美容や健康によいとされ、ダイエットにも効果があることで人気急上昇中の「甘酒」。その効果から、「飲む点滴」や「飲む美容液」とも称されるほどで、甘酒には様々な栄養が豊富に含まれています。その中でも、ダイエット効果が期待される「レジスタントプロテイン」について詳しく解説していきます。
レジスタントプロテインのダイエット効果
まずは、レジスタントプロテインがどういった成分で、どのようなダイエット効果が期待できるのかを見ていきましょう。
レジスタントプロテインとは
レジスタントプロテインは、その名の通り、胃腸で消化されにくい難消化性(=レジスタント)のたんぱく質(=プロテイン)のことです。
胃で消化されずに大腸まで届き、食物繊維と同じような働きをするのがレジスタントプロテインの特徴です。食の欧米化が進み過食になりがちな現代では、肥満や高血糖、コレステロール値や中性脂肪値が高くなりやすく、それによって心筋梗塞や脳卒中など血管の病気を引き起こします。レジスタントプロテインは、そうした病気の予防や改善に役立つと注目されている成分です。
コレステロールや糖は腸で吸収されるのですが、レジスタントプロテインは、コレステロールや糖が腸で吸収される前に結合して、そのまま体外へ排出させます。糖分の吸収を抑えてくれるので食後の血糖値の急上昇も防いでくれるというわけです。
さらに、レジスタントプロテインは、血糖値やコレステロールの上昇が抑えるだけでなく、食物繊維と同じような働きをするので大腸で腸内細菌のエサになったり脂質を排出したりと、腸内環境を整える効果が期待できます。
実はトクホの成分と同じような効果が!
食物繊維に似た働きをする成分には、レジスタントプロテインの他に、難消化デキストリン、レジスタントスターチなどがあります。食物繊維は、体の構成成分やエネルギーにならないため、昔は役に立たない成分とされてきましたが、排便を促したり、余分なものを排出する働きは、栄養過多な現代人にとって、とても重要な成分です。食物繊維の様々な機能が明らかになり、食物繊維ではないが食物繊維と類似した機能を持つ食品成分があることがわかり、これらの成分が注目されています。
特に、難消化デキストリンは、トクホ(特定保健用食品)などに使用されてるので知っている方も多いのではないでしょうか。それと同じような効果が、レジスタントプロテインにもあるということです。
レジスタントプロテインのダイエット効果
レジスタントプロテインのダイエット効果には以下のものが挙げられます。
- 糖の吸収を抑える
- 腸内環境の改善
- 便通の改善
- 脂肪の排出
- 血糖値の上昇を防ぐ
レジスタントプロテインは、食物繊維と同じような働きがあるためダイエット効果も期待されています。糖の吸収を緩やかにし血糖値の上昇を防ぎ、余分な糖質や脂質の吸収を抑えて排出させる働き、そして腸内細菌のエサとなることで腸内環境の改善され便秘解消効果も期待できます。また、腸内環境の改善はダイエットだけでなく、美容効果も期待できます。
糖質や脂質の摂取が過剰になることで太ることは、一般的によく知られていますが、実は、血糖値の上がり方もダイエットに影響しています。食事をして食べたものが体内で吸収されると血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、血糖値を下げるためにすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンが過剰に分泌されると、血糖値を下げるために血中の糖分を脂肪に変えて体に貯め込んでしまいます。血糖値の上昇が緩やかであれば、通常インスリンは過剰に分泌されることはありません。
例えば、空腹状態からいきなりお菓子やご飯、パンなど糖質を多く含む食べ物をたくさん食べてしまうと、血糖値は一気に上昇しインスリンが必要以上に分泌されてしまいます。これによって、糖が脂肪に変わり蓄積されていきます。また、急上昇した血糖値が急降下されることで、食欲を増長させるとも言われています。
つまり、血糖値の急上昇を抑えることで太りにくくなるのです。この血糖値とダイエットの関係は意外に知らない方が多いです。普段の食事にレジスタントプロテインを取り入れることを意識するだけでも、かなりのダイエット効果が期待できるかもしれません。
レジスタントプロテインを多く含む食品
レジスタントプロテインを多く含む食品には以下のものがあります。
- 高野豆腐
- 大豆
- そばの実
- 酒粕
高野豆腐の製造工程(凝固・凍結・乾燥)でレジスタントプロテインが増加。
大豆は高野豆腐の原料でもあり、レジスタントプロテインが豊富。
そばの実の緑色の甘皮の部分にレジスタントプロテインが多く含まれています。
日本酒の製造工程で出るお酒の搾りかすである酒粕にはレジスタントプロテインが多く含まれています
ここ数年で人気に火がつき爆発的に市場が拡大している甘酒が、人気の理由のひとつが、このレジスタントプロテインによるダイエット効果によるものです。
なぜ、甘酒ダイエットが効果的なのか
美容や健康によいとされ、人気急上昇中の甘酒。ダイエットだけでなく、美容や冷え性などにもよいと本当に幅広い面で注目されています。最近では、市販の甘酒も一年中店頭に並ぶようになってきています。
実は、甘酒には種類あり、選び方を間違えると思っているような効果が得られない場合があるので注意が必要です。
甘酒の種類と効果
甘酒には「米麹を糖化させて作る甘酒」と「酒粕に砂糖を加えて作る甘酒」の2種類あり、大きな違いは、「米麹」を使ったものか、「酒粕」を使ったものかという点です。
「飲む点滴」と呼ばれる甘酒は、「米麹を糖化させて作る甘酒」の方で、米麹の甘酒には、体のエネルギーとなるブドウ糖や、ビタミン類、善玉菌のエサとなるオリゴ糖等が多く含まれています。
一方、「酒粕に砂糖を加えて作る甘酒」は「飲む美容液」と呼ばれ、美容作用のあるビタミンB群やα-EGなど酒粕に含まれる成分が多く含まれています。そして、ダイエット効果が期待されるレジスタントプロテインが豊富に含まれているのも酒粕の甘酒になります。
甘酒はトクホ飲料よりもオススメ!
トクホ(特定保健用食品)とは、有効性、安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁の許可を受けた食品のこと。レジスタントプロテインと同じような働きを持つ難消化性デキストリンは、消費者庁からトクホの関与成分としても許可された成分で、トクホ飲料に表示されている効果としては「食後の血糖値を穏やかにする」「脂肪の吸収を抑える」など。
つまり、トクホ飲料は、普段の飲んでいる飲み物に消費者庁からトクホの関与成分としても許可された成分が入ってるだけで、その他の栄養は何も変わりありません。甘酒の場合は、レジスタントプロテインだけでなく、その他にも健康に良いとされる様々な栄養が豊富に含まれています。積極的にトクホ飲料を飲んでいるのであれば、甘酒を飲んでみるのもオススメです。
甘酒を飲む効果的なタイミング
甘酒に含まれるレジスタントプロテインの効果を考えると、食事と一緒に飲むのが効果的です。ただし、甘酒には糖質が含まれているため3食共一緒に摂るのではなく、一番食事量の多い夕食時がオススメです。また、酒粕に含まれている清酒酵母は睡眠の質を改善することや、肌細胞は夜に作られることも考慮すると、美容面でも効果的なタイミングと言えます。
栄養が豊富な甘酒は、いつ飲んでも効果が期待できるので、自分が飲みやすいタイミングで続けるのがいいでしょう。
進化系甘酒に注目!
甘酒には「米麹を糖化させて作る甘酒」と「酒粕に砂糖を加えて作る甘酒」の2種類あるといいましたが、最近では米麹と酒粕の両方を用いた甘酒や、甘酒に乳酸菌を加えたものなど、砂糖を使用しない酒粕の甘酒など、甘酒の効果をさらにパワーアップさせた進化系甘酒が開発されています。
米麹の甘酒、酒粕の甘酒、それぞれの良いとこどりをしたり、さらに価値をプラスすることで、効果だけでなく飲みやすさなども重視されています。そんな進化系甘酒が、これからどんどんと増え注目されること間違いなしです。
まとめ
レジスタントプロテインもそうですが、最近では甘酒に含まれている成分が注目されています。ひとつひとつの成分に注目してみると、より甘酒の効果を理解していただけたのではないでしょうか。
ダイエットも美容も健康も、「続けること」がとても大切になります。無理なく、飲みやすいタイミングで続けてみるのもいいかもしれませんね。