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【要注意】ヨーグルト・納豆で便秘に?日本人の過敏性腸症候群

    ヨーグルトや納豆で便秘になるのは日本人に多い過敏性腸症候群かも

    【要注意】ヨーグルト・納豆で便秘に?日本人の過敏性腸症候群

    By 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム | 乳酸菌の美容と健康 | 0 comment |

    公開日: 2020年06月25日
    更新日: 2025年11月10日

    「便秘を解消しようとヨーグルトや納豆を積極的に食べているのに、お腹が張る、腹痛がある、むしろ便秘が悪化している気がする」――こうした経験はありませんか?

    これらの症状は、日本人の10人に1人以上が悩んでいるとされる「過敏性腸症候群(IBS)」が原因かもしれません。IBSの患者さんにとって、一般的に「腸に良い」とされる食品の一部が、かえって不調を悪化させる「落とし穴」になることがあります。

    本記事では、IBSと深く関わる「FODMAP(フォドマップ)」という糖質理論を専門的に解説し、便秘・お腹の不調に悩む方がどのように腸内環境を整えれば良いのか、特に高FODMAP食品を避けた上で乳酸菌を摂取する方法について、専門家の知見を交えて考察します。

    【専門性と信頼性】

    本記事は、東北大学の福土審教授らによる過敏性腸症候群(IBS)の診療総論や、日本消化器病学会が推奨する低FODMAP食事法に関する知見を参照し、医学的な根拠に基づいた情報を提供しています。YMYL領域に配慮しつつ、読者の悩みに寄り添った正確な情報発信を心がけています。

    日本人に多い「過敏性腸症候群(IBS)」とは?

    IBSは、大腸カメラなどの検査で目に見える異常がないにもかかわらず、「腹痛」や「腹部の不快感」が、慢性的に便通異常(下痢・便秘・混合型)に関連して続く病態です。原因としては、ストレスや脳腸相関の異常、腸内細菌叢の変化などが挙げられています。(東北大学 福土教授の研究参照)

    IBSのセルフチェックと症状の分類

    【過敏性腸症候群(IBS)セルフチェック(Rome IV基準より)】

    IBSは、腹痛と便通異常が慢性的に続くもので、症状によって以下の4型に分類されます。

    • 便秘型 (IBS-C):コロコロした便が多く、腹部膨満感も伴いやすい
    • 下痢型 (IBS-D):急な下痢や腹痛が多い
    • 混合型 (IBS-M):便秘と下痢を交互に繰り返す
    • 分類不能型 (IBS-U)

    ※上記に当てはまる場合、自己判断せず専門医にご相談ください。

    IBSの治療は、生活習慣の改善(規則正しい睡眠、適度な運動など)と食事療法、薬物療法が基本です。

    過敏性腸症候群には生活リズムも大事
    過敏性腸症候群には生活リズムも大事

    ヨーグルト・納豆で不調が悪化する原因:高FODMAP食品の落とし穴(深掘り解説)

    IBS患者さんにとって特に注意が必要なのが、FODMAP(フォドマップ)と呼ばれる糖質群です。

    FODMAPとは?腸内で何が起こる?

    FODMAPは、Fermentable(発酵性の)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharides(単糖類)、And Polyols(ポリオール)の頭文字をとった略語です。

    • 小腸で吸収されにくい:これらの糖質は小腸で十分に消化吸収されず、大腸へ運ばれます。
    • 水分とガスの過剰発生:FODMAPが大腸に達すると、腸内細菌のエサとなって過剰に発酵し、多量のガス(お腹の張り)が発生します。また、浸透圧作用で小腸に大量の水分が引き込まれ、腹痛や下痢を引き起こします。

    便秘型IBSの場合、この過剰なガスや水分が大腸の蠕動運動を乱し、かえって便秘や腹部膨満感を悪化させる原因になることが示唆されています。

    実は「高FODMAP」な納豆・ヨーグルト

    健康的なイメージの強いヨーグルト(二糖類/乳糖を含む)や納豆(オリゴ糖を含む)、小麦などは、このFODMAPを多く含む「高FODMAP食品」に分類されます。

    低FODMAP食品(推奨) 高FODMAP食品(注意)
    穀物など 米、玄米、米粉類、そば(10割)など 小麦、パン、パスタ、ラーメン、うどんなど
    野菜類 なす、人参、レタス、キャベツ、じゃがいもなど アスパラガス、にんにく、玉ねぎ、納豆、ごぼうなど
    乳製品 バター、チェダーチーズ、カマンベールチーズなど 牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、生クリームなど

    【専門性の高い考察エリア】
    低FODMAP食事法は、IBS患者の75〜80%に症状の改善が見られたという報告があり、日本消化器病学会も有効性の高い治療法として推奨しています。この食事法は、高FODMAP食品を最小限に抑え、お腹の不調を起こす食品を特定することを目的とします。ただし、栄養の偏りを防ぐため、自己流ではなく医師や管理栄養士と相談しつつ進めることが推奨されます。

    IBS時代の腸活:高FODMAPを避けつつ乳酸菌を摂る方法

    IBS患者さんにとって、腸内環境を整える「腸活」は重要ですが、高FODMAP食品であるヨーグルト(乳製品)を避ける必要があります。

    乳酸菌そのものはFODMAPではない

    便秘解消や整腸作用に不可欠な乳酸菌そのものは、FODMAPとは無関係です。問題となるのは、乳酸菌を多く含む食品に含まれる乳糖やオリゴ糖といったFODMAP成分です。

    米由来乳酸菌で「乳製品フリー」の腸活へ

    高FODMAP食品(乳製品や大豆製品)を避けて乳酸菌を効率よく摂取する方法として、米由来などの植物性乳酸菌に着目した方法が有効である可能性が示唆されます。

    • 乳製品フリー:米由来の乳酸菌は、乳糖などのFODMAP成分を含まずに乳酸菌そのものを摂取できるため、IBSの食事療法と相性が良いと考えられます。
    • 整腸作用への期待:特定の米由来乳酸菌(LK-117など)は、神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究において、整腸作用やアトピー・アレルギー症状の原因となる免疫バランスの乱れを調整する有用性も示唆されています。

    特に、ストレスによる自律神経の乱れや、アレルギー体質を併せ持つ方、そしてお子様の便通と体質改善を考える親御さんにとって、乳製品に頼らない乳酸菌摂取は、安全かつ有効な手段となり得ます。

    → アレルギーと整腸作用が示唆された、米由来乳酸菌「LK-117」の研究情報を詳しく見る

    まとめ:IBSと向き合い、適切な「腸活」を

    過敏性腸症候群(IBS)の改善には、規則正しい生活とストレス管理に加え、FODMAPを意識した食事療法が非常に重要です。ヨーグルトや納豆といった「健康食品」が、かえって症状を悪化させる可能性があることを理解し、自分のお腹に合う食材を見極めることが、快適な毎日への第一歩です。

    特に、乳製品を避けたい方は、米由来の乳酸菌など、IBSの食事療法を妨げない形で乳酸菌を摂取する方法を検討し、内側から腸内環境と免疫バランスを整えるアプローチを試みることをお勧めします。

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    よくある質問FAQ

    なぜヨーグルトや納豆でかえって便秘が悪化することがあるのですか?

    ヨーグルトや納豆は、IBS患者の不調の原因となるFODMAP(発酵性の糖質)を多く含む「高FODMAP食品」に分類されます。これらの成分が小腸で吸収されずに大腸に達し、過剰なガスや水分を引き起こすことで、便秘や腹痛が悪化する可能性があります。

    過敏性腸症候群(IBS)の人が乳酸菌を摂取しても大丈夫ですか?

    乳酸菌そのものはFODMAPではありませんので、摂取すること自体は問題ありません。ただし、ヨーグルトなどの乳製品(高FODMAP食品)を避ける必要があるため、米由来など、乳糖やオリゴ糖を多く含まないサプリメントなどで乳酸菌を効率よく摂取することが推奨されます。

    「低FODMAP食事法」は自己流で実践しても良いですか?

    低FODMAP食事法は、栄養の偏りを引き起こす可能性があるため、自己流で行うのは推奨されません。まずは医師や管理栄養士と相談の上、高FODMAP食品を最小限に抑える期間を設け、その後、不調を起こす食品を特定していくという段階的なアプローチが望ましいです。

    米由来の乳酸菌(LK-117など)にはどのような有用性が示唆されていますか?

    米由来乳酸菌は、乳糖などの高FODMAP成分を避けて乳酸菌を摂取できるため、IBSの食事療法に適していると考えられます。研究により、特定の米由来乳酸菌は、整腸作用に加え、アトピーや花粉症といったアレルギー症状の原因となる免疫バランスの乱れを調整する有用性も示唆されています。

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    菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

    菊正宗では、江戸時代から続く日本酒造りの技術を活かした乳酸菌研究に取り組んでいます。菊正宗酒造乳酸菌研究開発チームは、食品機能研究者やサプリメントアドバイザーなど、様々な分野のプロフェッショナルが集結し、乳酸菌や乳酸菌の代謝物が人々の心と身体の健康にどのような良い効果があるかを日々研究しています。 → 研究成果はこちら

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