「風邪をひいて高熱が出ると、なぜかアトピーの症状が良くなる」という話をよく聞きます。アトピーのメカニズムは複雑で、このようなアトピーの不思議にはいろいろあります。反対に、「風邪をひくとアトピーが悪化した」という話があるのも事実で。その真相はいかに!?
風邪とアトピーの関係
風邪でアトピーが良くなる理由の前に、アトピーの発症メカニズムについて詳しく説明します。
アトピーの発症メカニズム
アトピーや花粉症などのアレルギーは、免疫が本来反応しなくていい物にまで過剰に反応してしまう状態です。人の体には、外部からウイルスや細菌などの異物(抗原)が侵入してきた際に、抗体をつくって異物から体を守る免疫が備わっています
例えば、はしかウイルスに1度感染すると、2度目以降ははしかウイルスに対する抗体ができているためかかりません。ところが、人の体に無害であるはずの抗原(ダニや花粉や食べ物など)に対して抗体がつくられ、この特定の抗原に対して免疫が過剰に反応してアレルギーを発症します。人の体に無害であるはずの抗原の中で、特にアレルギーを引き起こしやすいものを「アレルゲン」と呼びます。
アトピーや気管支喘息、花粉症、食物アレルギーなどのアレルギー疾患は、若年層を中心に年々増加していて、国民の2人に1人がなんらかのアレルギー疾患を持っているとも言われています。それにもかかわらず、アレルギー発症のメカニズムについて、100年以上も前から様々な研究が行われていますが、まだまだ不明な点も多く十分に解明できていないのが現状です。アレルギー増加の要因としては、戦後から急速に変化してきた環境的因子(住環境、食環境、衛生環境、水・大気・土壌環境)の影響が大きいと考えらます。
また、かゆみを伴う湿疹が皮膚に繰り返し起こる特徴を持つアトピーは、花粉症や食物アレルギーとは異なり、食べ物やその他のアレルギーがあるから必ず発症するという病気ではありません。アレルギーを起こしやすい体質であったり、皮膚のバリア機能が不十分であったり、そこにアレルゲンが加わることで、発症する皮膚の病気です。アトピーの発症メカニズムはとても複雑で、アレルギー体質や皮膚バリア機能の低下による内的要因と、アレルゲンや生活環境、ストレスなどの外的要因などが重なることで発症しやすくなると考えれています。
風邪をひいてアトピーが良くなった理由
先ほど説明したとおり、アレルギーは免疫が本来反応しなくていい物にまで過剰に反応してしまう状態です。ホコリやダニや花粉などのアレルゲンが皮膚を通して体内に侵入してこようとしたときに、免疫が働きアトピーを発症します。
一方、風邪をひくと体内の免疫が風邪の原因ウイルスを攻撃するために総動員されます。風邪をひいて熱が出るのは、免疫が正常に働いている証拠です。発熱して体温を上げることで、免疫細胞が活発に動きやすくなると同時に、ウイルスや細菌が38.5度以上の体温で死滅します。このように、免疫が風邪を治すために総動員されると、ホコリやダニや花粉などのアレルゲンにかまっていられなくなります。それにより、一時的にアトピーの症状が良くなると考えられています。
しかし、この場合はあくまでも一時的にアレルゲンに対する免疫の活動がおさまっているだけで、アトピーが良くなったわけではありません。また、反対に「風邪をひいてアトピーが悪化した」という人も結構います。これは一体どういうことでしょうか?
風邪をひいてアトピーが悪化する理由
風邪をひいてアトピーが悪化するのは、風邪をひくことによる脱水症状から皮膚のバリア機能が低下し、アレルゲンが体内に侵入しやすくなることが考えられます。アトピーの罹患者はセラミドなどの角質細胞間脂質が少ない状態で体内から水分が失われやすく、体外から異物が侵入しやすい状態にあります。
この状態に加え、風邪による脱水症状が加えあると、さらに皮膚のバリア機能が低下してアトピーの症状が悪化するのです。皮膚のバリア機能が低下した状態が続くと、さらに乾燥が進み炎症やかゆみが増してしまう悪循環に陥ってしまうのです。
季節的なアトピーの悪化
風邪をひいてなくても、季節によってかゆみが増しアトピーが悪化することがあります。
例えば、夏の汗、冬の乾燥などです。夏にアトピーが悪化するのは、大量の汗で皮膚が刺激されることや、皮膚症状がある部分に細菌が繁殖しやすくなることが考えられます。一方、冬にアトピーが悪化するのは、空気の乾燥以外にも、暖房などにより室内の空気が強く乾燥していることで、皮膚の水分が奪われバリア機能が低下することが考えられます。
風邪がなかなか治らない…もしかして「喘息」かも
風邪をひいたけれど、熱も下がり、喉も痛くないのに咳だけが続く…。
咳はなかなか治りづらいとは言いますが、1ヶ月以上続いたりすると心配にもなりますよね。
それ、実は風邪がきっかけで起こった「喘息」かもしれません。
アレルギーが原因ではない喘息を「非アトピー型喘息」と言います。
風邪やインフルエンザ、過労やストレス、肥満、タバコの煙、食品添加物などが原因で起こる喘息です。
成人してから発症する人が多く、女性が多い傾向にあります。
一方、アレルギーを原因とする喘息を「アトピー型喘息」と言います。
免疫システムが異常をきたすことでアレルギー反応を起こします。
そのアレルギー反応が皮膚で起こると「アトピー性皮膚炎」、気道で起こると「アトピー型喘息」となるのです。
では、風邪きっかけなのだから非アトピー型喘息なのか…と言われれば、一概にそうとは言えません。
もともとアトピー性皮膚炎を発症している人は、アトピー素因(アレルギーが原因の病気になりやすい体質)を持っているため、皮膚炎だけでなく喘息にもなりやすいと言えます。
つまり、アトピー素因を持つ人は、風邪がきっかけでアトピー型喘息にもなり得るのです。
アトピー型喘息なのか、非アトピー型喘息なのかで、治療の方法が変わってくるので、「もしかして…」と気になったら医療機関への受診をおすすめします。
喘息の発作の引き金は、アレルギーが原因なことが多いです。
いかに花粉やタバコの煙、ほこりなどのアレルゲンを発生させないかが重要となってきます。
自身のアレルゲンとなる物質が何なのかが特定できれば、避けることはできますし、
免疫力を高めることで、アレルギーの発症を緩和させることも可能です。
アトピー性皮膚炎と同様に、アトピー型喘息も免疫バランスが大切なのですね。
アトピーの症状を良くするためには
風邪をひくとアトピーが良くなるという現象はあるものの、実際にはアトピーが良くなっているのではなく一時的に治まっているだけです。反対に、風邪をひくことでアトピーが悪化する危険性があることも覚えておいてください。
やはり、アトピーの症状を良くするためには、アレルギー体質に傾いた免疫バランスを正常に保つことが、風邪をひかずにアトピーも発症しないベストな方法だと考えます。では、免疫バランスを正常に保つためにはどうすればいいのでしょうか?
免疫を整える食事の重要性
免疫力には以下のようなことがあります。
- 免疫細胞を作る
- 免疫細胞の強化
- ウイルスや細菌への攻撃
- 免疫機能を正常に維持する
- 免疫の過剰反応を制御
これらの免疫力を作るためには食事はとても重要になります。
免疫細胞の強化やウイルスや細菌への攻撃というのは「免疫を強くする・高める」といった力です。しかし、この免疫の攻撃力だけを高めてしまうと、炎症という反応が起こり、炎症は様々な病気を引き起こします。この攻撃力が過剰にないために、免疫機能の維持や過剰反応の制御が必要になります。このように、免疫はバランスをとりながらコントロールする必要があるのです。そのために「免疫を整える」ということがとても重要になるのです。
しかし、これら全てを果たす食べ物はありません。免疫を整えるためには、どんな食べ物を食べればいいのか・・・
例えば、免疫細胞を作るには細胞の主成分であるタンパク質が必要です。免疫細胞の強化や攻撃力にはビタミンAやビタミンEなどのビタミン類、亜鉛やセレン、銅、マンガンなどのミネラル類など。ワインやコーヒーに多く含まれるポリフェノール類、イワシやアジなどの青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEなども免疫力を高めてくれます。
食事で「免疫を整える」ためには、バランスよく食べることが重要です。
免疫バランスを整える進化系乳酸菌
免疫は、主としてウイルスや細菌による感染に働くTh1細胞と、主として花粉やダニなどのアレルゲンに対して働くTh2細胞が互いにバランスを取りながら免疫をコントロールしています。何らかの要因で、免疫バランスが乱れアレルゲンに対して働くTh2細胞が優位な状態になると、IgE抗体を過剰に作ります。IgE抗体は、体内に入ってきたアレルゲンから体を守ろうとしてヒスタミンを放出。そのヒスタミンによって引き起こされるのがアレルギー反応です。アレルギー体質は、このIgE値が高い傾向にあるとされています。
アレルギー反応を起こさないようにするためには、IgE抗体の産生を抑制するためにTh1細胞の増加を促進し乱れた免疫バランスを整えるとが必要となります。
そこで、注目したいのが免疫バランスを整える働きを持つ進化系乳酸菌LK-117です。Th1細胞の増加を促進するには、免疫担当細胞であるマクロファージにIL-12を産生させることが重要であることがわかっており、進化系乳酸菌LK-117には、IL-12の産生の促進と、アレルギー反応の抑制作用が認められています。
また、LK-117は、お米を使った発酵食品の代表でもある日本酒造りの工程で発見された乳酸菌なので、日本人の食生活とも馴染みの深く相性も抜群です。さらに、機能性を持つことで進化した乳酸菌です。
ストレスの多い人や不規則な生活、偏った食生活をしている現代人の乱れた免疫バランスを整えることがとても重要です。LK-117は毎日の健康に貢献する進化系乳酸菌です。
まとめ
赤ちゃんから高齢者の方まで、顔や手や足、そして身体中が痒くて仕方がないアトピー。
風邪をひいただけで症状が悪化したり、気候の変化によっても悪化する症状に、本当に辛い日々を過ごされているかと思います。
アトピーは症状が治まっても一時的に治まっているだけの可能性が高く、根本的な治療法もないため、体の内側の免疫力を整えることがとても重要です。そのために、日々できることを始めてみませんか。少しでも皆様に役立つ情報をお届けしていきます。