乳酸菌の種類と働きについて
乳酸菌は、特定の種類の菌を指すのではなく、ブドウ糖や乳糖などの糖を発酵して大量の乳酸を作る細菌類の総称で、人や動物の体をはじめ、環境中の様々な場所に存在しており、一口に乳酸菌と言っても性質が異なる多くの種類が混在しているため、乳酸菌の種類によって健康に対する効果もさまざまです。
乳酸菌の種類は1万以上!?
乳酸菌は、現在わかっているものでも350種類以上あり、それぞれに名前が付けられて分類されています。
ちなみに、菊正宗の「進化系乳酸菌LK-117」の正式名称は「ラクトバチルス属・サケイ種・LK-117株」です。このように乳酸菌は、まず(属)に分け、次に(種)に分け、最後に(株)に分類されます。人間で例えると、株の部分が各個人の名前にあたります。
現在わかっている350種類というのは種にあたり、株まで分けて数えるとその数は1万種類以上にもなります。
代表的な乳酸菌の正式名称
- ヤクルト「乳酸菌シロタ株」・・・ラクトバチルス属・ガゼイ種・シロタ株
- 明治「R-1乳酸菌」・・・ラクトバチルス属・ブルガリクス種・OLL1073R-1株
- 明治「LG-21」・・・ラクトバチルス属・ガセリ種・OLL2716株
- メグミルク「ガセリ菌SP株」・・・ラクトバチルス属・ガセリ種・SBT2055株
- キリン「プラズマ乳酸菌」・・・ラクトコッカス属・ラクティス種・JCM5805株
- カルピス「L-92乳酸菌」・・・ラクトバチルス属・アシドフィルス種・L-92株
このように、実際に聞いたことのある乳酸菌は、全部同じではなくそれぞれ違った種類の乳酸菌なのです。乳酸菌の種類のよっては得意とする働きががあったり、人の腸内に棲んでいる腸内細菌との相性もあります。また、最近では、ほとんどの乳酸菌が持つ整腸作用などの働きだけでなく、特別な働きをすることが分かっている乳酸菌も発見されています。
菊正宗の「進化系乳酸菌LK-117」も、免疫調整作用などの特別な働きがあります。
乳酸菌が体に良いとされる理由
私たちの腸には、約100兆個の腸内細菌が棲んでいて、その種類は数百種類以上です。「100兆個」と言われてもピンときませんが、菌の総重量は1kgにも達します。そして、その菌の種類や数の組み合わせは千差万別で、一卵性双生児でも腸内細菌のバランスは異なります。
この腸内細菌には、体に良い働きをしてくれる「善玉菌」と、増えすぎると体に悪い影響をあたえる「悪玉菌」と、優勢な方に加勢する「日和見菌」がいます。腸は、悪玉菌が優位な状態になると、腸内の腐敗物質が増加し免疫力の低下や体に様々な不調をもたらします。
乳酸菌は、体に良い働きをしてくれる「善玉菌」の一種で、乳酸菌が作る乳酸によって腸内が酸性に保たれ、「悪玉菌」や体外から入ってきた病原菌やウィルスが棲みにくい環境を作ります。
また、乳酸菌がつくる乳酸は、消化や栄養分解を促したりと大腸を刺激してぜん動運動を活発にして排便を促してくれます。さらに、乳酸菌は酢酸のほかにも、様々な有効物質を作り出します。乳酸菌が作りだした物資は、総称して「乳酸菌生産物質」と呼ばれています。そのうちのひとつに、腸管を通じて皮膚の内部に到達して傷ついて弱った細胞に働きかけ、細胞分裂を促す働きをもつビタミンB群があります。
このように、乳酸菌は私たちの健康を守るために欠かせないものでもあるのです。
日本食に欠かせない乳酸菌
日本では昔から発酵食品が多く作られてきました。発酵食品とは、食材を微生物などの作用で発酵した食品のことです。
食材を発酵させることで、腐敗菌や雑菌を抑制し保存性の向上、発酵過程で生産される物質により栄養価の向上、発酵過程で独特の香りや旨味が発生し美味しくなるなどのメリットがうまれます。高温多湿の気候の日本では、この発酵を利用して様々な発酵食品が作られています。穀物や豆を発酵させた味噌・醤油・納豆・酒、魚を発酵させた塩辛・鰹節・寿司(なれ寿司)、野菜を発酵させた漬け物など、日本の伝統的な食品は発酵より生まれました。
これらの発酵食品の発酵過程には乳酸菌も関与していて、また発酵食品そのものにも乳酸菌が含まれています。このように、日本人の食生活と乳酸菌は大きく関係しています。もしかしたら、日本人の長寿の秘密は、乳酸菌のおかげかもしれませんね。
乳酸菌の種類による働きの違い
「体に良い」イメージのある乳酸菌。乳酸菌といえば、ヨーグルトや乳酸菌飲料のイメージが強く、乳酸菌には種類があり、中には他の乳酸菌にはない特別な働きをするものもあります。
ほとんどの乳酸菌が持つ主な働きとしては、
- 整腸作用
- 免疫力の向上
- 血圧低下
- 疲労回復
- 老化防止
などがありますが、これらの働きは、全て腸内環境を改善されることによるものです。
そして、最近注目されている限られた乳酸菌にしかない特別な働きには、
- インフルエンザ予防
- ピロリ菌抑制
- アレルギー症状の緩和
- 体脂肪を減らす
などがあります。そのため、特別な働きを期待して乳酸菌を摂取する場合は、摂取しようとしている乳酸菌にどのような働きがあるかを把握することが重要です。
乳酸菌との相性による働きの違い
私たちの腸に棲んでいる腸内細菌の数は約100兆個で、種類は数百種類以上。そのため、数の組み合わせは千差万別です。また、食生活や生活習慣の影響も受けやすく、腸内細菌のバランスも常に変化しています。そのため、腸と乳酸菌も相性があり、乳酸菌の種類によって効果が出やすい人もいれば、出にくい人もいます。
よく、日本人の腸には植物性乳酸菌のほうが相性が良いと言われていますが、これには日本人の食生活が関係しています。
乳酸菌は、棲む場所によって大きく「植物性乳酸菌」と「動物性乳酸菌」に分けられます。その名前からもわかるように、植物性乳酸菌は植物に生息する乳酸菌のことで、動物性乳酸菌は主に動物の乳などに含まれる乳酸菌を指します。
豆類・野菜・米・麦などの植物性の食品を発酵させた味噌・醤油・漬け物・酒などの発酵食品に含まれているのが植物性乳酸菌です。 植物性乳酸菌は、植物に含まれるブドウ糖や果糖、ショ糖などをエサとしています。特徴としては、栄養が少ないところや過酷な環境でも生き抜くことができるため強いといわれています。
一方の動物性乳酸菌は、動物の乳を発酵させたチーズ・ヨーグルトなどの発酵食品に含まれています。動物性乳酸菌は、動物の乳に含まれる乳糖をエサとしているため生息環境が限定されますが、その他、肉や魚だと、なれ寿司・塩辛・生ハム・アンチョビなどの発酵食品にも含まれます。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いは、乳酸菌を育てるエサが植物性か動物性かということです。つまり、乳酸菌そのものの性質には大きな違いはありません。しかし、昔からある日本食には植物性乳酸菌を含むものが多く、豆類・野菜・米を中心とした食事を続けてきた日本人だからこそ植物性乳酸菌のほうが相性がいいと考えられています。
日本人に適した米由来の進化系乳酸菌LK-117
菊正宗が発見した進化系乳酸菌LK-117は、江戸時代から360年以上も続く日本酒造りの中で生き残っていくために進化してきた乳酸菌です。そして、日本酒の原材料はお米。そのお米をエサにして育ってきた米由来の乳酸菌は、お米を主食としてきた日本人に最も適した乳酸菌であるといえます。
生菌と死菌による働きの違い
なんとなく良いイメージがある「生きて腸まで届く乳酸菌」。
生菌とは、生きた状態の乳酸菌のことです。実は、口から摂取した乳酸菌のほとんどは、熱や酸に弱く胃酸や胆汁酸などで死んでしまいます。そのため、生菌の状態のまま腸に届く乳酸菌の方がいいように思えます。
死菌とは、胃酸などで死滅した乳酸菌だけでなく、加熱殺菌処理された乳酸菌のことも指します。少し前までは、生菌でないと意味がないといわれていましたが、死滅した菌が腸内の善玉菌のエサとなり善玉菌の働きを助けることがわかっています。つまり、生菌と死菌はどちらも体に良い働きをしてくれるということです。
また菊正宗の進化系乳酸菌LK-117は、あえて加熱殺菌処理することで腸管の免疫細胞に認識されやすくなり効果を発揮することがわかっています。そのため、生菌と死菌にこだわるのではなく、乳酸菌そのもの特性を理解することが大切です。
まとめ
乳酸菌はたくさんの種類が存在してます。種類によっては働きに違いがあったり、自分の腸との相性にも違いがあるため、まずは乳酸菌そのものにどのような働きがあるのかをしっかりと確認することが重要です。