飲む美容液とも呼ばれる「甘酒」。最近では、甘酒に含まれる「α-EG」という成分が肌のコラーゲン量を増やすことが実証されたことで、さらに人気が。今回は甘酒の「α-EG」に注目!甘酒の美容効果を知ってあなたも甘酒美人に!
実は甘酒の美容効果は想像以上に高い!
美容だけでなく健康によいとされる甘酒には、「米麹を糖化させて作る甘酒」と「酒粕に砂糖を加えて作る甘酒」の2種類あり、どちらも女性にとって嬉しい効果がありますが、原材料の違いによって美容効果も異なります。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて甘酒を選ぶことでより高い効果が期待できます。
甘酒の種類と特徴
甘酒の原材料となる「米麹」と「酒粕」は、日本酒が作られる過程でできるものです。日本酒の原材料である米に麹菌を加えると、米のでんぷんがブドウ糖に変わり(糖化)、自然な甘さが出ます。ここでできるのが「米麹」です。そして、米麹に酵母を加えて発酵させると糖分がアルコールに変わりもろみができます。このもろみを搾ったものが日本酒の原酒となり、搾った残りが「酒粕」です
- 米麹の甘酒
- 酒粕の甘酒
日本酒だけでなく味噌や醤油づくりにも使われる「米麹」に、水を加えさらに発酵させたものが米麹の甘酒です。ブドウ糖などの体のエネルギーとなる成分が多く含まれていることから「飲む点滴」とも呼ばれています。甘酒人気の火付け役になったのは米麹の甘酒で、砂糖を使用せず アルコール成分は含まれてないのが特徴です。
原酒を搾った残りカスである「酒粕」に、水と砂糖を加えて溶かし作られるのが酒粕の甘酒です。酒粕の甘酒には、1%未満と少量ですがアルコールが含まれています。
どちらの甘酒が美容に効果的なの?
米麹の甘酒と酒粕の甘酒、「美容に効果的なのはどっち?」という疑問も多く、インターネット上では様々な情報が錯綜しています。
どちらの甘酒にも共通する効果には以下のようなものがあげられます。
- 美肌作りに欠かせない栄養素が豊富
- 腸内環境の改善
- 美容効果やダイエット効果
酒粕の甘酒と米麹の甘酒の大きな共通点は、豊富な栄養素です。ブドウ糖、ビタミンB群、アミノ酸など、美肌づくりに欠かせない栄養素が豊富に含まれています。美容だけでなく血流改善や疲労回復にも効果が期待できます。
米麹の甘酒には善玉菌のエサとなるオリゴ糖、酒粕の甘酒には食物繊維が豊富なので、どちらの甘酒にも腸内環境の改善や便秘解消といった効果が期待できます。また、腸の消化吸収が良くなることで、美肌づくりに必要な栄養素をしっかり吸収してくれます。
どちらの甘酒も腸内環境を改善することで、ダイエット効果も期待できます。また、ビタミンB群は、爪、髪などをつくる材料であるタンパク質の効果的な代謝をサポートする働きがあり美肌づくりには重要な栄養素です。
それぞれの甘酒の特に優れた美容効果についてこれから解説していきます。
米麹の甘酒の美容成分と効果
- コウジ酸
- エルゴチオネイン
コウジ酸は、米に麹菌を加え糖化するときに作り出される成分で、メラニンの生成酵素でもあるチロシナーゼの活性を抑える作用があります。シミやそばかすの予防や、日焼け後に起こりやすい色素沈着を予防する美白効果が期待できます。また、コウジ酸には抗酸化作用があるので、アンチエイジング効果も期待できます。
エルゴチオネインは、ビタミンCよりも強い抗酸化作用があり、肌の老化を抑制するアンチエイジング効果や、紫外線対策にも効果があると言われています。エルゴチオネインは人の体内では生合成することができないため、食事から取り入れる必要がありあます。
酒粕の甘酒の美容成分と効果
- 難消化性デキストリンとレジスタントプロテイン
- 清酒酵母
- α-EG(α-エチル-D-グルコシド)
難消化性デキストリンとレジスタントプロテインは、糖の吸収を緩やかにし血糖値の上昇を防ぎ、余分な糖質や脂質の吸収を抑えて排出させる働き、そして腸内細菌のエサとなることで腸内環境の改善などが期待できます。それによって、美容効果も期待できます。
日本酒の製造工程では、酒粕を作る前に清酒酵母で米麹をアルコール発酵させてます。そのため、酒粕には清酒酵母が豊富に含まれています。
清酒酵母には、深い眠りを促進する「アデノシン」という成分を活性化させる作用があり、最近の研究では、アデノシンが脳の中で濃度が高まってくると、非常に眠気を誘い、良い睡眠に入ることができることがわかってきています。質の良い睡眠は、美容にも効果があります。
最近の研究で、日本酒や酒粕に含まれるα-EGという成分が、コラーゲンを作り出す線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンの増殖を促進することが分かりました。
コラーゲンより注目の美容成分「α-EG」
甘酒が人気になりだした頃は、砂糖を使用していないのと、アルコールが含まれていないことで、米麹の甘酒が注目されていましたが、レジスタントプロテインやα-EGなど、今まであまり知られていなかった成分が注目され出したことによって、酒粕の甘酒も注目され、甘酒というカテゴリーとして人気が高まってきています。ここでは、注目の美容成分である「α-EG(α-エチル-D-グルコシド)」についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
α-EG(α-エチル-D-グルコシド)の効果
「日本酒を製造する杜氏の手は美しく、ハリがあり透き通って輝いている人が多い」
日本酒は昔から美容効果があると伝承されてきました。その美容成分として日本酒のうま味成分である「α-EG」が着目され、最近の研究で、継続的に飲用することで皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすことが学術的に実証されました。その他にも、保湿効果、ハリ・弾力アップ効果、肌荒れ改善などの効果もあるとされています。
コラーゲンとは
コラーゲンはタンパク質の1種で、人間の身体をつくっているタンパク質のうち約30%がコラーゲンとされています。また、皮膚の約70%はコラーゲンが占めています。
コラーゲンは皮膚だけでなく、骨や血管などに多く含まれていて、体重53kgの平均的な日本人女性の場合の体内のコラーゲン量は約3kgにもなりあます。このコラーゲンは加齢によって減少していきます。高齢者に多い骨粗しょう症は、カルシウム不足だけでなく加齢による体内のコラーゲンの減少も原因の一つで、コラーゲンが骨の内側の柔軟性を保つことで、骨がもろくなるのを防いでいます。このようにコラーゲンは、体内のいろいろなところで重要な役割をしています。
コラーゲンの美容に重要な理由
人の肌には表皮と真皮があり、肌表面にある表皮が外部の刺激から真皮を守っています。そして、肌のハリと弾力は、真皮層にあるコラーゲンによって保たれています。しかし、紫外線などの外部の刺激によってコラーゲンが破壊され、肌の潤いが減り、シミやたるみができやすくなります。体内で作られるコラーゲンの量は10代後半から20代前半がピークに、年を重ねるにつれて減少していくので、ハリや弾力があって美しい肌を保つためには、コラーゲンを増やすことが重要になります。そのため、美容面において、このα-EGの効果が注目されているのです。酒粕の甘酒は手軽にα-EGが摂取できる飲み物として、増々注目を浴びています。
ぶっちゃけ、美容ドリンクよりも進化系甘酒がオススメ!
美容ドリンクには、アンチエイジングやダイエットなど目的によって様々な種類がありますが、
その中でも特に人気なのがコラーゲンドリンクです。その理由は、コラーゲンは食材から摂取すると分子が大きいため、分解や吸収に時間がかかるため体に吸収されにくいから。コラーゲンドリンクは、コラーゲンを効率的に摂取できるだけでなく、分子を小さくして吸収されやすいように工夫されているものが多いです。
しかし、コラーゲンは摂取してそのままコラーゲンになるのではなく、一度、消化の過程でアミノ酸に分解され、体内の様々な場所でタンパク質の再合成に利用されるため、皮膚のコラーゲンだけになることはありません。美肌のためにコラーゲンの材料となるタンパク質の摂取が必要なことは当然ですが、コラーゲンだけの摂取にこだわる必要はまったくなく、むしろ、継続的に飲用することで皮膚真皮層のコラーゲン量を増やすことが学術的に実証されている「α-EG」が豊富な甘酒を摂取するほうが効果的だと思いませんか。
まとめ
α-EGでだけの効果に限らず、米麹の甘酒、酒粕の甘酒のどちらにも美容効果だけでなく健康効果があり、どちらが良いのか比べることは正直非常に難しいです。だからこそ、それぞれの特徴を知って、飲みやすさやなどで選ぶのがオススメです。最近では米麹と酒粕の両方を用いた甘酒や、甘酒に乳酸菌を加えたものなど、新たな進化系甘酒も販売され始めています。自分に合った甘酒を見つけてみるのもいいですね。
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