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【専門解説】乳酸菌は「数」より「種類と相性」腸内環境の新常識

    ヨーグルトに含まれている乳酸菌の数や効果について

    【専門解説】乳酸菌は「数」より「種類と相性」腸内環境の新常識

    By 菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム | 乳酸菌研究 | 0 comment |

    公開日: 2020年08月25日
    更新日: 2025年10月10日

    スーパーの店頭には「〇〇億個配合!」と、乳酸菌の数が強調された商品があふれています。「数が多ければ効果も大きい」というイメージがありますが、実際には乳酸菌の健康効果は、その「数」だけでは決まりません。大切なのは、あなたの体や腸内環境との「相性」であり、そしてそれを「継続」することです。

    本記事では、乳酸菌が持つ健康効果を最大限に引き出すために、ヨーグルトやサプリメントに含まれる乳酸菌の数の実態を専門的に解説します。さらに、数よりも重要とされる菌の種類と相性の原則、そして日本人の体質に寄り添った乳酸菌のインナーケアとしての可能性について、科学的知見を交えて深く掘り下げていきます。

    → 日本人の食生活と相性の良い「米由来乳酸菌」の研究に関する詳細はこちら

    乳酸菌の「数」の基準とは?ヨーグルトとサプリの実態

    私たちが日常的に摂取する食品やサプリメントには、どの程度の乳酸菌が含まれているのでしょうか。まずは、公的な基準と、製品ごとの含有量を比較することで、乳酸菌の数の実態を明確にします。

    ヨーグルトに義務付けられた乳酸菌数の最低基準

    日本国内で製造・販売されるヨーグルトは、厚生労働省が定める「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」において、「発酵乳」として位置づけられています。この省令により、発酵乳は以下の最低基準を満たすことが義務付けられています。

    乳等省令では、発酵乳について「乳酸菌数又は酵母数を1ml当たり1000 万以上」と定めている。

    引用元:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令における発酵乳の規格基準等の見直しについて

    すなわち、ヨーグルト1mlあたり最低でも1,000万個以上の乳酸菌がいることが保証されています。これは、一般的なサイズのヨーグルト(100g)に換算すると、約10億個以上の乳酸菌が含まれる計算になります(※)。

    ※ヨーグルトの比重を約1.05と仮定した場合の概算。

    効率を追求するなら乳酸菌サプリメントの選択肢

    ヨーグルトは手軽な食品ですが、より高濃度の乳酸菌を効率よく摂取したい場合、乳酸菌サプリメントが選択肢となります。サプリメントに含まれる乳酸菌数は製品によって大きく異なりますが、少ないものでも20億個、多いものになると1兆個以上という、桁違いの数を凝縮しているものもあります。

    例えば、100億個の乳酸菌を摂取したい場合、ヨーグルト(100gに約10億個として)では約1kgもの量を食べる必要がありますが、サプリメントであれば、1日数粒で手軽に摂取が可能です。多量摂取によるカロリーや脂肪分の過剰摂取を避けたい方にとって、サプリメントは非常に効率的な手段と言えます。

    【専門性の高い考察】「数」の多さより重要な「種類」と「相性」

    乳酸菌の摂取において、消費者が最も陥りやすい誤解が「数=効果」という認識です。腸内環境の改善を目指す上で、数の多さよりも遥かに重要となるのが、菌の「種類」と「相性」、そして「継続性」です。

    腸内に定着しない乳酸菌の「通過型」の役割

    体外から摂取した乳酸菌のほとんどは、私たちの腸内に永続的に定着することなく、摂取後約1週間程度で便として排出されてしまいます。これは「通過型」と呼ばれ、乳酸菌の特性として認識されています。

    通過型乳酸菌の働き

    しかし、この「通過する」過程こそが重要です。乳酸菌は腸管を通過する際に、腸内の免疫細胞に働きかけたり、腸内の善玉菌であるビフィズス菌などを活性化させるための代謝産物(短鎖脂肪酸など)を作り出すことで、腸内環境に良い影響を与えます。そのため、乳酸菌の「数」を多く摂取することより、常に乳酸菌が腸で働き続けている状態を「継続」することが、効果を期待するために最も重要だと考えられています。

    腸内細菌と乳酸菌の「相性の原則」

    ヒトの腸内には、100兆個以上の多様な腸内細菌(腸内フローラ)が棲んでおり、その構成は人それぞれ異なります。まるで人間に個性があるように、乳酸菌にもそれぞれ異なる特性があります。

    どの乳酸菌が腸内環境に良い影響を与えるかは、その人の腸内にもともと棲んでいる細菌(常在菌)の種類や数との「相性」によって大きく左右されます。ある人には非常に効果的だった乳酸菌が、別の人には全く効果がない、ということも珍しくありません。これは、「効果がない=乳酸菌の数が足りない」のではなく、「相性が合っていない」可能性が高いのです。

    💡 専門家による推奨:

    管理栄養士や腸内細菌学の専門家は、「乳酸菌の効果は、2〜3週間の継続摂取で確認し、効果が感じられない場合は、数を増やすより他の種類の乳酸菌を試す方が賢明」と指摘しています。

    【注目の菌種】日本人の食生活に根ざした「米由来乳酸菌」の可能性

    乳酸菌はヨーグルトなどの乳製品から分離されることが多いですが、日本は古くから味噌、醤油、漬物、日本酒といった米を原料とする発酵食品文化が発達してきました。私たちの体、特に腸内フローラは、長年の食生活に適応するよう進化しています。

    近年、日本の伝統的な醸造技術、例えば日本酒の「生酛(きもと)造り」から発見された米由来の特定の乳酸菌(LK-117)の研究が進んでいます。この特定の菌種は、乳製品が苦手な方でも摂りやすく、日本人の体質や食生活との親和性が高い点が注目されています。

    💡 LK-117乳酸菌の示唆される有用性(神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究より)

    • 免疫バランスのサポート: アトピーや花粉症など、アレルギー症状に関連するとされる免疫バランスの調整に寄与する可能性が示唆されています。
    • 整腸作用: 腸内環境を整える働きがあり、日常的なお通じの悩みをサポートする可能性が示されています。

    「数」にこだわるのではなく、「自分と相性が良いか」「体質に合っているか」という視点で、古来より日本人が食べてきた米由来の発酵文化に根ざした乳酸菌を選び、継続して摂取することが、真のインナーケアの新常識と言えるでしょう。

    → アレルギー体質のカギを握る免疫バランスと、米由来乳酸菌の研究に関する詳細はこちら

    Q&A:乳酸菌摂取の疑問と注意点

    乳酸菌摂取に関して、読者が検索しそうな具体的な質問にお答えします。

    乳酸菌を摂りすぎると、腹痛や下痢などの副作用はありますか?

    A. 乳酸菌自体は、私たちの腸内にもともと棲んでいる菌であり、基本的に副作用の心配はほとんどありません。しかし、一度に大量に摂取したり、急激に摂取量を増やしたりすると、腸内フローラの急激な変化により、一時的に腹痛やお腹がゆるくなる(下痢)などの症状が出る場合があります。これは好転反応ではなく、腸が働きすぎている状態であるため、その際は摂取量を調整しましょう。サプリメントの場合は、記載されている1日あたりの目安量を守ることが大切です。

    ヨーグルトや乳酸菌サプリメントの摂取に最適な時間帯はありますか?

    A. 厳密に「この時間帯が良い」という科学的な根拠は確立されていませんが、一般的には、胃酸の影響が少なく、長く腸内に留まりやすい「食後」に摂取することが推奨されています。特に夕食後や寝る前の摂取は、腸の活動が活発になる時間帯と重なるため、より効果的であるという説もあります。重要なのは、毎日継続して摂取しやすい時間帯を決めることです。

    自家製ヨーグルトは市販ヨーグルトより乳酸菌の数が多いですか?

    A. 自家製ヨーグルトも、適切な温度管理(40〜45℃で6〜12時間程度)を行えば、市販ヨーグルトと同等、あるいはそれ以上の乳酸菌数($10^8$〜$10^9$ CFU/g)に達する可能性があります。しかし、市販ヨーグルトは厳選された菌株を用い、厳格な品質管理のもとで安定した乳酸菌数と品質を保証されています。自家製は衛生管理や培養条件により、菌数や品質にばらつきが生じやすい点に注意が必要です。

    ヨーグルトの食べ過ぎに注意すべき点は何ですか?

    A. ヨーグルトは良質な栄養源ですが、食べ過ぎると注意が必要です。ヨーグルトは乳製品であるため、動物性タンパク質や脂肪分を含んでいます。過剰摂取は、腸への負担増加や、脂肪・カロリーの摂りすぎにつながる可能性があります。特に加糖タイプのヨーグルトは糖質過多になりやすいため、健康のためには、特定の食品に頼りすぎず、栄養バランスの取れた食事を心がけることが最も大切です。

    まとめ:賢いインナーケアで、体質改善の土台を築く

    乳酸菌の真の価値は、「億」という数の多さではなく、あなたの体との「相性」と「継続性」にあります。現代のインナーケアの新常識は、闇雲に多くの菌を摂ることではなく、科学的根拠に基づき、自分の体質や食文化に寄り添った質の高い菌種を選び、毎日の習慣にすることです。

    ヨーグルト、サプリメント、そして日本の伝統から生まれた特定の乳酸菌など、多様な選択肢の中から、ご自身のライフスタイルに合った「相性の良い乳酸菌」を見つけ、毎日コツコツと継続して摂取することで、体の内側から健やかな土台を築いていきましょう。

    主な参考文献・情報源

    • [1] 厚生労働省. 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)
    • [2] 堀内 啓史, 他. ヨーグルトの歴史、製造方法および生理機能研究の概説. 生物工学, 2021; 99(2): 74-78.
    • [3] 日本乳業協会. 乳の知識と情報.
    • [4] 特定の乳酸菌(LK-117)に関する神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究データ.

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    菊正宗酒造乳酸菌研究開発チーム

    菊正宗では、江戸時代から続く日本酒造りの技術を活かした乳酸菌研究に取り組んでいます。菊正宗酒造乳酸菌研究開発チームは、食品機能研究者やサプリメントアドバイザーなど、様々な分野のプロフェッショナルが集結し、乳酸菌や乳酸菌の代謝物が人々の心と身体の健康にどのような良い効果があるかを日々研究しています。 → 研究成果はこちら

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