女性は男性に比べて、便秘になりやすいと言われていますが、特に、生活リズムや食生活が乱れやすい働く女性の中には、便秘に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
毎日頑張って働く女性に不調や悩みはつきものです。特に腸内環境が不安定になると、便秘だけでなく、むくみや肌荒れなどの不調につながることもあります。健康な身体でいるためには、腸内環境を良い状態に保つことが大切です。しかし、働く女性は、知らず知らずのうちに腸内環境を悪化させる生活をしてしまっている可能性も…。
厚生労働省のサイトには
便秘を引き起こす腸管の機能的異常の要因には「不規則な食事・生活」「食物繊維・水分・脂質などの摂取不足」「低栄養」「ビタミン欠乏症」「全身衰弱」「緊張・恐怖・悲しみなどの精神的要因」「神経障害」「浣腸や下剤の乱用」「体質」「職業性(便意があっても排便できない職業の人)」「便意を抑制する習慣」などがあります。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 便秘と食事
とされており、様々な要因がありますので
この機会にぜひ一度、腸内環境に良くないNG習慣を見直してみましょう。
便秘と腸内環境の関係
便秘になると腸内でどのようなことが起こっているのでしょうか。
便秘になり腸内の悪玉菌が増えすぎると、悪玉菌が出す有害物質が吸収されやすくなります。便秘によって、便が滞留すると腐敗が進み悪臭を持ったガスや有害物質が発生します。その有害物質が吸収されるとガンや生活習慣病の原因になることも。例えば、顔に出来る吹き出物も、腸に溜まった有害物質が原因になっていることがあります。
このように便秘によって腸内の悪玉菌が優勢な状態になるとさまざまな病気を引き起こす原因になる可能性があります。反対に、腸内の善玉菌が優勢な状態であれば、腸内の乳酸菌によって乳酸が生産され、乳酸で腸が刺激を受けて蠕動運動が活発になり排便が促されます。便がスムーズに排泄されることで有害物質が吸収されにくくなります。そのため、腸内環境を良い状態に保つことは健康な身体でいるためにとても大切です。
便の状態から自分の腸内環境をチェック!
今の自分の腸内環境が良い状態なのか悪い状態なのか分かりますか?自分の腸内環境の状態は、便の「硬さ」「ニオイ」「排便の頻度」から確認することができます。
①硬さ
理想的な便の状態は、表面がなめらかなバナナ状の便です。便が硬くてコロコロしていたり、液体状だったりする場合は、腸内環境が崩れているかもしれません。便は、大腸で水分が吸収され、食べ物の残りカスだけが集められそれが固まりとなって排便されます。そのため、便の状態は大腸を進む早さに関係しています。
水分が吸収されずに大腸を通れば水のような便になります。逆に、大腸の通過時間が長ければ水分の吸収が進み、便は固くなり排便しづらい(便秘)の状態になります。
②ニオイ
腸内環境が良い状態であれば、便のニオイはそれほど強くありません。しかし、腸内環境が悪化すると便のニオイは強くなります。ニオイの原因は、悪玉菌が作り出すアンモニアやインドール、硫化水素などの腐敗物質です。悪玉菌はタンパク質や脂肪をエサに増殖するので、タンパク質や脂質の多い肉中心の食生活を続けていると悪玉菌が活発になり便やガスのニオイが強くなります。
③排便の頻度
理想は毎日ですが、最低でも週に3回以上定期的に排便があれは腸内環境は良好です。ただし、排便があっても強くいきまないと排便が困難な場合や、残便感がある場合は、腸内環境が悪化している可能性があります。
女性は男性より便秘になりやすい?
女性は男性に比べて、便秘になりやすいと言われています。その理由の一つとして、筋力が弱いことがあります。腸を動かすためにはある程度、腹筋の力が必要ですが女性は男性に比べて筋力が腹筋の力が弱いため、便を押し出す力が不足しています。また、女性は骨盤が広く、腸が下がって腸の形が不安定になることで蠕動運動を起こしにくくなっていることも便秘の原因の一つと言われています。その他にも、生理前に増える黄体ホルモンに蠕動運動を抑える働きがあるため、生理前には便秘になりやすくなることもあります。
働く女性に多い便秘を招くNG習慣
健康な身体でいるためには、腸内環境を良い状態に保つことが大切。しかし、働く女性は、知らず知らずのうちに食生活や生活リズムが乱れ腸内環境を悪化させる生活をしてしまっている可能性があります。ここでは、働く女性に多いNG習慣を紹介します。
- 偏った食生活
- お酒を飲む機会が多い
- 睡眠不足や夜更かし
- ・座りっぱなしや運動不足
- ストレスが多い
腸内環境は、1000種類以上もの腸内細菌で形成されおり、その多様性が維持されていることが重要です。しかし、忙しいからといって毎日偏った食事ばかり続けていると、似たような種類の腸内細菌が活発になり腸内細菌の多様性が低下してしまい、腸内細菌のバランスが乱れてしまう可能性があります。なるべく栄養バランスを意識した食生活を心がけましょう。
働く女性は、付き合いでお酒を飲む機会が多いこともあるでしょう。アルコールを取り過ぎると、水分や電解質の吸収が悪くなり、水分と電解質の排出量が増え、さらに糖や脂肪の分解や吸収も低下し下痢を起こしやすくなります。アルコールの過剰摂取は少なからず腸へのダメージがあるので、過度な飲酒は控えるようにしましょう。
働く女性は仕事の忙しさやストレスなどが原因で、睡眠不足や不眠に悩んでいる人も多いです。
睡眠時間が短いと腸内環境が悪化し、肥満などの代謝異常につながる可能性があります。また、人が夜になると眠くなり朝になると目が覚めるのは、体内時計が正常に働いているからですが、不規則な生活リズムによって睡眠時間や食事を取るタイミングがバラバラになると、体内時計が乱れ腸内環境の悪化にもつながります。
デスクワークが多い仕事の場合、日中はほぼ座りっぱなしという人も多いのではないでしょうか。座りっぱなしの姿勢が多いと骨盤が歪んだ状態で固定化され本来あるべき腸の位置からずれたり下垂したりしてし、腸の機能が低下する可能性があります。また、運動不足も腸内の悪玉菌を増やすことにつながります。
脳と腸は密接に関係していると言われています。ストレスを感じると、交感神経が優位になって消化機能が低下し、腸内環境が乱れ悪玉菌が優勢になりやすく、便秘や下痢を引き起こします。さらに、 腸の働きが鈍くなることで、脳が刺激を受けさらにストレスを感じるという悪循環に陥りやすくなります。ストレスは、便秘や下痢を引き起こすだけでなく腸内環境の悪化にも繋がるため、適度に発散することが大切です。
いかがでしょうか。実は、最近の調査で慢性的な便秘は体の不調にとどまらず、作業効率や生産性の低下など、脳の働きにも影響を及ぼすことがわかってきています。頑張って働いているのに、労働生産性が低下するのはもったいない。この機会にぜひ一度、生活習慣を見直してみませんか。
便秘解消にはまず生活習慣の見直しから
便秘や解消するために、まずどんなことから始めたらいいのか。まず、取り組んで欲しいのが食生活の改善です。便秘の場合は、水分や食物繊維をしっかり摂ることが大切です。食物繊維には不溶性食物繊維(穀類、マメ類、野菜類、きのこ類などに含まれる)と水溶性食物繊維(海藻類、コンニャクなどに含まれる)があり、どちらか一方を摂るのではなく両方をバランスよく摂取することが大切です。また、食生活だけでなく、睡眠や運動などの生活習慣も少しずつ見直していきましょう。ストレスには、休養と睡眠がとても大切です。
まとめ
自分の腸内環境の状態は、便の状態である程度わかります。一番わかりやすいのは便の硬さです。腸の動きが悪く、便の通過時間が長くかかると水分が吸収されすぎることで便が硬くなります。反対に、何らかの原因で便の通過時間が短くなったり、水分の吸収が正常に行われなったりすると、便が水っぽい状態になります。排便を促す腸の蠕動運動は、便の硬さを左右する要因の1つで、食事やストレス、加齢など、さまざまなものから影響を受けています。便秘の悩みを解消するためにも、ぜひ腸内環境の改善にも取り組んでみましょう。