「うちの子、どうしてこんなに風邪をひきやすいんだろう」「アレルギー体質を改善してあげたい」—。子どもの健康を願う親御さんにとって、「免疫力」は常に大きな関心事ではないでしょうか。
手洗いやうがいはもちろん大切ですが、ウイルスや細菌から体を守る防御システムの核となるのは、実は私たちの体内に備わった免疫システムです。
この記事では、免疫システムの基礎知識から、なぜ現代の子どもたちが免疫力を低下させやすいのか、そして、免疫細胞の約70%が存在すると言われる「腸」を整えることの重要性を、専門的な視点から解説します。
特に、日本の伝統的な食文化から見つかった特定の米由来乳酸菌が、腸内環境と免疫バランスにどのような有用性を示唆しているのかを深掘りし、日々の生活に取り入れやすい具体的な「腸活」をご提案します。
→ アレルギーや免疫バランスに示唆がある「特定の米由来乳酸菌(LK-117)」の研究成果はこちら
免疫システムの基礎知識:自然免疫と獲得免疫
私たちの体には、外部からの病原体と戦う二段構えの防御システム「免疫」が備わっています。この仕組みを理解することが、免疫力を高めるための第一歩です。

生まれつき備わる「自然免疫」
自然免疫は、体に病原体が侵入した際、即座に反応して攻撃する最初の防御ラインです。白血球の一種であるマクロファージや好中球といった食細胞が、侵入者を識別せずに「食べて消化する」ことで感染を防ぎます。
記憶して戦う「獲得免疫」
獲得免疫は、過去に侵入してきた病原体の情報を記憶し、次に同じ病原体が侵入した際に特異的な抗体を作って素早く攻撃するシステムです。ワクチン接種や、一度感染症にかかることで終生免疫が得られるのは、この獲得免疫の働きによるものです。
これら二つの免疫は、連携しながら私たちの健康を維持していますが、生活習慣や体調によってその機能は大きく左右されます。
現代人が抱える免疫力低下の要因:ストレスと生活習慣
なぜ、現代の子どもや大人は免疫力が低下しやすいのでしょうか。免疫機能の働きを乱す主な原因は、日々の生活習慣に潜んでいます。
免疫力低下の最大の要因は「自律神経の乱れ」
自律神経、睡眠不足、ストレス
免疫システムの働きを正常に保つために重要な役割を担っているのが自律神経です。自律神経は、交感神経(活動・緊張)と副交感神経(休息・リラックス)のバランスで成り立っていますが、このバランスが崩れると免疫機能も低下します。
- ストレス: 人間関係、仕事、環境の変化だけでなく、子どもの場合は学校での制限や生活の変化なども大きなストレス源となります。ストレスは交感神経を過剰に刺激し、自律神経の乱れを引き起こします。
- 睡眠不足: カリフォルニア大学の研究では、6時間未満の睡眠時間の人は、7時間以上の人に比べて約4倍も風邪にかかりやすかったというデータも示されており、睡眠は免疫維持に不可欠です。
食生活の欧米化による「食物繊維」不足
厚生労働省のデータによると、日本人の食物繊維摂取量は、昔に比べて大幅に減少しています。若年層では特に不足が顕著であり、近年の報告では目標量(成人男性21g以上、女性18g以上)に対して大きく下回る約14g前後となっています[1]。
食物繊維の不足は、次の章で解説する腸内環境の悪化に直結し、免疫力の低下を招く大きな要因となります。
免疫力アップのカギを握る「腸」の科学
免疫力を高める上で、最も戦略的で効果的なアプローチは「腸内環境を整えること」です。その科学的根拠を深掘りします。
1. 腸は「最大の免疫器官」である
<専門家による考察>
腸は、食べ物を通じて外部から入ってくる物質が最初に接する場所であり、ウイルスや病原体が侵入するのを防ぐ重要なバリア機能を持っています。このため、人体の免疫細胞の約70%が腸に集中していると言われています。腸の状態が、全身の免疫力に直結すると言っても過言ではありません。
腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスで構成されています。特に善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)は、免疫細胞を活性化させる短鎖脂肪酸などを生成し、悪玉菌の増殖を防ぐことで腸内環境を良好に保ちます。
腸活の要:善玉菌を増やす「発酵食品」と特定の乳酸菌
腸内環境を整える「腸活」では、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂る(プレバイオティクス)ことと、善玉菌そのものを摂取する(プロバイオティクス)ことが重要です。
日本の伝統的な発酵食品である味噌、ぬか漬け、納豆、そして特定の米由来乳酸菌は、特に免疫細胞が集まる腸にアプローチする手段として注目されています。
例えば、昔から「飲む点滴」と言われる甘酒は、米麹由来のものにオリゴ糖が含まれており、ビフィズス菌などの善玉菌を増やす作用があることが示唆されています。これらは、日本の風土に根ざした植物性乳酸菌を摂取する良質な手段です。
【深掘り解説】研究が示唆する特定の米由来乳酸菌の可能性
特定の米由来乳酸菌(LK-117)は、神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究により、免疫システムの調整に有用性が示唆されています。
この乳酸菌は、日本酒の伝統製法「生酛(きもと)」から分離された植物性の乳酸菌で、以下のような働きが期待されています[2]。
- アレルギー症状緩和の示唆: アレルギー反応を引き起こすIgE抗体の過剰な産生を穏やかにする可能性が示唆されています。
- 免疫バランスの調整: アレルギー体質で起こりやすい、免疫細胞のバランス(Th1/Th2バランス)の乱れを、正常な状態に近づける方向に働く可能性が示唆されています。
牛乳や卵由来の乳酸菌を避けたい親御さんにとって、アレルゲンフリーである米由来の乳酸菌は、安心して子どもの日々のインナーケアに取り入れられる心強い存在と言えるでしょう。
Q&A:親御さんが抱える免疫と腸活の疑問
腸活を始めてから、効果が出るまでどのくらいの期間がかかりますか?
A. 腸内細菌のバランスは、食生活や体調の変化で比較的速く変わりますが、体質改善や免疫機能への影響を実感できるまでには個人差があります。一般的に、乳酸菌などの善玉菌を継続的に摂取した場合、数週間〜3ヶ月程度で腸内フローラの改善が期待できると言われています。まずは毎日続けることが重要です。
子どもが野菜嫌いで食物繊維が不足しがちです。どう補えば良いですか?
A. 野菜以外にも、食物繊維は穀物(大麦、雑穀)、きのこ類、海藻類、いも類などに豊富に含まれています。最も手軽なのは、具だくさんの味噌汁やスープです。きのこ類や海藻類は細かく刻めば子どもでも食べやすく、温めて摂ることで消化吸収率もアップします。また、ご飯に雑穀を混ぜたり、発酵食品である味噌や酒粕を積極的に使うのも効果的です。
免疫細胞の約70%が腸に集まっているのは本当ですか?
A. はい、本当です。腸は、外部から入る病原体と最初に接する器官であるため、体全体の免疫システムの核となっており、**免疫細胞の約70%**が腸管に集中して存在していることがわかっています。
米由来の乳酸菌は、ヨーグルトの乳酸菌とどう違うのですか?
A. ヨーグルトの乳酸菌は主に動物性(乳由来)ですが、米由来の乳酸菌は植物性です。植物性乳酸菌は、味噌や漬物などの過酷な環境で生き抜くため、一般的に胃酸や胆汁への耐性が強く、生きたまま腸まで届きやすいという特長が示唆されています。また、牛乳アレルギーの心配なく摂取できる点も大きな違いです。
まとめ|免疫力アップは「腸」から。日々の継続が大切
子どもの健康は、親御さんにとって最大の関心事です。免疫力を高めるための第一歩は、規則正しい生活とストレスケアに加え、免疫細胞が集まる「腸」を意識的に整えることです。
毎日の食事に、日本の伝統的な発酵食品や、科学的根拠が示唆されている特定の米由来乳酸菌を取り入れる「腸活」は、多忙な現代の親御さんにとって、手軽で有効なインナーケアと言えるでしょう。今日から少しずつ、お子様と一緒に、腸を元気にする習慣を始めてみませんか。
【重要なお知らせ】
※本記事は、一般的な健康情報を提供するものであり、特定の成分や商品の効能・効果を保証するものではありません。また、医師の診断・治療を代替するものではありません。
体質改善や病気の治療については、必ず医師や専門家にご相談の上、適切な指示を受けてください。
主な参考文献・情報源
- [1] 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書.
- [2] 神戸大学・兵庫県工業技術センター・菊正宗酒造株式会社 総合研究所 共同研究成果より(IgE抗体産生抑制作用、Th1/Th2バランス調整作用が示唆されています)。
- [3] 日本栄養・食糧学会誌. 発酵食品の機能性に関する研究.
- [4] 日本小児アレルギー学会. 食物アレルギー診療ガイドライン2016.
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