花粉は一年中なにかしら飛散しています。
それなのに、春が近づいてくるとメディアやニュース、天気予報でも花粉の飛散量や花粉症対策について多く取り上げれるようになるのはなぜでしょうか。
それは、一般的に花粉症の症状が出る方の多いスギ・ヒノキ花粉の飛散量が増えるからです。
今回は、そのスギ・ヒノキ花粉が2022年のいつから多く飛散し、花粉症の症状がいつから出始めるのか、薬を飲むのを止めるタイミングなどについても見ていきたいと思います。
2022年の花粉症はいつからいつまで?
スギ・ヒノキ花粉が飛散する時期というのは、例年ある程度決まっています。
地域によって時期が多少前後するのですが、一般的に
スギ:2月上旬~4月下旬
ヒノキ:3月上旬~4月下旬
がそれぞれの花粉の飛散量が多い時期だと言われています。
では、少しだけ早く飛散し始めるスギ花粉がいつから飛散し始めるのかに注目してみましょう。
【予測】2022年のスギ・ヒノキ花粉症はいつから飛散する?
日本気象庁が発表している「2022年 春の花粉飛散予測」によると、スギ花粉の飛散開始は九州から東北まで例年並みと予想されています。
ということは、2月上旬から九州などの暖かい地域から順にスギ花粉が飛散し始めるということです。スギ花粉は、飛散開始が発表される前から、わずかな量が飛び始めるので、2月上旬に飛散開始が予測される地域では、1月のうちから花粉対策を始める方がいいでしょう。
花粉症の症状はいつから出る?ピークは?
多くの方の感覚では、飛散量が多くなる2月上旬ぐらいから鼻がムズムズし始め、3月中は早く花粉症シーズンが終わらないかなと毎日辛い症状に悩まされて、4月になると少しマシになってきたかも…といった感じではないでしょうか。
花粉症の症状は、敏感な方ならわずかな量が飛び始めている1月上旬に現れることもあります。
2022年のスギ花粉のピークは、西日本では2月下旬~3月中旬、東日本では3月上旬~3月下旬と予測されており、こちらも例年並みの見込みとなっています。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、福岡や四国、中国で3月上旬から4月上旬に、近畿から東日本にかけては、4月上旬から中旬にかけてヒノキ花粉のピークを迎えます。
花粉症の薬はいつからいつまで飲んだらいいの?
花粉症の症状が出てしまうと、花粉症の症状を抑えるために市販薬を服用している人は多いでしょう。
花粉症の薬には症状が出た後に服用するものが多いのですが、花粉症は毎年症状が現れる時期がある程度決まっていて、原因もはっきりしています。
そのため、処方薬の中には花粉が飛散し始める前からの予防的な服用が認められているものがあります。
また、市販薬の中にも、症状が軽い早めの時期からの服用を推奨しているものがあります。
市販薬に多いのは、くしゃみ・鼻水・痒みの原因になるヒスタミンの作用をブロックする抗ヒスタミン剤です。
市販薬の抗ヒスタミン剤には種類があり、飲み始めるタイミングや服用回数が異なるため、必ず用法・用量の確認するようにしましょう。
一方で、処方薬にはヒスタミンの作用をブロックする効果に加えて、肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを防ぐ抗アレルギー剤があります。
花粉症を発症した人の多くは、ごくわずかな花粉が体内に入り込んだだけでも敏感に反応してしまいます。抗アレルギー剤は、花粉が飛散する前から飲み始めることで、症状が出るのを遅らせたり、軽い症状にすることができます。
また、抗アレルギー剤は途中で中断せずに花粉の飛散が少なるまで継続が必要です。
毎年、花粉症がひどい方は、症状が出始めてから受診するのではなく、早めに薬を処方してもらうことおすすめします。
花粉症は症状がひどくなる前に予防することが重要です。
すぐに病院に行けない時は市販薬を活用するもいいでしょう。
しかし、花粉症予防で一番重要なのはセルフケアだというのをご存じですか?
実は、花粉症の症状は、飛散量が多い少ないよりも睡眠不足やストレスなど体の免疫力が低下していると悪化しやすくなったりと、体の状態によって左右されていまいます。
花粉症の予防に重要なセルフケア
花粉症は、適切な治療を受けることが最も有効ですが、それと同時に、普段の生活の中でできるセルフケアで症状を軽減することができます。
花粉症対策のセルフケアの基本は、この2つ。
「花粉を体内に取り込まない」
「鼻や口などの粘膜と免疫機能を正常に保つ」
花粉を体内に取り込まない
花粉を取り込む量をできるだけ少なくすることが、今後の予防や症状軽減につながります。
花粉が飛散している時期の外出は、マスク、メガネ、帽子を着用し、表面がサラサラして花粉が付着しづらい服を選びましょう。
また、帰宅時は家の中に花粉を持ち込まないに、玄関前で衣服や髪についた花粉を払い落とし、すぐに手洗いうがいをして、花粉を洗い流しましょう。
また、洗濯物はできるだけ室内に干し、布団は布団乾燥機などを使用して外に出さないほうがいいでしょう。
粘膜と免疫機能を正常に保つ
わかりやすく、免疫力を「お城」に例えてみましょう。
お城で最も大切なのは天守閣で、天守閣までは兵士が守りを固めています。そして、お城の周りには内堀があり、さらに内堀の周りを外堀が囲んでいます。
私たちの体をお城に例えると、天守閣にあたるのは体内の細胞です。そして、兵士が免疫機能、外堀が私たちの体と外界の接点である粘膜です。
私たちの体には、口の中の粘膜、鼻の中の粘膜、気管の粘膜、胃や腸の粘膜、膀胱や子宮の粘膜、性器の粘膜と、たくさんの粘膜があります。
その粘膜が正常な状態を保っていないと、外敵となる細菌やウィルスなどが簡単に体内に侵入してきます。
そして、外敵が侵入してきたとしても、免疫機能が正常であれば、風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりにくくなります。
また、風邪をひいてしまうと粘膜が弱くなります。
免疫機能を正常に保つためには、睡眠を十分にとる、ストレスを溜めない、バランスの良い食事などの生活習慣の見直しも必要です。
粘膜と免疫機能を正常に保つ食事のポイント
粘膜と免疫機能を正常に保つための食事にはポイントがあります。
- 腸内環境を整える
- 粘膜の強化
- 免疫細胞の活性化
腸には、体の免疫細胞の約6割が集中しています。
腸内では、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を中心とした細菌によって、免疫細胞が働きやすい環境が整えられています。
そんな、腸内環境を整えるためには、善玉菌を活性化する乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖などを積極的に摂取しましょう。
粘膜を強化するには、からだづくりのベースとなるタンパク質とビタミンが必要です。
タンパク質が不足すると、皮膚や粘膜が弱くなり免疫力も低下してしまいます。
また、ビタミンは複数の種類がありますが、特に粘膜を健康に保つためのビタミンA、細胞の再生を助け粘膜を保護するビタミンB2、タンパク質の合成に欠かせないビタミンB6などを積極的に摂取しましょう。
免疫細胞を活性化するためには、腸内環境を整えることも重要ですが、その他に抗酸化物質のフィトケミカルは、免疫細胞を活性酸素から守り免疫細胞の活性化に役立ちます。
また、抗酸化作用といえば、ビタミンCも欠かせません。
特に、ストレスが多い人、タバコを吸う人、お酒をよく飲む人はビタミンCの消費量が多く、不足しやすいので積極的に摂取するようにしましょう。
フィトケミカルは、緑黄色野菜やきのこ、にんにくやネギ、海藻類などに多く含まれています。
まとめ
花粉症シーズンになると、甜茶が効くとか、ペパーミントが効くだとかいろいろな食品が注目されます。
しかし、1つの食品に絞って摂取するのではなく、様々な食品から栄養素を摂り入れることをオススメします。
また近年では、「ヨーグルトは花粉症に効く」とよく話題になっています。こういったことの背景には、乳酸菌による腸内環境の改善効果があると考えられます。
最近では乳殺菌研究が進み、免疫細胞を活性化する機能があることが報告されている乳酸菌なども増えているので、それらを活用してみるのもオススメです。