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乳酸菌を子どもが飲み過ぎ?副作用・下痢は安全?【専門家監修】

    乳酸菌をとりすぎるとどうなる?

    乳酸菌を子どもが飲み過ぎ?副作用・下痢は安全?【専門家監修】

    By 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム | 乳酸菌研究 | 0 comment |

    公開日: 2019年09月30日
    更新日: 2026年02月02日

    「子どもが乳酸菌飲料を何本も飲んでしまった」「毎日あげているけれど、摂りすぎで体に悪影響はない?」
    良かれと思って取り入れている乳酸菌も、いざ「飲み過ぎ」の状態になると、下痢や腹痛が起きないか不安になりますよね。
    結論から言うと、乳酸菌は基本的に安全ですが、子どもの未熟な腸においては「量」と「糖分」の重なりが一時的な不調を招くことがあります。
    ・どれくらい飲ませても大丈夫?
    ・何日続いたら体調不良?
    ・もし下痢・腹痛が出たらどう判断すべき?

    本記事では、専門研究チームの知見をもとに、子どもが乳酸菌を摂りすぎた際の即断基準と、親ができる正しい対処法を解説します。

    菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム

    【記事の監修者】
    菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

    江戸時代から続く酒造りの発酵技術を基盤に、乳酸菌・腸内環境・免疫応答に関する基礎研究を行う研究チーム。神戸大学との共同研究や、日本生物工学会での研究発表実績を有し、科学的エビデンスに基づいた情報を発信しています。

    ※本記事は食品としての乳酸菌の役割を解説するものであり、個別の症状については医療機関へご相談ください。

    研究成果一覧(学会発表等)


    不安を感じる親

    「乳酸菌って体にいいはずだけど、飲み過ぎて逆に腸が弱くなったりしない?」
    「お腹がゆるくなったのは、乳酸菌のせい?」

    そんな不安を整理するために、まずは「摂りすぎ」で起こりうるサインを確認しましょう。

    結論から言うと、乳酸菌そのものが原因で重い副作用が起こることは、一般的にはほとんどありません。
    ただし、摂取量や食品の種類によっては、一時的にお腹の不調などが起こることがあります。

    本記事では、乳酸菌研究の知見をもとに、
    「どんな症状が起こりうるのか」「心配しなくていいケース・注意すべきケース」
    を整理して解説します。

    「副作用」とは何か? — 乳酸菌の場合の考え方

    多くの人が「副作用」という言葉を聞くと、薬を思い浮かべるかもしれません。
    医療の現場では「ある目的の効果とは別に、意図しない悪影響が出ること」を
    副作用と呼びます。一方で、乳酸菌は多くの場合「食品」です。

    そのため、乳酸菌の摂取による体の変化は、医学的に定義された「副作用」と
    言えるほどの薬理作用ではありません。しかし、日常的に起こる不快な反応を
    「副作用」と感じる人が多いため、本記事では
    「乳酸菌摂取によって体調が乱れる反応=一般的な意味での副作用的な反応」
    として、読者の視点で整理して解説します。

    本章以降では、医薬品の副作用と区別しながら、乳酸菌摂取に関連する
    症状や考え方を丁寧に説明していきます。

    引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24405164/

    乳酸菌そのもの vs 乳酸菌を含む食品の影響

    乳酸菌そのもの(菌体)は腸内で定着せず、基本的に毒性や慢性的な副作用を引き起こすものではありません。一方で、乳酸菌を含む食品には乳糖や糖分、塩分、脂肪などが含まれており、これらが過剰に摂取されると、消化器症状や体調不良に繋がる可能性があります。

    例えば、加糖されたヨーグルトや乳酸菌飲料を多量に摂ることで、糖質の過剰摂取による腹部不快感や下痢が起こる場合があります。このようなケースは「乳酸菌自体の作用」とは異なる食品成分側の影響と捉えるべきです。

    子どもが乳酸菌を「飲み過ぎる」とどうなる?

    乳酸菌自体に毒性はなく、深刻な中毒症状を引き起こすことは考えにくいですが、以下のような一時的な消化器症状が現れることがあります。

    • 下痢・軟便: 善玉菌が急増することで腸のぜん動運動が活発になりすぎたり、水分が腸に引き寄せられたりして便が緩くなることがあります。
    • 腹部不快感(お腹の張り): 菌が腸内で発酵を進める過程でガスが発生し、お腹がゴロゴロしたり張ったりすることがあります。

    見落としがちな「糖分」による影響

    乳酸菌飲料を飲み過ぎた際の下痢は、菌そのものよりも「糖分の過剰摂取」が原因であるケースが多々あります。

    乳酸菌飲料に含まれる多量の砂糖や糖分を一度に摂ると、腸内の浸透圧が高まり、水分が腸内に溢れ出すことで「浸透圧性下痢」を引き起こしやすくなります。特に子どもは消化能力が未発達なため、この影響を強く受けます。

    なぜ子どもは影響を受けやすいのか

    なぜ子どもは影響を受けやすいのか

    1. 腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)が未完成

    腸内フローラの原型は3歳までに作られると言われています。この時期の腸内環境は非常にデリケートで、外部から入ってくる菌や糖分に対して過敏に反応しやすく、急な多量摂取が刺激となってしまいます。

    2. 摂取の「重なり」によるリスク

    朝食にヨーグルト、おやつに乳酸菌飲料、さらにサプリメント……といった「乳酸菌の重複」は、同時に「糖分の累積」も招きます。親御さんが意識している以上に、子どもの小さな体には負担がかかっている場合があります。

    どの状態になったら「飲み過ぎ」と判断する?(即断基準)

    以下の症状が見られたら、一旦摂取を控え、状況を観察してください。

    • 下痢や軟便が2〜3日以上続いている
    • 乳酸菌飲料は1日2本以上を継続して飲んでいる
    • 発熱・嘔吐を伴う
    • 1日に何度も甘い乳酸菌飲料を欲しがる(糖分過多の懸念)
    • ぐったりして水分が取れない

    特に下痢との関係については、
    ▶ 乳酸菌で下痢になる原因と対処法

    「大人にとっての1本」と「子どもにとっての1本」は違う

    市販の乳酸菌飲料は、基本的に大人(体重50〜60kg程度)が飲むことを想定して「1本」のサイズが決められていることが多いです。これを体重10〜15kgの幼児が飲むとどうなるでしょうか。

    体重あたりの摂取量で換算すると、大人が一度に3〜4本飲むのと同じ負担がかかっている計算になります。
    これは乳酸菌の数だけでなく、そこに含まれる糖分や冷たい水分も同様です。

    【体重比の考え方】
    大人が100ml飲むのと、子どもが100ml飲むのでは、体へのインパクトが全く異なります。
    「1日1本までなら良い」と本数で管理するのではなく、「この子の体重なら、大人の半分(または3分の1)が適量かもしれない」という視点を持つことが、飲み過ぎを防ぐ最も有効な手段です。

    知っておきたい「乳酸菌飲料」の糖分量

    健康を気遣うつもりが、思わぬところで糖分過多になっては本末転倒です。飲料に含まれる糖分量を計算する習慣を持ちましょう。

    砂糖の計算式:
    「全体量」÷「単位量」×「炭水化物の量」=全体の砂糖の量

    例:100g当たり炭水化物11.3g入っている400gの加糖ヨーグルトの場合、45.2g(スティックシュガー約15本分)もの糖分を摂取することになります。

    症状が出たときの正しい対処法

    1. 一時的に摂取を中止: 原因と思われる飲料や食品を止め、腸を休ませます。
    2. 水分補給は「甘くないもの」で: 下痢のときは水分が必要ですが、乳酸菌飲料ではなく、湯冷ましや麦茶を選びましょう。
    3. 再開は少量ずつ: 便の状態が戻ったら、以前より量を減らして再開します。

    「生きた菌」の刺激と「殺菌乳酸菌」の使い分け

    「生きたまま腸に届く」というフレーズは魅力的ですが、活発に活動する生菌(プロバイオティクス)は、酸を作り出したりガスを発生させたりするため、敏感な子どもの腸には刺激が強すぎることがあります。

    その一方で、近年注目されているのが「加熱殺菌済みの乳酸菌(死菌)」です。
    死菌は腸内で発酵活動を行わないため、ガスによるお腹の張りや、急激な酸の変化を起こしにくいという特性があります。しかし、菌体の成分そのものが腸のスイッチ(免疫センサー)を押す役割を果たすことは研究で分かっています。

    • 生きた菌: 腸内環境が安定している時に取り入れるのがおすすめ。
    • 殺菌乳酸菌: お腹がデリケートな時期や、初めて乳酸菌を試す際の「導入」として調整しやすい。

    どちらが優れているかではなく、お子さまの腸の強さや体調に合わせて使い分ける視点が、無理のない継続のコツです。

    研究視点から見た「適切な乳酸菌との付き合い方」

    乳酸菌は「量」よりも「毎日続けること」が大切です。一度に大量に摂っても、定着せずに排出されてしまいます。
    私たちの研究においても、大切なのはお子さまの体質に合った菌を、無理のない量で継続し、腸内環境を穏やかに整えていくことだと考えています。

    子どもの乳酸菌摂取や腸内環境、免疫との関係については、菊正宗酒造乳酸菌研究開発チームによる研究背景ページで詳しく解説しています。


    乳酸菌研究とLK-117乳酸菌の基礎はこちら

    乳酸菌の安全性は高いものの、正しい知識を持つことが安心につながります。 効果・選び方・定着性まで含めて理解したい方は、
    ▶ 乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド
    も参考にしてください。

    日常的に摂取する場合の安全性については、
    ▶ 乳酸菌を毎日摂っても大丈夫?

    まとめ:「飲み過ぎ」の正体を知れば、怖くない

    「乳酸菌を飲み過ぎてしまった」と焦る時、その本質的な原因は乳酸菌そのものの害ではなく、「小さな体に対して、量や糖分、あるいは菌の活性がキャパシティを超えていた」という点にあります。

    親御さんが持つべき判断基準は、以下の3点に集約されます。

    1. 量の相対性: 「1本」ではなく、子どもの体重に合わせた量に調整する。
    2. 成分の確認: 菌だけでなく、糖分や添加物の影響を考慮する。
    3. サインの観察: 下痢やガスは「今は休むべき」「量を減らすべき」という体からの明確なメッセージと捉える。

    乳酸菌は、正しく付き合えば子どもの成長を支える心強いパートナーになります。一度下痢になったからといって完全に遠ざける必要はありません。
    「この子にはこの量、この種類が合っているかな?」と、実験するような気持ちで、焦らずゆっくりと、お子さまにぴったりのペースを見つけてあげてください。

    乳酸菌を安全に続けるために関連記事も参考にしてください:

    • 乳酸菌は毎日摂っても大丈夫?安全性の話
    • 乳酸菌で下痢になる理由と対処法

    FAQ

    子どもに乳酸菌を毎日与えても大丈夫?
    基本的には大丈夫です。むしろ毎日継続して腸内に乳酸菌がいる状態を保つことで、善玉菌が増えやすい環境が整います。ただし、飲料の場合は糖分の摂りすぎに注意し、食事とのバランスを考慮しましょう。
    下痢が出た場合はすぐにやめるべき?
    はい、一旦中止して様子を見ましょう。特に糖分による浸透圧の影響であれば、摂取をやめることで1〜2日で改善することが多いです。
    病院に行く目安は?
    摂取を止めても下痢が止まらない、発熱や嘔吐を伴う、ぐったりして水分が摂れないといった場合は、乳酸菌の影響ではなく感染症等の可能性があるため、速やかに小児科を受診してください。
    乳酸菌は何歳から意識すべき?
    腸内フローラの原型が作られる3歳までの時期は特に重要です。離乳食から少しずつ、自然な形で発酵食品などを取り入れるのが理想的です。

    まとめ

    乳酸菌は子どもの健康をサポートする強い味方ですが、「たくさん飲めば良い」というわけではありません。特に乳酸菌飲料は糖分も多いため、適切な量を毎日コツコツ続けることが、将来の健やかな腸内環境づくりに繋がります。

    【外部エビデンス】
    腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
    食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
    マクロファージ様細胞株を用いた免疫調節作用の高い生もと乳酸菌の選抜 | 菊正宗 総研 日本生物工学会大会講演要旨集
    研究結果 | 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム
    乳酸菌の基礎知識 | 一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会
    とりすぎ, 乳酸菌, 副作用, 腸内環境

    菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

    本記事は菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チームによる監修のもと執筆しています。チームは長年の乳酸菌に関する基礎研究・学会発表を通じ、腸内環境・免疫応答・乳酸菌の働きに関する知見を蓄積しています。詳しい研究成果は 研究成果ページ をご覧ください。

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