乳酸菌の美容と健康LABO

乳酸菌の選び方|目的・菌株・食品・サプリを比較

【結論】 乳酸菌は「菌数が多い」「有名な菌だから」だけで選ばず、 ①目的、②菌株または機能性関与成分、③人を対象とした根拠、④1日量、⑤続けやすさの順で確認します。 生菌・死菌、乳酸菌・ビフィズス菌、食品・サプリにはそれぞれ特徴がありますが、一律の優劣はありません。 商品に表示された対象者・摂取目安量・注意事項まで確認し、自分の目的と生活に合うものを選びましょう。

監修:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK-117等)
菊正宗酒造総合研究所

乳酸菌選びに迷う人

「種類が多くて、どの乳酸菌を選べばよいのかわからない」

乳酸菌を含む商品には、ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵食品、サプリメントなどがあります。 しかし、同じ「乳酸菌配合」でも、使われている菌株、量、摂取形態、研究された目的は同じではありません。

また、パッケージの大きなキャッチコピーだけでは、誰を対象に、どの成分を、どのくらい摂取した結果なのかが分からない場合があります。 本記事では、商品名のおすすめランキングではなく、自分で表示と根拠を確認して選ぶ方法を解説します。

【記事の監修者】
菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

本記事は、乳酸菌・腸内環境・免疫応答に関する基礎研究を行う 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チームの監修のもと作成しています。

【研究開発に携わる専門家】

米由来乳酸菌「LK-117」の研究開発には、食品免疫学・微生物学を専門とする 大阪青山大学 教授(神戸大学 名誉教授)水野 雅史先生が関わっています。
詳しい経歴: 大阪青山大学 教員紹介 / researchmap

※研究結果は、研究された菌株・対象者・摂取量・期間などの条件に基づくものです。 特定菌株の結果を、すべての乳酸菌やすべての人に当てはめることはできません。

乳酸菌を選ぶとき、最初に確認する5項目

  1. 目的:便通、体調管理、肌など、最初に評価したいことを一つ決める
  2. 菌株・成分:菌株名または機能性関与成分が具体的に表示されているか確認する
  3. 根拠:自分に近い対象者を調べた人での研究があるか確認する
  4. 摂取条件:1日当たりの摂取目安量、摂取期間、保存方法を確認する
  5. 継続性:価格、味、糖分、乳成分、飲みやすさを含め、無理なく続けられるか考える

機能性表示食品を選ぶ場合は、表面のキャッチコピーだけでなく、 届出表示、機能性関与成分、1日摂取目安量、摂取上の注意を確認します。 機能性表示食品は事業者の責任で届け出る制度であり、特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が製品ごとに審査して許可する制度ではありません。

参考:消費者庁「保健機能食品について」

目的別・乳酸菌の選び方比較表

「健康によさそう」だけでは、商品を比較できません。目的に対応する表示と評価項目を先に決めましょう。

主な目的 商品で確認すること 自分で記録する項目 注意点
便通・お腹の調子 便通や便性状について研究・表示された菌株または成分、1日量 排便回数、便の形、腹部の張り ヨーグルトの乳糖、飲料の糖分・甘味料などが影響することもある
日常の体調管理 健康な人を対象とした研究か、表示された対象者・評価項目 体調を崩した日数など、商品表示と対応する項目 疾病の予防・治療を目的に選ばない
肌・美容 肌に関する人での研究、菌株、摂取量、期間 乾燥感など、研究で使われた評価項目に近い変化 整腸作用の研究結果を、そのまま肌への作用に置き換えない
アレルギーが気になる 対象となる症状・対象者・菌株が明確な研究か 医療者の指示を優先し、症状や服薬を記録 食品でアレルギー疾患を治療しようとしない。乳成分などのアレルゲンも確認する
子ども・高齢者 対象年齢、アレルゲン、摂取目安量、形状 便通、食欲、体調変化 乳幼児、基礎疾患がある人、免疫機能が低下している人は医療者へ相談する

※「免疫」「肌」「アレルギー」などの研究結果は、研究された菌株と条件に限られます。 乳酸菌という名称だけを根拠に、別の菌株や商品へ結果を一般化しないことが重要です。

菌株名の見方|「属・種・株」を確認する

乳酸菌の名称は、一般に属・種・株の順で識別します。 研究で特定の働きが調べられている場合、重要なのは末尾の菌株まで同じかどうかです。

表示例:
Lacticaseibacillus(属)+ paracasei(種)+ ABC123(株)

商品では、学名ではなく「〇〇菌」「〇〇株」と独自名称で表示される場合もあります。 その場合は、公式サイトや機能性表示食品の届出情報で、次の点を確認します。

  • 菌株を識別できる名称があるか
  • 研究で使用された菌株と、商品に含まれる菌株が一致するか
  • 研究時と商品の1日摂取量が対応しているか
  • 研究対象者と自分の年齢・健康状態が大きく異ならないか
  • 評価された内容が、自分の目的と一致しているか

「乳酸菌○億個」という菌数だけでは、どの菌株が、何を目的に、どの条件で研究されたかは分かりません。 特定の健康効果を期待する場合は、菌株・量・目的をセットで確認します。

分類をさらに詳しく知りたい方は、 乳酸菌の「属・種・株」の違いもご覧ください。

乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌はどう違う?

これらは商品で並べて紹介されることがありますが、分類やつくる代謝産物などが異なります。 「乳酸菌は小腸、ビフィズス菌は大腸」と生息場所だけで単純に分けたり、どれか一つを常に優れていると考えたりすることはできません。

種類 基本的な特徴 選ぶときの確認点
乳酸菌 糖から主に乳酸をつくる細菌の総称。多様な属・種・株を含む 「乳酸菌」という総称ではなく、菌株と研究目的を確認する
ビフィズス菌 乳酸に加えて酢酸などをつくり、人の腸内細菌叢を構成する菌群の一つ 菌株、保存条件、摂取時点までの菌数、研究内容を確認する
酪酸菌 酪酸をつくる細菌の総称として使われる 具体的な菌種・菌株と、製品で示されている目的を確認する

生菌と死菌(加熱処理菌)はどちらを選ぶ?

生菌と死菌は、単純な優劣ではなく、定義と研究された働きが異なります。 国際的な定義では、プロバイオティクスは、適切な量を摂取したときに健康上の利益をもたらす生きた微生物です。

区分 特徴 確認すること
生菌 生きた状態で摂取する。保存条件や賞味期限までの生菌数が重要 菌株、摂取時点の量、保存方法、人での研究
死菌・加熱処理菌 加熱などで不活化された菌体を利用する。製品化・保存上の特徴がある 不活化方法、菌株または原料名、量、その製品・素材で示された根拠

重要なのは、死菌ならすべて同じ働きがあるわけではなく、生菌なら必ず腸に定着するわけでもないことです。 不活化した微生物について健康上の利益が示された製剤は「ポストバイオティクス」と定義されますが、単に死菌を含むだけで自動的に該当するわけではありません。

参考:ISAPPによるプロバイオティクスの定義 / ISAPPによるポストバイオティクスのコンセンサス

ヨーグルト・乳酸菌飲料・発酵食品・サプリを比較

食品とサプリのどちらがよいかは、目的だけでなく、食事内容、乳糖やアレルゲン、糖分、費用、続けやすさによって変わります。

形態 利点 確認したい点 向いている人
ヨーグルト 食事として取り入れやすく、たんぱく質やカルシウムも摂れる 菌株、糖分、乳糖、乳成分、1回量 毎日の食事に組み込みたい人
乳酸菌飲料 量が分かりやすく、手軽に続けやすい 糖分、甘味料、乳成分、1日当たりの本数 携帯性や飲みやすさを重視する人
発酵食品 食事の一部として多様な食品を取り入れられる すべての発酵食品に生きた菌が含まれるわけではなく、菌株や量が不明なこともある 食生活全体を整えたい人
サプリメント 菌株・量が表示され、摂取量を管理しやすい商品がある 根拠、1日量、添加物、薬との併用、費用 食品だけでは続けにくい人、特定の菌株を選びたい人
加熱処理菌を含む食品・サプリ 常温保存など、製品設計上の利便性がある場合がある 菌株・原料名、含有量、研究された機能 保存性や摂取形態を重視する人

サプリメントは食事の代わりではありません。健康食品を利用する場合も、食事・運動・休養を基本とし、利用中の商品と体調を記録しましょう。

参考:消費者庁「健康食品(一般の方向け)」

購入前に見るべきラベルのチェックリスト

  • 目的に対応する「届出表示」「許可表示」が書かれているか
  • 菌株名または機能性関与成分が具体的に分かるか
  • 1日当たりの摂取目安量と、その量に含まれる菌数・成分量が分かるか
  • 対象者が健康な成人なのか、子どもや高齢者を含むのか確認したか
  • アレルゲン、乳糖、糖分、甘味料などを確認したか
  • 冷蔵・常温などの保存方法と賞味期限を守れるか
  • 摂取上の注意、薬との併用、問い合わせ先が記載されているか
  • 1日当たりの価格を無理なく継続できるか

「機能性表示食品」は、商品パッケージに届出番号が表示されています。 消費者庁の届出情報では、機能性関与成分、安全性、研究レビューなどを確認できます。

確認先:消費者庁「機能性表示食品について」

牛乳・乳製品アレルギーがある方が原材料表示をどう確認すればよいかは、 牛乳アレルギーでも飲める乳酸菌サプリの選び方 で詳しく解説しています。

乳酸菌を選んだ後の試し方と見直し方

  1. 一度に変える商品は一つにする:複数商品を同時に始めると、どれが体調変化に関係したか判断しにくくなります。
  2. 表示どおりの量を守る:多く摂れば効果が高まるとは限りません。
  3. 評価項目を決める:便通なら排便回数・便の形・腹部症状など、目的に対応する項目を記録します。
  4. 期間を一律に決めない:研究や商品表示で確認できる期間を参考にします。数日で判断できるものと、数週間以上観察するものは同じではありません。
  5. 変化がなければ条件を見直す:摂取量、継続状況、生活習慣、目的と菌株の一致を確認してから変更を検討します。

試す期間の考え方は乳酸菌の効果はいつから評価するのか、 合わない場合の判断は乳酸菌が合わない人の特徴と対策で詳しく解説しています。

下痢、腹痛、発疹などの不調が出た場合は、無理に継続せず摂取を中止してください。 症状が強い、長引く、血便・発熱・脱水などを伴う場合は医療機関へ相談しましょう。 治療中、服薬中、妊娠・授乳中、免疫機能が低下している場合は、事前に医師・薬剤師へ相談してください。

FAQ|乳酸菌の選び方でよくある質問

乳酸菌は菌数が多いほどよいですか?
一律に多いほどよいとはいえません。特定の作用を期待する場合は、菌数だけでなく、菌株、研究された量、対象者、目的が商品と対応しているか確認してください。
生菌と死菌はどちらがよいですか?
一律の優劣はありません。生菌は生きた状態で摂取するため保存条件や摂取時点の量が重要です。死菌・加熱処理菌は、その菌株や素材について人でどのような働きが研究されているかを確認します。
乳酸菌とビフィズス菌はどちらを選べばよいですか?
名称だけで決めず、目的に対応する菌株と人での研究を確認します。便通など同じ目的でも、商品ごとに菌株、量、対象者、評価項目が異なります。
ヨーグルトとサプリはどちらがよいですか?
食事として栄養も摂りたい場合はヨーグルト、特定の菌株や量を管理したい場合は表示が明確なサプリが選択肢になります。乳糖、糖分、アレルゲン、費用、続けやすさも比較してください。
同じ乳酸菌をどのくらい試せばよいですか?
すべての乳酸菌に共通する期間はありません。商品表示や根拠となった研究期間を確認し、目的に対応する項目を記録します。不調が出た場合は期間にかかわらず中止してください。
機能性表示食品なら国が効果を審査していますか?
いいえ。機能性表示食品は、事業者が安全性と機能性の根拠などを消費者庁へ届け出る制度で、トクホのように国が製品ごとに審査して許可する制度ではありません。届出表示や公開情報を確認しましょう。

まとめ:乳酸菌は「目的・菌株・根拠・量・継続性」で選ぶ

乳酸菌選びでは、「菌数が多い」「生きて届く」「人気がある」という一つの特徴だけで判断しないことが重要です。 まず目的を一つ決め、菌株または機能性関与成分、人での研究、1日量、対象者を確認します。

そのうえで、食品・飲料・サプリの中から、糖分や乳成分、保存方法、価格まで含めて続けやすいものを選びましょう。 一定期間記録しても目的に合う変化がない場合は、生活習慣や摂取条件を確認し、必要に応じて商品や菌株を見直します。

乳酸菌の効果・安全性・摂り方をまとめて確認する場合は、 乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド|効果・選び方・安全性へ戻って全体像を確認してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。 症状がある場合や治療中の場合は、医師・薬剤師などの専門家へ相談してください。

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