の調整を続けず、早めに消化器内科などを受診してください。
- 高齢の方・子どもの便秘:年齢ごとの考え方は便秘と腸内環境・年齢別対策まとめ|子ども・女性・高齢者をご覧ください。
FAQ:よくある質問
- 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、どちらが便秘に良いですか?
- どちらか一方が優れているわけではありません。多くの食品は両方を含み、食品を幅広く組み合わせることが基本です。水分が少ないまま不溶性食物繊維が増えると、かえって便が硬く感じられることもあるため、水分と一緒にとることが大切です。
- 食物繊維は1日どのくらい摂ればいいですか?
- 日本人の食事摂取基準では、成人の目標量はおおむね1日18〜22g以上です(年齢・性別で異なります)。不足しがちとされているため、主食・野菜・海藻・きのこ・豆・果物を少しずつ増やしましょう。
- 食物繊維を摂りすぎるとどうなりますか?
- 急に増やしたり大量にとったりすると、お腹の張り・ガス・下痢が出ることがあります。数日〜1週間かけて少しずつ増やし、水分もあわせてとってください。
- 食物繊維をとっているのに便秘が治らないのはなぜですか?
- 水分不足、量が急に増えた、腸の動きの弱さ、運動不足、過敏性腸症候群(IBS)の体質などが重なっている場合があります。数週間調整しても改善しない、血便・強い腹痛・体重減少がある場合は医療機関に相談してください。
- 納豆やヨーグルトは食物繊維の摂取に役立ちますか?
- 納豆は食物繊維を含む食品ですが、ヨーグルトにはほとんど含まれません。ヨーグルトは果物・オートミール・きなこなどと組み合わせると食物繊維を補えます。
- 食物繊維と乳酸菌を一緒に摂るとどうなりますか?
- 食物繊維は腸内細菌のエサになると考えられており、発酵食品と組み合わせた食事は腸内環境を意識した食べ方の一つです。ただし、特定の効果を断定できるものではありません。
まとめ
食物繊維は、豆・海藻・きのこ・野菜・麦や雑穀・果物を幅広く組み合わせ、水分と一緒に、少しずつ増やすのが基本です。乾物は戻した量で考え、IBSの体質や持病のある方、症状が続く方は医療機関に相談してください。
関連する記事は、以下もご覧ください。
▶ 納豆を食べると便秘になる?悪化する原因と食べ方
▶ ヨーグルトを食べても便秘?悪化する原因と食べ方
▶ ヨーグルト・納豆で便秘に?過敏性腸症候群とFODMAPの関係
▶ 納豆とヨーグルト、どっちがいい?腸への影響を専門家が比較
▶ 便秘と腸内環境・年齢別対策まとめ|子ども・女性・高齢者
▶ 乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド|効果・選び方・安全性
本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。
