中国・武漢で発生した新型のコロナウイルスによる肺炎の感染拡大が日本で心配されています。中国政府の専門家チームは1月21日、中国・武漢に行ったことのない感染者が出たことで「ヒトからヒトへの感染」を発表しています。感染は、日本や米国を含む中国以外の5カ国へと広がり、現時点で少なくとも187人が死亡しています。
また、日本国内では2人目の感染者が確認されました。
新型ウイルスということもあり、現時点では不確定な部分が多く世間がざわついていますが、まずは自分でできる身体を守るための対策を始めましょう。
1月26日には、日本で4例目となる新型コロナウイルス感染者が確認されました。日本だけでなく世界各地で感染が確認され、感染者数も日を追うごとに増加し、中国国内の感染者が4,500人以上、亡くなったのは106人となっています。
ますます感染拡大している現状を踏まえて、安倍首相は、27日の衆議院予算委員会で、28日、新型コロナウイルスによる肺炎について「指定感染症」に指定すると表明しました。また2020年1月31日には、WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと判断し、緊急事態宣言を出しました。
※2020年1月30日、厚生労働省は日本国内で人から人への感染が確認された発表しました。中国本土での死者は170人、感染者は7,000人を超えています。
※2020年2月4日、中国本土での死者は425人、感染者は20,000人を超えています。
※2020年2月17日、厚生労働省が新型コロナウイルスに対する相談・受診の目安を発表しました。
新型コロナウイルスによる肺炎とは?
厚生労働省のHPではコロナウイルスについて以下のように記載されています。
※コロナウイルスとは
人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。
人に感染症を引き起こすものはこれまで6種類が知られているが、深刻な呼吸器疾患を引き起こすことがあるSARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)以外は、感染しても通常の風邪などの重度でない症状にとどまります。
コロナウイルスの中には、軽度の風邪に似た症状が出るものから、重度の症状が表れるものがあり、2003年に中国国内で流行したSARSや、2012年に中東で発生したMERSもコロナウイルスによるものです。
今回の新型のコロナウイルスが発見されたのは2019年12月で、まだ正式な名称などはありません。第一に新型コロナウイルスに感染したとされる患者の多くは、中国湖北省の広大な省都である武漢市内の海鮮市場の関係者で、肺炎・発熱・呼吸困難などの症状がみられています。
2003年に流行したSARSでは、775人が死亡、また、2012年に確認されたMERSでは、858人の死者が出ています。今回の新型コロナウイルスは、少なくとも現時点では致死率や重症度はSARSなどよりも低いと考えられていますが、SARSやMARSと違って潜伏期間でも感染する可能性があるため、感染拡大が懸念されています。
新型コロナウイルスの潜伏期間
中国政府の専門家チームによると、新型のコロナウイルスの潜伏期間について、現在の症例からみて平均で10日前後、短い場合は1日、長くて14日という見解をしています。症状につては、症状は発熱や空咳が中心で、3~5日後に息切れや、胸が苦しくなったりして、人によっては呼吸不全やショック症状を起すと説明しています。
1月21日の時点では、「ヒトからヒトへの感染」を発表しています。
新型コロナウイルスは、現時点では不確定な部分が多く、どれほど命に関わるものなのかも解明されていません。麻疹やインフルエンザよりは感染力は低いようですが、死者が出ているのは事実です。
日本で心配される感染拡大
中国では、1月24日から春節(旧正月)よる大型連休で、中国最大のオンライン旅行会社Ctripが発表した、今年の春節を旅行先で過ごす中国人に関する最新のトレンド予測によると、今年は延べ4億5000万人が旅行に出かけると予想され、海外旅行先ランキングのトップは日本となっています。
春節休みの期間に、中国から日本に来る観光客は約72万人と言われていて、新型コロナウイルスによる肺炎の日本での感染拡大が心配されています。
※中国の春節は1月25日で、大晦日にあたる1月24日から30日までの1週間が法定休暇となる。
空港での新型コロナウイルス感染対策
1月21日の成田空港では、すでに新型コロナウイルス肺炎が流行している中国・武漢からの便で、すでに多くの中国人が来日しているようです。
空港では、サーモグラフィーによる対策や、中国語や英語で咳や発熱などがある場合に申告を求めるポスターを掲示したりして利用者に注意喚起されていますが、完全に防ぐことは難しいでしょう。
また、 2003年にSARSが流行したとき、中国は感染者数を実際より少なくWHO(世界保健機関)に報告していたことから、同じように感染が拡大することが心配されています。20年前より、日本への中国人観光客が増えていることからも油断はできない状態です。
新型コロナウイルスに対する相談・受診の目安
※2020年2月17日 追記
厚生労働省は、軽症者でも人にうつしてしまうことが分かってきた新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、相談・受診の目安を以下のように発表しました。
そして、風邪の症状や37.5度以上の発熱が一般の人(子供も含む)は4日以上、高齢者や持病がある人(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)は2日以上、強いだるさや息苦しさ(呼吸困難)がある人はすぐに、全国に536か所ある帰国者・接触者相談センターに電話して相談します。
相談後に、指定された医療機関を受診します。医療機関(非公開)は全国663か所。
また、医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット、複数の医療機関を受診することは控えるようにしましょう。
この目安は、軽症者が病院に詰めかけ重症者への対応が遅れることを防ぐためにもなるので、冷静な判断ができるように確認しておきましょう。
自分で身体を守る対策を
日本では、1月末はインフルエンザの流行がピークの時期です。それも踏まえて、自分で身体を守る対策が必要です。
★手洗い・うがい・マスクで外側からの対策
ウイルスが侵入する経路を、感染経路と呼びます。感染経路は主に「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」のこの3つです。手洗い・うがいは感染予防の基本です。また、マスクは感染を予防するだけでなく、万が一自分が感染していた場合に、他の人への感染を防ぐことができます。
★免疫力を高める日常生活
免疫は、病気から私たちの体を守ってくれる防御システムです。体力や免疫力には個人差がありますが、疲労やストレスなどによって体力が低下し免疫力が弱まっていると感染しやすくなります。反対に、免疫力が高ければ、感染症にかかったとしても症状が軽く済むことがあります。免疫力を高めるためには、バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠など日常生活を整えておくことが大切です。
乳酸菌の継続摂取が免疫力に有効!?
近年、一部の乳酸菌による、免疫を活性化する作用に注目が集まり、感染症をはじめ様々な疾患に対する予防効果の研究・検討が各方面で進められ、機能性を強調する新商品が次々と開発されています。
菊正宗が発見した進化系乳酸菌LK-117には、マクロファージに作用しインターロイキン-12の産生を促進することにより免疫バランスを整える働きがあり、免疫バランスを整えることで、免疫が正常に働きアレルギー体質の改善や、インフルエンザの予防にも効果が期待されています。
免疫細胞のひとつであるマクロファージは、からだの中に侵入してきた異物を発見し消化すると同時に、外敵の存在を他の免疫細胞に伝える役割があります。
まとめ
今は、新型コロナウイルスによる感染症が注目されていますが、日本では季節を問わず様々な感染症が流行します。現在、アメリカでは、インフルエンザが猛威を振るい死者が1万人を超えたと報道されています。
今回の新型コロナウイルスのように、海外からいつ新たなウイルスによる感染症がやってくるかわかりません。日頃から身体を守るためにできる対策を心がけておきましょう。