【結論】腸活というと「何を食べるか」に意識が向きがちですが、近年の研究では「食べない時間(絶食)」と、腸内細菌が利用できる炭水化物(MACs:Microbiota-Accessible Carbohydrates)の組み合わせが、腸内環境の再構築や腸管の抗体(IgA)産生に関わる可能性が示されています。プチ断食を実践する場合は、断食後の食事内容も含めて計画することが大切です。
検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所
「腸活は何を食べるかが全て」と思われがちですが、実は「食べない時間」の使い方も腸内環境に影響を与えることが分かってきています。読者の方から寄せられるご相談でも、「菌を摂っているのに変化を感じない」というお悩みの背景に、食事の間隔や内容の偏りが隠れているケースをしばしば見かけます。本記事では、絶食と腸内細菌のエサの関係について、最新の国内研究をもとに解説します。
絶食と「腸内細菌のエサ」を組み合わせる研究
2025年7月、北里大学と慶應義塾大学の共同研究チームは、絶食と腸内細菌が利用できる炭水化物(MACs)を組み合わせることで、腸内環境が比較的短時間で再構築され、腸管における抗体(IgA)の産生が増強される可能性を報告しました(北里大学・慶應義塾大学共同プレスリリース, 2025年7月9日)。IgA抗体は腸管の粘膜免疫の第一線を担っており、この研究は「菌を摂る」ことに加えて「エサの与え方・タイミング」という視点の重要性を示す知見といえます。
この研究はまだ基礎的な段階のものであり、「断食すれば誰でも腸内環境が良くなる」と単純化できるものではありません。あくまで「食事のリズムと腸内環境は関係がある」という一つの視点として理解することが重要です。
日常に取り入れる際の考え方
極端な断食は体調を崩すリスクがあるため推奨されません。無理のない範囲で「食事と食事の間隔を意識的に空ける」「空腹の時間帯を作った後は、食物繊維を含むプレバイオティクス食品をしっかり摂る」といった工夫から始めるのが現実的です。持病がある方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で断食を行わず、必ず医師に相談してください。
日々の発酵食品の取り入れ方や、乳酸菌を毎日続ける際の安全性については、以下も参考になります。
FAQ:よくある質問
- 断食をすれば腸内環境は必ず良くなりますか?
- いいえ。研究はまだ基礎的な段階であり、断食そのものが腸内環境の改善を保証するものではありません。断食後の食事内容(腸内細菌のエサとなる食物繊維等)との組み合わせが重要とされています。
- MACs(腸内細菌が利用できる炭水化物)とは何ですか?
- 食物繊維やオリゴ糖など、人の消化酵素では分解されにくいものの、腸内細菌のエサとなる炭水化物の総称です。野菜・海藻・豆類などに多く含まれます。
- プチ断食は誰でも安全に行えますか?
- いいえ。持病がある方、妊娠中・授乳中の方、成長期のお子さんなどは、自己判断で断食を行わず、必ず医師に相談してください。
- 断食中は乳酸菌を摂らない方がいいですか?
- 一律の決まりはありません。断食の方法や体調によって適切な対応は異なるため、迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。
- IgA抗体とは何ですか?
- 腸管などの粘膜に存在する抗体で、体内に侵入しようとする異物への防御の第一線を担うとされています。腸内環境との関連が研究されています。
まとめ
腸活は「何を食べるか」だけでなく、「いつ・どのように食べるか」という視点も重要になりつつあります。断食に興味がある方は、無理のない範囲で、腸内細菌のエサとなる食品との組み合わせを意識してみましょう。
乳酸菌全般の働き・選び方については、以下で詳しく説明しております。
▶ 乳酸菌・プロバイオティクス完全ガイド|効果・選び方・安全性
本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。持病のある方・体調に不安がある方は医師や専門家にご相談ください。









