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肘の内側のかゆみ:あせもに共通する「肌と腸の連鎖」と免疫学

    肘の内側のかゆみ:あせもに共通する「肌と腸の連鎖」と免疫学

    By 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム | 乳酸菌の美容と健康 | 0 comment |

    公開日: 2020年07月25日
    更新日: 2025年10月06日

    肘の内側に繰り返し現れるかゆみや湿疹は、お子さまを持つ親御さんにとって非常に切実な悩みです。汗が原因のあせもか、体質的なアトピー性皮膚炎なのか、その判断は難しく、対策が後手に回りがちです。しかし、これらの皮膚トラブルを根本から解決するためには、目に見える皮膚表面のケアだけでなく、体の内側、すなわち「腸内環境と免疫」との深い連鎖を理解することが不可欠です。

    本記事では、皮膚炎の病態生理学的な側面を深く考察し、皮膚バリア機能の破綻と腸管免疫のバランス異常がどのように連動しているのかを解説します。そして、最新の研究でその有用性が示唆されている米由来の乳酸菌が、この「肌と腸の連鎖」にどのように貢献するのか、専門家の視点からご紹介いたします。

    → アレルギー体質のカギ?米由来乳酸菌LK-117の秘密を深掘り

    治りにくい皮膚炎の病態:あせも・アトピーの連動メカニズム

    肘の内側は、構造上、皮膚が薄く、曲げ伸ばしによる摩擦や、汗の貯留が起こりやすいため、皮膚炎が多発する部位です。掻き壊しによってバリア機能が破綻すると、症状が慢性化し、特にアトピー性皮膚炎においては悪循環を引き起こします。

    皮膚バリア機能の破綻:乾燥と炎症の連鎖

    皮膚のバリア機能は、角質細胞がレンガのように並び、その間をセラミドなどの細胞間脂質がセメントのように埋めることで成り立っています。このバリアが破綻すると、以下の問題が生じます。

    1. 水分保持能力の低下(乾燥): セラミドや天然保湿因子(NMF)が減少し、肌の水分が蒸発しやすくなります。
    2. 外部刺激の侵入: 汗に含まれる塩分、ダニ、花粉、細菌などの刺激物質が容易に皮膚内部に侵入し、炎症を誘発します。

    あせも(紅色汗疹)による一時的な炎症も、このバリア機能の破綻を招き、アトピー性皮膚炎を持つお子さまの場合、わずかな汗の刺激でも激しいかゆみが発生しやすくなります。まさに「あせもがアトピーを悪化させる」連鎖構造です[1]。

    あせもの3つのタイプ

    あせもの3つのタイプ

    掻き壊しによる悪循環:細菌感染のリスク

    かゆみを我慢できずに掻き壊すと、皮膚の表面がさらに傷つき、バリア機能が完全に失われます。この傷口から黄色ブドウ球菌などの皮膚常在菌が侵入し、感染症(とびひ)や、さらなる炎症(二次感染)を引き起こすことで、治療を困難にし、アトピー性皮膚炎の難治化につながるとされています[2]。

    【深掘り解説】皮膚炎の根本対策:「腸脳皮膚相関」と発酵免疫学

    皮膚炎の治療において、ステロイド外用薬などの外からのケアは重要ですが、再発を繰り返さない体質づくりには、皮膚のコンディションを内側から支える「腸内環境」へのアプローチが不可欠です。

    「腸脳皮膚相関(Gut-Skin Axis)」:内臓と皮膚の密な対話

    「腸脳皮膚相関(Gut-Skin Axis)」とは、腸内の細菌叢が免疫系や神経系を介して、皮膚の状態に影響を与えるという、近年注目されている概念です。

    • 短鎖脂肪酸の役割: 腸内の善玉菌は、オリゴ糖や食物繊維を発酵させ、短鎖脂肪酸(特に酪酸)を産生します。この短鎖脂肪酸は、腸管のバリア機能を高めるだけでなく、血液に乗って全身の免疫細胞に作用し、過剰な炎症反応を抑制することが示唆されています[3]。
    • LPS(内毒素)の関与: 腸内環境が乱れると、悪玉菌由来のLPS(リポ多糖)が血液中に漏れ出しやすくなり、これが全身の炎症やアレルギー反応を増強する一因となる可能性が指摘されています。

    米由来の乳酸菌と「Th1/Th2バランス」の精密調節

    アレルギー体質の本質は、免疫細胞の一種であるヘルパーT細胞が、アレルギー反応を促進するTh2細胞優位に傾くことにあります。このバランスを是正し、抑制系免疫細胞やTh1細胞側へ誘導する機能を持つ成分が、体質改善の鍵となります。

    専門知見:特定の米由来乳酸菌研究で示唆される有用性

    「米や穀物などの植物由来の乳酸菌は、特定の機能を持つ株が発見されやすい環境です。神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究で有用性が示唆されている米由来の乳酸菌(例:LK-117乳酸菌)は、この免疫バランスを調節する機能、すなわちTh1誘導活性を持つ可能性が基礎研究で報告されています。」

    「この活性は、過剰なTh2反応によって引き起こされるアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状に対し、免疫システムの『過敏さ』を穏やかにするサポート役となる可能性を示しています。これは、単なる整腸作用に留まらない、発酵免疫学における非常に重要な知見と言えます。」

    したがって、肘のかゆみをはじめとする肌トラブルを繰り返す体質のお子さまには、腸内環境を整える「腸活」として、このような特定の免疫調節作用が期待される米由来の乳酸菌を、日常の食生活に意識的に取り入れることが、根本的な体質サポートに繋がる可能性が示唆されます。

    掻き壊しを防ぐ実践的ケア:外側と内側の両面戦略

    皮膚炎の改善は、外側(スキンケア)と内側(インナーケア)の両方から取り組む「両面戦略」が最も効果的です。

    スキンケアの徹底:清潔・冷却・高保湿

    • 清潔: 汗をかいたら放置せず、すぐにシャワーなどで洗い流すか、優しく押さえるように拭き取ります。石鹸は低刺激性のものを十分に泡立てて使い、洗いすぎないよう注意します。
    • 冷却: かゆみが出たら、掻く前に保冷剤などをタオルに包んで患部を冷やします。これにより、かゆみ神経の興奮を一時的に鎮め、掻き壊し悪循環を断つことができます。
    • 高保湿: 入浴後5分以内のゴールデンタイムに、セラミドなどの成分を補給できる低刺激の保湿剤をたっぷりと塗布し、皮膚バリア機能を人工的にサポートします。

    内側からの体質サポート:米由来乳酸菌を食生活に

    アレルギー体質を持つお子さまには、毎日の食事から腸内環境を整える「腸活」が重要です。米麹や酒粕といった日本の伝統的な発酵食品は、もともと米由来の乳酸菌が棲みつきやすい環境です。

    ヨーグルトやチーズなどの動物性乳酸菌だけでなく、米を培地としてその有用性が発見された乳酸菌を意識的に選ぶことで、より日本人の体質や食文化に合った形で、アレルギーや整腸作用への有用性が示唆されている成分を取り入れることができます。日常の健康習慣として、米由来の乳酸菌を意識した食品の選択を検討されてはいかがでしょうか。

    Q&A:親御さんが抱える皮膚トラブルの疑問

    Q1. あせもが長引いて赤みが引かない場合、自宅で様子を見ていいですか?

    A. 通常のあせもは数日で治まりますが、長引く赤みは炎症が深く進行しているか、掻き壊しによる二次感染、あるいはアトピー性皮膚炎の悪化が考えられます。特に赤みが強い、膿が出ている、発熱を伴う場合は、市販薬では対応できないことが多いため、速やかに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けてください。

    Q2. 肘の内側のかゆみを予防するために、スキンケア以外で最も重要な対策は何ですか?

    A. スキンケア(清潔・保湿)が基本ですが、肌トラブルを繰り返さないための最も重要な対策は、内側からの体質サポートです。すなわち、腸内環境を整え、免疫のバランスを正常に保つ「腸活」です。腸管免疫のバランスが安定することで、皮膚の過敏な反応が穏やかになる可能性が示唆されています。

    Q3. 「米由来の乳酸菌」は、アトピーだけでなく花粉症にも有用性が期待されていますか?

    A. はい。アトピーと花粉症はいずれも免疫バランスの乱れが関わるアレルギー疾患です。神戸大学などで行われた研究でその有用性が示唆されている米由来の乳酸菌は、免疫バランスを正常化する(Th1側へ誘導する)働きが期待されているため、花粉症やその他のアレルギー症状への有用性も示唆されています。食品として継続的に摂取することで、体質改善のサポートとなる可能性が期待されます。

    Q4. 子どもが肘の内側を掻き壊してしまいました。家庭でできる対処法は?

    A. 掻き壊しは細菌感染のリスクを高めるため、まず患部を清潔に保ち、清潔なタオルなどで冷やしてかゆみを抑えます。冷やすことで、かゆみの神経伝達を鈍らせ、掻き壊しの悪循環を断つことができます。傷が深い場合や浸出液が出ている場合は、すぐに皮膚科を受診してください。

    まとめ:皮膚のトラブルは「腸管免疫」から整える時代へ

    肘の内側のかゆみや皮膚炎を繰り返す構造は、皮膚バリアの低下と腸管免疫の乱れが深く関わる複雑な問題です。外からの丁寧なスキンケアに加え、米由来の乳酸菌のような科学的知見に基づいた成分を内側から取り入れることは、アレルギー体質の根本的な改善を目指す、現代の親御さんにとって非常に重要な戦略です。

    参考文献

    • [1] 汗疹. 診断の参考項目 | 厚生労働省
    • [2] ひふ研 あせも | 第一三共ヘルスケア
    • [3] 腸内細菌と皮膚疾患に関する最新の知見(短鎖脂肪酸と免疫調整作用に関する論文より)

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