【結論】日本酒の伝統的な製法「生酛(きもと)づくり」は、蔵に自然に住み着いた乳酸菌の力を借りて雑菌の繁殖を防ぎながら発酵を進める技術です。乳酸菌が作り出す乳酸によって酒母(酛)が守られ、安全に日本酒が造られます。菊正宗が発見した米由来乳酸菌「LK-117」も、この360年以上続く生酛づくりの中から見出されたものです。本記事では、日本酒と乳酸菌の関係を、酒蔵の研究チームが分かりやすく解説します。
検証:菊正宗酒造 乳酸菌研究開発チーム
研究成果一覧(LK‑117等)
菊正宗酒造総合研究所
「日本酒と乳酸菌に関係があるって本当?」——実はこれ、単なる雑学ではありません。日本酒の伝統的な製法には、乳酸菌の働きが欠かせない重要な役割として組み込まれています。お酒に乳酸菌というと意外に思われるかもしれませんが、その関係を知ると、日本酒という飲み物への見方が変わるかもしれません。
生酛づくりと乳酸菌の関係
日本酒は、蒸した米・米麹・水を原料に、酵母の力でアルコール発酵させて造られます。しかしこの過程では、目的の酵母だけでなく、雑菌も繁殖しやすい環境になってしまいます。
そこで江戸時代から続く伝統製法「生酛(きもと)づくり」では、蔵に自然に住み着いた乳酸菌の力を活用します。乳酸菌が作り出す「乳酸」によって酒母(酛)の中が強い酸性に保たれ、雑菌の繁殖を防ぎながら、酸に強い酵母だけを安全に育てることができるのです。
つまり、生酛づくりは「乳酸菌の力を借りて、酵母を守り育てる」という、微生物同士の巧みなバランスの上に成り立つ技術といえます。
生酛づくりから生まれたLK-117
菊正宗は360年以上にわたり、この生酛づくりを守り続けてきました。その過程で蔵に存在する乳酸菌を研究する中で発見されたのが、米由来乳酸菌「LK-117」です。
難消化性デンプンを多く含む米「ホシニシキ」を原料に、神戸大学・兵庫県工業技術センターとの共同研究を経て選抜されたLK-117は、日本酒造りという伝統技術と現代の科学研究が結びついて生まれた乳酸菌といえます。
アルコールと乳酸菌、摂取における注意点
「乳酸菌とアルコールを一緒に摂っても大丈夫?」と気になる方もいるかもしれません。日本酒そのものに含まれる乳酸菌由来の成分と、乳酸菌サプリメント・飲料を同時に摂取することについて、明確な相互作用が報告されているわけではありませんが、アルコールは肝臓や胃腸に負担をかけるため、飲み過ぎには注意が必要です。
また、乳酸菌サプリメントや飲料の摂取に関しては、体質や持病によって適量が異なります。持病がある方や妊娠中・授乳中の方は、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
乳酸菌の摂りすぎによる影響については、以下の記事も参考になります。
FAQ:よくある質問
- 日本酒と乳酸菌はどのような関係がありますか?
- 日本酒の伝統的な製法「生酛づくり」では、蔵に自然に住み着いた乳酸菌が作り出す乳酸によって雑菌の繁殖を防ぎながら、安全に酒母(酛)を育てます。乳酸菌は日本酒造りに欠かせない役割を担っています。
- 生酛づくりとは何ですか?
- 江戸時代から続く日本酒の伝統的な製法で、人工的に乳酸を添加するのではなく、蔵に自然に存在する乳酸菌の働きを利用して酒母を育てる技術です。手間と時間がかかりますが、複雑な味わいを生み出すとされています。
- 日本酒に含まれる乳酸菌は、腸内環境にも良いのですか?
- 日本酒は製造工程の中で乳酸菌が使われますが、最終的な製品(お酒)自体に生きた乳酸菌が豊富に含まれているわけではありません。生酛づくりの研究から発見された米由来乳酸菌LK-117のような、別途培養・選抜された乳酸菌が、腸内環境に着目した研究の対象となっています。
- お酒を飲みながら乳酸菌サプリを摂っても大丈夫ですか?
- 明確な相互作用が報告されているわけではありませんが、アルコールは肝臓や胃腸に負担をかけるため、飲み過ぎには注意が必要です。持病がある方や妊娠中・授乳中の方は、自己判断せず医師に相談してください。
- LK-117はどのように生酛づくりから見つかったのですか?
- 菊正宗酒造・神戸大学・兵庫県工業技術センターの共同研究により、生酛造りの過程に存在する多種多様な乳酸菌の中から、機能性が期待できる菌株として選抜されました。日本酒の伝統製法から生まれた、菊正宗ならではの乳酸菌です。
まとめ:日本酒は乳酸菌が支える発酵の芸術
日本酒と乳酸菌は、一見結びつかないようで、実は生酛づくりという伝統製法の中で密接に関わっています。乳酸菌の力を借りて雑菌から酒母を守るという知恵は、江戸時代から受け継がれてきた発酵の科学そのものです。菊正宗が発見した米由来乳酸菌LK-117も、この伝統の中から生まれました。
乳酸菌全般の働き・選び方については、以下で詳しく説明しております。
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本記事は研究結果や一般的な知見をもとにした情報提供を目的としており、医療行為や治療を目的としたものではありません。飲酒は20歳になってから、適量を心がけましょう。症状がある場合は医師や専門家にご相談ください。









