毎年、春が近づくと発表される花粉の飛散量予測。
東北から近畿、九州地方までの広い範囲で例年を上回る見込みだと聞いても、ぶっちゃけよくわからないですよね。
そもそも、花粉の飛散量と花粉症の症状にはどのような関係があるのでしょうか?
花粉症の症状について
花粉症は、体内に侵入した花粉を異物と認識し、免疫細胞がこの異物(抗原)に対する抗体をつくり、再び侵入した花粉を排除しようとする免疫反応です。
免疫反応は、正常な状態だと身体にとって良い反応ですが、花粉症は免疫が過剰に反応(免疫異常)することで起こってしまいます。
花粉症の症状としては、 くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻の症状、 かゆみ・涙・目やに・結膜の腫れなどの目の症状、その他に、喉のイガイガ、頭痛、皮膚のかゆみ、イライラ、不眠なども見られます。
花粉症を発症する人としない人がいるのはどうして?
体内に花粉が侵入し異物と認識されると、その花粉に対応するための抗体が作らます。数年から数十年花粉を浴びることで、やがて抗体が十分な量になると、再び花粉が身体の中に侵入してきたときに花粉症を発症します。
最近では、飛散する花粉量が増加傾向にあるため、抗体が十分な量になるまでの期間が短く、小さな子供でも花粉症を発症するようなっています。
近年、全国を対象とした疫学調査が行われましたが、調査の結果、15歳以下の小児の花粉症が年々増加していることもわかりました。
厚生労働省の資料によると、日本でのスギ花粉症の有病率は約3割にもなっており、特に30~50代に多いと言われています。
花粉症を発症する、しない、または発症するまでの期間には個人差があります。
花粉症は、本人や家族に何らかのアレルギーの素因を持っている人(抗体をつくりやすい体質の人)に発症しやすいと考えられていましたが、ここ10年間で有病率が約10%も増加していることから、環境的要因など影響もあると考えられています。
花粉症患者の増加の原因と考えられているもの
- 花粉の飛散量の増加
- 母乳から人工ミルクへの切り替え
- 食生活の変化
- 腸内細菌の変化
- 衛生環境による感染症の減少
- 大気汚染
- 喫煙習慣
花粉の飛散量が増えると症状は悪化するの?
花粉の飛散量が2倍になったからといって、症状が2倍ひどくなるわけではありませんが、花粉の飛散量が多いほど花粉症の症状が悪化する傾向があります。
しかし、花粉の飛散量に関係なく症状が悪化する人もいます。それには、花粉症を悪化させる原因が花粉の飛散量以外にも、生活環境や生活習慣などが大きく影響しています。
花粉症患者の増加の原因と考えられているもの
- 空気中の汚染物質
- ストレス
- 食生活の欧米化
- 喫煙習慣
- 黄砂やPM2.5
- 腸内環境の悪化
花粉の飛散量が多くなると、花粉症を発症しやすくなるのは確かです。花粉症の発症を遅らせたり症状を緩和するためには、花粉の予測や花粉情報を有効に使い花粉を避けことが大切です。
それと並行して毎日の生活習慣の改善も必要です。
【花粉予報】花粉の飛散量と飛散時期
花粉の飛散する時期は、花粉の種類によっても様々で、代表的なスギやヒノキは春が中心で、秋にも少しですが飛散しています。
また、春から初秋にかけての長い期間飛散するのがイネ科の花粉です。その他、キク科のブタクサやアサ科のカナムグラなどは、夏の終わりから秋にかけて飛散します。
前年の気候から見る翌年の飛散量
スギ花粉の飛散量は前年の夏の気候に影響されます。スギは7~8月にかけて、雄花になる細胞が分化して成長するため、この時期に、気温が高く日射量が多い日が続き雨が少ないと雄花の成長が促され、翌年春の花粉量が多くなります。
スギ花粉は、寒くなる12月から休眠に入り、2月に入り気温が高くなると覚醒し花粉の飛散が始まります。
2022年の春の花粉飛散量は、例年比でみると九州や北陸、関東甲信越、東北では例年並み、四国、中国、近畿、東海では例年より少ないと予測されています。
東北は前年夏の気象条件から見ると多く飛散する条件に該当しますが、現地調査で各地の着花量に差が見られたため、地域で考えると例年並みとなるとの見込みです。
北海道については、2021年の夏は気温も高く、降水量も大幅に少なかったため、例年よりも非常に多い予測となっており、前シーズンでは症状が弱かった方も、万全な花粉症対策が必要になりそうです。
花粉の飛散量が多くなる日
花粉は、飛散が始まって7~10日後くらいから量が多くなってきます。
スギ花粉のピークは、福岡では2月下旬から3月上旬、広島・大阪では3月上旬、高松・名古屋では3月上旬から中旬、東京では3月上旬から4月上旬、金沢と仙台では3月中旬から下旬となっています。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始めます。
ヒノキ花粉のピークは、福岡では3月下旬から4月上旬、広島・大阪では4月上旬、高松・名古屋・東京では4月上旬から中旬で、金沢と仙台では4月を中心ヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他の地点と比べると少なくピークははっきりしないという予測です。
スギやヒノキ花粉の飛散量がピークになる時期は、気候にも影響され、次のような天気になると花粉が特に多くなります。
- 晴れていて気温が高い日
- 風が強く空気が乾燥している日
- 雨上がりの翌日
- 気温の高い日が2、3日続いたとき
また、花粉が多くなる時間帯はその日の気候や季節によって変わりますが、一般的には昼前後と日没後になります。
これは、気温が上がり午前中に飛び出した花粉が都市部に到達するのが数時間後になるためと、上空に舞い上がった花粉が日没後に落下してくるためと考えられています。
花粉症の予防には接触を避けるのが一番
花粉症予防で、一番重要なのは「花粉との接触を防ぐこと」です。
花粉の予測や花粉情報をチェックし、飛散量が多いときは外出するのを避けましょう。
今では外出に必須となっているマスクも、吸い込む花粉を減らし鼻の症状を軽くする効果があります。
また、メガネは使用していない時に比べて、目に入る花粉量が約40%も減少するそうです。
普通のメガネでも軽減できますが、今では、何と花粉を最大99%カットと謳う花粉対策用のメガネも販売されています。
家に帰ってきたら、花粉を持ち込まないように衣類や髪の毛の花粉を払ってから室内に入りましょう。
また、花粉が付着しやすいウール素材の衣服は避けた方が良いです。室内に入ってかは、すぐに手洗い・うがい・洗顔して花粉を流しましょう。
花粉症の症状緩和に進化系乳酸菌が有効!?
睡眠不足や偏った食事、運動不足、ストレスなどが原因で免疫力が低下すると、体に不調が起こりやすくなります。
花粉症は、免疫力が低下することで悪化してしまいます。花粉症の予防や症状の緩和のためにも生活習慣の見直しが必要です。
そんな免疫力の向上に大きく関わっているのが腸内環境。
腸は、免疫細胞の6割以上が集中しており、人の体の中でも最大の免疫器官と言われています。
そして、乳酸菌がもつ腸内環境を改善するプロバイオティクスが有効と考えられています。
菊正宗が発見した進化系乳酸菌LK-117には、乳酸菌のプロバイオティクスだけでなく、アレルギー体質に傾いた免疫バランスを整える免疫調整機能があります。
また、この免疫調整機能は全ての乳酸菌にあるわけではありません。進化系乳酸菌LK-117は、この免疫調整機能によって、花粉症などのアレルギー症状を緩和する働きが期待されています。
まとめ
花粉の飛散量と花粉症の症状の関係について書いてきました。
実際に花粉の飛散量が多いほど花粉症の症状が悪化する傾向があるのは確かですが、それだけでなく、様々な要因が影響し症状が悪化する場合もあります。
それを考えると、花粉の飛散量を変えることはできませんが、日常生活で花粉症を悪化させてしまう要因は自分の努力次第では減らすことができます。
毎年、花粉症に悩まされているという方は、生活習慣を見直してみたり、花粉症に有効とされるものを取り入れてみるのもいいかもしれませんね。